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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
クラン結成編
48/78

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誤字脱字あると思いますがよろしくお願いします

脳波にエラーを感知したのか目を覚めると自分の部屋の天井が目に入った。

長時間のプレイもだが、長い時間の戦闘も脳波のエラーを感知するらしく、強制ログアウトと30分のログインロックが、かかっていた。

30分の間に洗面所で冷たい水で顔を洗うと少し、すっきりした。

沢山の魔物と戦っている最中は意識もしていなかったら、リアルな描写と感覚に少し恐怖を感じた。

迫る魔物、食い込む刃物、傷を負う感覚…痛覚は和らげられているが、それが無かったらゲームとは思えなかった。

一昔前に起こった【ゲームと現実の区別が認識できない若者】を生み出さない処置が強制ログアウトなどの制限なのだろう。

今ではVR技術が普及している中でこの【freedomfantasy】のクォリティーは別次元だから制限も必要だろうとは思うが目が覚めたら現実は少し混乱する。



自室に戻る前に妹の部屋を覗くと向こうの世界に行っているのか、妹の体はベットの上で寝ていた。

少し暗く、肌寒いと思い、薄い布団を妹の体の上に羽織ってあげると、部屋を出た。

時間を確認して自分の少し部屋の室温を温かくして、ログインを開始した。





「師匠、おはようございます」


目を開けると、アリスの顔がドアップで目に入った。

周りを見ると、怪我をしたゴブリン兵や死んだゴブリン兵が入り口付近まで運ばれて、中心部では今も、蟻との戦闘が行われていた。

しかし、戦局はゴブリン軍が優勢で、女王アリが巣から出て来て自ら戦闘に参加していた。


「おう、嬢ちゃん起きたのか?」


前に見た、ゴブリン王が立っていた。

今回は自身の体より大きな大剣を携えて戦闘モードだった。


「嬢ちゃんはそこで休んでな。あとは俺たちの出番だ」


その言葉を残して、自身の左右に立っていた騎士を連れて戦場と化している中心へ突撃していった。

その光景を見ながら、アリスへ私の状態を尋ねてみた。


「私は寝てた?」

「はい、30分位は寝ていたと思います。」


寝ていた?こっちの体は消えていなかったのだろうか?


「私、実は強制ログアウトになって現実に居たのだけどアバターの体は残って居たの?」

「えっ!そうなのですか?けど師匠の体は此処に残って居たので私は寝てるだけかと思っていました」


アリスが嘘を付いているとは思えないが俺は間違いなく現実の自室に戻っていたのでログアウトしたと思うのだが、もしかしたらログアウト後でもこっちの世界ではアバターの体は残る仕様なのだろうか?


「ギギイィィ」


昆虫系のガラスを擦るような甲高い声が聞こえて声のする方を見ると、ゴブリン王が自身の大剣を深々と女王アリへ突き刺していた。

「ふん」


声と同時に突き刺した大剣を体を上へ切り裂くように引き抜くと、胴体の中心から頭の先まで真っ二つに切り裂かれた女王アリは絶命した。

司令塔を失った蟻の軍勢は当初見せていた軍勢としての統率の取れた動きが出来ておらず、ただの群れと化しゴブリン兵や騎士により殲滅させられた。

大剣を片手で振って蟻の体液を飛ばして鞘に納めたゴブリン王が俺の元へ近づいてきた。


「今回は嬢ちゃん達のお陰で大事には至らなかった。こいつらは繁殖力と群れでの脅威が国も落とせるほど厄介でまだ、クイーンに進化して間もなかったから国への被害は無かったが…もっと繁殖していたと思うとゾッとする。」


個では間違いなく圧倒していたゴブリン王でも軍勢には太刀打ち出来ないのか少しほっとした様な笑みを零していた。


「そういえば国への入国許可で依頼を受けていたんだよな?それは今回の功績で不問とすると言うかこちらの方が貸しが大きいから城へ来てくれ。今回のモンスターパニックの功労者としてお前らを招待するぜ」


時間も時間なのでお城への招待は明日にして貰い今日は、ゴブリン国の宿で泊まると伝えると、王様御用達の宿を教えて貰い、更に王様直筆の紹介状を書いてもらうと私は仲間たちの元へ向かった。

ゴブリン軍はキラーアントの巣の処理と今回のモンスターパニック&クイーンへの進化の原因を調べる為、この場に留まるとの事だった。


満身創痍な体を引きずる様に歩き、ゴブリン国内の王様御用達の宿屋へ着くと、すぐにベットへ倒れ込みログアウトした。

ゲーム内のアバターだが、精神的な物で疲れたのか、自身の部屋の天井が目に入るが動く気が起きずにそのまま眠りに入った。


(ああーみんなも多分同じ感じになっているのだろうな…)


帰り道のみんなの表情は疲労困憊だと言わんばかりの顔をしていたので自分と同じく動く気が起きずにそのまま寝ている仲間の様子を想像しながら意識を手放した。


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