ゴブリンの国と試験2
相変わらず誤字が多いと思いますが、読んで頂ければ幸いです
ゴブリン騎士が居た広間から少し歩くと地下へ続く階段が見つかった。
「下へ行く?」
サラの言葉に俺は頷き、地下へ降りていく。
地下は魔素の感じが上の階に比べて濃密になり、雰囲気が暗いと言うか重い。
少し歩くと、赤い色の大きな蟻が5体居た。
獰猛で好戦的、力高く、甲殻が固いキラーアント。
キラーアントの突進を正面から受けるサラだが3歩程、後方へ押される。
1体だけで厳しく、4体がフリーとなり、サラを抜けてPTメンバーへ襲い掛かる。
アリスとサリアは1体のキラーアントに攻撃を仕掛けるがダメージが余りないのか、怯むことなく二人へ攻撃する。
顎の攻撃を2本の剣で受けるサリアと一番、柔らかそうな眼に突きを入れるアリス。
「吹雪は、セシリアを守ってくれ。」
吹雪にセシリアの守りをお願いして、キラーアント1体に対して攻撃を入れる。
関節の繋ぎ目へ居合を加えると、腕の1本が宙を舞う。
「ギギ」
腕を斬られて少し怯むが敵意は消えずにすぐさま攻撃を加えて来る。
顎の攻撃は単調だが一撃喰らうと、その力で防具ごと潰される感じがする。
腕の攻撃は先が爪の様に鋭いが、顎よりは危険度が低いので多少、ダメージを貰っても問題は無い気がする。
「はぁ」
「ギィィィ」
後ろの方で吹雪がキラーアント1体に格闘技で壁に吹き飛ばしていた。
キラーアントは断末魔を上げ壁にめり込み、甲殻の隙間から体液が流れていた。
「格闘スキル 螺旋掌」
吹雪は技を放った後、額に汗を流し、乱れた息を整えていた。
多分、大量のSPを消費している為、疲労感が出ているのだろう。
「光の盾」
アリスがキラーアントの顎の攻撃を受けそうになった瞬間にセシリアが光の壁をキラーアントとアリスの間に展開する。
キラーアントの一撃を受けて光の盾は粉々に砕けるが、アリスはその瞬間に後ろに下がって、危機を逃れる。
「ふん」
太刀で首と胴を切り離すが動きを止めないキラーアントの足も切り落として、動きを完全に止める。
昆虫タイプの魔物は固い事としぶとい事が厄介なので、しっかり動きを止めた事を確認しにと酷い目にあるのだ。
「サリアさん」
「ok、来い!アリス」
アリスがサリアと声を掛けて、キラーアントに同時に切りかかる。
サリアは短剣スキルダブルエッジを右と左で発動。
アリスは槍スキルのドライブスラストを放つ。
サリアの攻撃で甲殻に多くの傷を付けられて、動きが鈍くなった所に鋭い剣での突進攻撃を受け、さすがのキラーアントもそのまま壁まで押されて絶命した。
あの固い甲殻を貫通する攻撃はさすが槍スキル。
ちなみに槍スキルだからと槍しか発動しない訳では無い。【突く】動作が可能な武器なら短剣でも発動出来るのだが、リーチの問題もあり感覚を練習して覚えないと実用するのが難しいだけなのだ。
アリスは突くと切るの為に片手剣スキルと槍スキルを上手く使って攻撃する練習をしていた。
二人の今日初めて組んだPTとは思えない息の合った攻撃を横目に2体目のキラーアントを倒す。
あとはサラの受けている1体のみなのだが、その1体もサラが倒していた。
斬撃でのダメージが低いのが理解して、盾での打撃と剣での突き攻撃に切り替えて、戦闘開始から今までコツコツとダメージを与えていた。
アタッカーの様な瞬発力や大火力は無いが、高い防御力を生かし長期戦で確実に相手を倒す方法を焦ることも無くやり遂げるのがサラだった。
戦闘終了したがやはり疲労とダメージが抜けない。
「ヒールフィールド」
セシリアが範囲設置型の回復魔法を発動する。
「しかし、この階層やばいね」
サリアが苦笑いしながら言う。
確かに、サリアの言う通りこの階層は上に比べて段違いにレベルが上がっている。
それに、魔素の濃度が違い過ぎるので何か異変があった気がする。
「うーん。依頼の優先よりこの状況の調査と報告に切り替えようか。もし、発光草があれば採取すれば良いけどこのレベルの魔物が大量に居るのは危険すぎるからね」
休憩と回復を終えて、更に奥へ進む。
出て来る魔物はキラーアントのみ。何かがおかしい気がする。
5体から6体の集団を7組程、倒した頃に少し開けた場所に出た。
「ここにボスか、キラーアントの大量発生の原因がある可能性があるのでモンスターに気づかれないように中の様子を見よう。」
俺はみんなに、注意を促して、ゆっくりと中を進む。
広場には、穴の開いた大きな岩の塊と大量のキラーアントが居た。
そのキラーアントの中に岩の穴を守るように小柄で顎が長いキラーアントが数体居た。
【キラーアント・ソルジャー】キラーアントが働き蟻に対して兵隊蟻に属するモンスター。普通のキラーアントよりも高い戦闘力と獰猛性を持ち、かなり危険な魔物に属する。
しかも、魔王種であるキラーアント・クイーンが居る場合のみ発生するので、この岩は巣で、100%クイーンが存在する事が発覚した。
「これはやばい。すぐにゴブリン国に伝えて対処しないと」
撤退の指示を出してこの場を去ろうとしたら、1体のキラーアントが入り口に居た。
1体だけなら問題ないが、仲間に気づかれてこの集団と戦うことになる可能性が高く、戦闘になるとこちらの全滅が目に見えて予想できる。
「あの1体を突破してみんなはこの事態を知らせる事を優先してくれ。私がこの中で生き残れる可能性が高いと思うから、足止めはする。」
「師匠。一人じゃ危険です。私も残ります。」
アリスが残ると言って来るが、アリスがこちらに残ると、撤退するメンバーの生存率が下がる。
道中にキラーアントが居ないとは限らないので俺が抜けて、ギリギリなのだからアリスにはこちらではなく、みんなと言って欲しかった。
「アリス。私とセシリアどっちが大事なの?あなたは加護の無いセシリアが危険な目に会う選択をするの?よく考えて」
かなり厳しい言い方をしたが、私は最悪、復活出来るが、セシリアは例外だ。彼女の死はこの世界でも死に繋がり、その事実がアリスの後悔に繋がる事が解る。
ならセシリアの死は絶対に回避しなければ行けない、最重要項目なのだ。
「帰りも危険は多いから、みんなは私のことは考えずに突き進んで」
その言葉を良い終えると同時に、入り口のキラーアントへ向けて攻撃を仕掛ける。
瞬時に近づき、首を斬り飛ばすがやはり昆虫類の魔物で、その程度では絶命しない。
「ギィィィ」
大きな断末魔。その声にキラーアントの集団が侵入者の存在に気づく。
「早く行け!!」
私は持っていたボムの呪紋を刻んだ魔石を4つ集団に投げて発動さえる。
4つの爆発が発生して、キラーアントが爆風で千切れ吹き飛ばされる。
「ここから先は通さないよ」
武器を構えて、眷属を呼び出し、戦闘態勢を整える。
スケルトンナイトは盾と剣を構えて、俺は太刀を納めた鞘に手を添える。
少しでもみんなの生存率を上げる為の戦闘が始まる。
仕事の忙しさと、体調不良で週1位のペースになってしまいましたが、ゆっくり更新していきますので、宜しくお願いします。




