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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
学園祭編
63/78

思考

事務所からの帰りを柚子さんが「送っていくよ」と言ってくれたが、断り夜道を歩いている。

夜道と言っても、都会は街灯が多くある為、明るく人通りも多いので問題は無いのだが、俺の頭を中を占めている事は先ほど事務所で沙羅さんが言った話だった。


「ユキ、これは私の推測だし、ゲームでは考えられないことだが、多分、アバターは今もあの世界に存在していると私は思っている。今回の噂はその糸口の一部だと思うが最初の違和感を感じたのは、ユキの強制ログアウトとアバターの関係性だね。あの時、君は現実の自信の部屋に居たはずなのに、そのアバターが30分も放置されているのはおかしいことだよね?」


沙羅の言葉に俺と亜里沙は顔を見合わせた。

確かに1~2分なら強制処理などの都合で理由はあると思うが30分も存在する事はおかしいと思う。


赤信号で横断歩道の前で立ちながら沙羅が感じた違和感と俺が実際に感じた違和感を合わせてみる。

些細なものでも上げるなら、沙羅はNPCの動きや行動範囲、アバターの消失の有無、ドッペルゲンガー事件、ゲーム世界に対する雰囲気の変化で俺はやはり俺の感情とは別に発生した涙とアバターに関するストーリーだ。


信号が青に変わり、人の流れに乗りながら歩きだす。

歩みつつも今後の事を考える。

ゲームのことは一時忘れて、学園祭と仕事の事を考えないと行けないとは思いつつも、やはり気になってしまう。


色々考えていると遼から連絡が入ったので通話にする。


『よう、雪。今、家に居るか?』

「今、事務所からの帰りだがどうした?」

『今からログイン出来るか?レアモンスターを見つけたのだが、かなり強くて戦力が欲しい。今、綾、花音ちゃん、華月ちゃん、吹雪さん、アリスちゃん、セシリアちゃんと居るのだが、出来ればサリアちゃんとサラさんも呼んでくれ。』


レアモンスター…出現条件が難しく、強さも通常種より強いがレアアイテムが手に入るオンラインゲーム定番のモンスター。

この【freedomfantasy】も例外では無かったようだが、今まで発見報告とかも無かったために、居ない物かと思っていたが…


「どんな状況なの?」

『1PTが乗り込んだら瞬殺されていた。レベル上げPTだったからかも知れないが、かなり強い。俺一人じゃ耐えられないし、堅そうだから火力も欲しいからサラさんにはやはり来て貰わないときついな』

「今から家に帰って準備するから少し遅れると思うけど良い?」

『大丈夫だ。今、NPCの冒険者がギルドへ報告に向かってるから討伐依頼の提出にも時間はあると思うし、最悪、他のプレイヤーと共闘しないと勝てないレベルかも知れないから、時間に関しては問題ない』

「了解。じゃあ二人には連絡入れておくけど無理なら諦めてな。俺も急いで帰るから」


それだけを伝えて通話を終えると速足で自宅へ向かいながら、沙羅と亜里沙へ連絡を入れる。

あの世界に対する、疑問などはあるがそれ以上に仲間との冒険が楽しいことには変わりないので、答えが出ない悩みで目の前のことを疎かにしたり、楽しめないのは楽観的なのだろうが損した気分になりそうなので、今は目の前の事だけを考えるように思考を切り替えた。



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