傭兵団結成クエスト
翌日、ログインをして、ギルドへ向かった。
正式サービスの開始日だからなのか、街中は人で溢れていた。
そんな中、まずは商人ギルドへ顔を出す。
「あっ、ユエさん。丁度良い所に」
受付のお姉さんに呼び止められて、受付に向かう。
何でも、大量発注の依頼があり、しかも、俺が作ったアクセサリーを腕輪と指輪各種200個の注文だった。
「国の騎士団からの依頼で、装備の増強にユエさんのアクセサリーが話題に上がって、試験的に1部隊に配備されることになったとの事です。期限はユエさん一人での作製なので、時間が掛かると説明した所、出来次第で構わないとの事です。報酬は1つ2000MGです。」
かなり大きな仕事だ。80万MGは正直破格だし、試験的なら実用化されると更に注文が入るだろうし、冒険者への宣伝にもなる。
素材も石の加工だけなので、安上がり。
「その依頼受けさせて頂きます。」
「わかりました。ではカードをお貸しください。」
受付のお姉さんにカードを渡して受理して貰ったら、次は冒険者ギルドへ向かう。
早めにクラン結成のクエストを受けとかないと後々、面倒な事にもなりそうだしね。
「ようこそ。冒険者ギルドへ」
ギルド内に入って、すぐに近くの受付に尋ねた。
「傭兵団の結成をしたいのですがどうすれば良いのでしょうか?」
「クラン結成ですね。でしたら向かいの受付で受け付けております」
「ありがとう」と彼女にお礼を言い、正面の受付へ向かう。
今日からの新システムだから、人が並んでると思っていたが、3~4人しか並んで居なくて、今、受付と話している人は何か怒鳴っている感じがする。
「それは無理じゃないのか?」
「ですがルールですので、出来ないのでしたらお引き取りください」
クエストの内容に問題があるのか、男性はひたすら抗議するも受付嬢は「お引き取りを」との言葉しか返さず、男性はそのまま、立ち去って行った。
何人か同じ感じで受けずに帰る人が居て、すぐに俺の番になった。
「クラン結成のクエストを受けたいのですが」
「結成クエストですね。ではまず、貴方一人でゴブリン50体、ウルフ50体、ジャイアントバット50体の討伐をお願いします」
はぁ?50?3種類モンスターを50体も倒すのか…そりゃ文句も出るよ…
「無理でしたらお引き取りを」
受付嬢は手元の書類を見ながら興味なさげに言葉を吐く。
この人の対応でも怒っていたのかも知れないな。
「いや、受けるよ。」
「わかりました。ギルドカードに記載されますので、他人の力を借りた段階で依頼は失敗となります。良いですね?」
「わかりました。」
さて、受理したしモンスター退治なら折れた太刀の代わりを作ってから行こうかな。
俺の後の人も文句を言っているのを聞きながらギルドを出て自分の店へ向かう。
素材が余りないのでアイアンインゴットを使用して刀を作る。
柄は残ってるので刃だけ作り直す。今回は魔力を流しながら制作する。
炉の具合の良く、鍛冶設備は文句なしの出来なのでスムーズに制作が進む。
野太刀(魔)…攻17 ※力10 素早10 野太刀だが、刃に魔力を馴染ませることで通常の野太刀に比べて魔力浸透率が高くなっている。
完成した太刀を携えて、森へ向かう。
道中、同じ目的のプレイヤーも居るが、50体と言う数の為、モンスターの奪い合いが行われていた。
現れた瞬間に、ヘイトを奪う姿は醜く、森へ行けば良いじゃなと思うのだが、森はモンスターが集団になって襲ってくるため、今回のクエストの条件 一人での狩りには不向きなので、仕方なく人の多い野原で戦っているのだろう。
森に入るとすぐにスキルを発動する。眷属創造、使い魔なら仲間扱いにならないし、討伐スピードも速くなる。レベルに対応した数の眷属を生み出すのだが、10レベルごとに1体なので、まだ1体しか呼べないが問題ない。
いつものスケルトンナイトが剣と盾を構えて目の前で待機している。
「よし、行くか」
スケルトンナイトを引き連れて森の奥へ向かった。
「きゃん」
スケルトンナイトの剣で切られたウルフ、俺は太刀を抜きゴブリンを一刀の元に切り伏せる。
森の中で、結構な集団に襲われたが、スケルトンナイトがタンクとなり盾を使ってモンスターを受け持って、溢れた奴を個別に俺が倒して行く。
俺のレベルが上がったからなのか、スケルトンナイトも最初に呼び出した時に比べて、動きがスムーズで剣の攻撃にもキレがあった。
多分、俺の成長が使い魔(眷属)にも影響があるのだろう。最近、実装されたサモナーとテイマーも同じ感じなのだろう。
取得条件が現在も分からないが、ペットはガチャでも出るので、もしかしたら、ガチャでペットを入手する事で取得出来るのだろうか?
森の中の洞窟でも戦闘を続ける。
狭い洞窟内では太刀を振り回すのが難しいので短刀2本に切り替えて素早く動く。
ジャイアントバットの吸血攻撃もスケルトンナイトにはただの噛みつき攻撃で意にも介さず盾で吹き飛ばして剣で切る。
討伐数が多いので、魔石の回収のみで剥ぎ取りは行っていない。
あと、現在のジョブは剣士 スキルは4つ 鍛冶 鑑定 紋章術 彫金で剥ぎ取りが無いのも行わない理由ではある。
剥ぎ取りが無くても素材の採取が出来ないわけでは無いが、部位の把握や成功率がかなり違い、スキルが無いと、毛皮の剥ぎ取りは不可能に近いのだ。
洞窟内でゴブリン、ジャイアントバットの討伐数は達成されたので外へ出て残りのウルフを狩る。
「こんなものかな?」
スケルトンナイトと二人でウルフをひたすら倒す。
後半は何故かウルフが見つからず大変だった。(匂いで危険を察知して回避していたのはユエは知らない)
目標は達成されたので街へ帰るために森の中を歩く。
走っても良いのだが、焦る必要も無いし、この世界をゆっくり見たい気分なので歩く。
ユエの後ろで剣を腰に納めたスケルトンナイトが連れ立って歩く。
「誰か!助けてください」
「きゃー」
少し離れた所から悲鳴と助けを呼ぶ声が聞こえて来た。
ゲームの中でも無視するのは気分が良い物では無いので、声の聞こえた方へ走る。
木々の上を飛びながら疾走すると、川辺の方に人影2つと、大型のモンスターの影が2つ見えた。
まだ、少し距離があるので、ユエが到着するより、モンスターの方が先に人影に攻撃するのが早く感じる。
ユエは走りながら、呪紋を刻む。
「プロテクション」
使い慣れた、防御魔法を人影に、施すと同時に、短刀2本を投げつけた。
投げた短刀はモンスターの前に刺さり動きを止め、その隙に一気に距離を詰めて、人影とモンスターの間に入った。
「大丈夫ですか?ここは任せてそこで待っていてください」
人影の方に背を向けながら、モンスターを見る。
相手は最初に苦労させられたジャイアントベアーだった。
誤字修正しました。




