打ち合わせ~学校編~
5月中に出す予定でしたが少し体調を崩し、遅れました。
誤字脱字があると思いますが、楽しんで読んで頂ければ幸いです。
報告、頂けると後日、修正いたします。
「学園祭の売上金はそのクラス&部の設備購入費に当てられます。頑張れば、教室に新しい物を買ったり、入れ替えたり出来るので頑張りましょう」
委員長の発言で、クラスメイト達が盛り上がる。
部活動の方も、部費や外部の客へ対しての部のアピールにもなるので色々と学校内で盛り上がりを見せている。
実際に、文化祭に参加してこの学校に進学する人が多いのも事実なので、学校側も準備期間をしっかり取っている。
実際に開催される期間は3日間なのだが、準備は2ヶ月前から始まり、ラスト1週間は授業免除で許可があれば泊まり込みも可能と学校側の本気度が伺える。
「一応、学校側が手配している業者のリストをプリントして皆さんに配りますが、他に良い業者を知っている方が居ましたら提案してください。」
今回はクレープ屋なので、学校側の業者は大量受注で安くなるが材料の質は普通なので家庭作るようなクレープになると思う。
売る為には目玉商品と言うか他には無い強みが必要で、委員長の「他に良い業者」と言うのはそういう意味も込められている。
しかし、クラウスメイトに業者の伝があるわけも無く、少し沈黙が続く。
「おい、雪。お前何か知らないか?」
こっそりと俺に声を掛けてくる遼。多分、クラスの出し物に協力は出来ないけど、少しでも良い物にしたいとは思っているのか、俺に尋ねてくるが、無い訳ではないけど目立ちたくないのが本音である。
「じゃあ、変わりに提案して。俺が知っているのは馴染みの苺農家で結構、質の良い物作ってるよ。」
「よし、それで行こうぜ」
俺の話を聞き、すぐに行動する。
「委員長。俺の知り合いに苺農家と伝がある奴が居るんだが、その苺を使ったクレープを目玉にしないか?」
「それで行きましょうか。一応、費用を教えて欲しいので先方に伝えて、納品の見積もりを作って貰えないかな?一応、他の商品も出すけど目玉は1日50個で150個売る予定なので、750個位で見てもらえないかな?」
「OK。じゃあ、知り合いには伝えとくから後日、見積もり渡すから宜しく」
その後は目玉の苺クレープのほかの商品を決めはじめた。
簡単にチョコバナナ、安さメインの生クリームチョコ、キャラメルソースをトッピングしたキャラメルバナナの4種類に決定した。
「所で雪の仕事の用件ってどんな内容だったんだ?」
「ああ~綾が俺の母さん伝で文化祭の出演依頼を出しやがって…お陰で初日はサプライズ公演で残り二日間は普通にコンサート開く事になった。」
自分の学校でコンサートってどんな罰ですか…。
机に突っ伏してため息を吐く。
「どんまい。それなら沙羅さんと亜里沙ちゃんも来るのか!少しやる気が出るな」
「意気込んでる所を悪いが、俺たちと言うか二人の自由時間は余り無いぞ。それに今はまだ内緒の話だから誰にも話すなよ」
遼は「わかってる」と笑いながら手を振って同じサッカー部のクラウスメイトと話をする為に席を離れた。
本当に大丈夫だろうか不安を覚えるが、そこは友人として信用しようと思う事にした。
その後は役割分担を軽く決めることになった。
まず、部活の方も参加する人は作業が少ない役割を率先して与えて、それ以外は少し負担の多い作業や当日の店員を行うことになった。
俺も少し事情があり、事前作業と当日の初日の午前の店員を行うことにした。
事前作業は屋台作り班で遼も同じく屋台作りだ。
他にも看板、ビラ、事前の料理器具の調達、メニュー表、資材搬入確認など色々あるが、委員長は作業進行のプラン&指示を行って一番、仕事量が多い役割だった。
委員長プランでは泊り込みは無しでも十分終わる作業分配をプランニングされており、日毎の作業もそこまで長時間ではないので、俺の本業の練習の時間も十分あるので凄く助かる内容だった。
と言うか今日、話を決定してすぐにスケジュールを作る委員長の高スペックと言うか優秀さには呆れると言うか人としておかしいと思ってしまった。
委員長は各班の班長に今作ったスケジュール表をコピーして渡して、日々の作業の報告を義務化した。
「ほうれんそうを怠るとこの様な作業には支障を来たす場合が多いのでお願いね。些細なことでも相談は絶対にして独断で判断しないように」
委員長の言葉は会社の上司が部下に求める義務と言うか当たり前の事だが、俺たち学生にとっては【報告・連絡・相談】は余り行う機会が無く、特に【相談】と言う部分を委員長は班長のみんなに強く言っていた。
「じゃあ、文化祭を良い物にする為にがんばりましょう」
「「「「おーー」」」」
(明日から作業と練習が始まるから、俺も頑張るかな。)




