キャラメイク!
VRギアを稼働させると、意識が眠るような感じで落ちていった。
眼が覚めると青暗い空間に一人で立っていた。
「おーい、吹雪どこだー?」
大きな声で吹雪の名前を呼んでも返事がなかった。
つまり、この空間に俺しかいない事になる。
「ようこそ、freedomfantasyの世界へ、私はこの世界を管理している統括AIのサラサと申します」
統括AI?かなり会話がスムーズで、表情も人間味を感じるのだがAIだとしたら吹雪たちと同じレベルかもしれないな…
「一緒に来た人物が居ないのだが、この空間は一人、一つあるのかな?」
「そうですね。普通は空間では無く部屋で私が作った受付用のキャラが対応するのですが、あなた方に関しては少し特殊なケースですので、彼女の方には参加資格があるか試験をさせて頂くだけですよ。まぁAIとして命令を受けるだけなのか、自分で判断してキャラメイクが出来るかってだけですよ。」
微笑みながらサラサは俺の前まで歩いてきた。
近づいたくるに従って細かな動きや表情の作り方が自然で、先程のやり取りも機械的な対応では無く、自分の意思で言葉を紡いだ感じが大きかった。
「あちらの世界でお会いできると思いますので、今は貴方のアバターを作成しましょうか」
自身の目の前に透明なパネルを出して、キャラメイクに関する説明を始めた。
「まず、初期では3種類の種族しか選べ無く、正式サービスで課金オプションで追加に3種族選べれます。そして、ランダムを行うと課金でも獲得できな上位種族も可能になりますが、可能性が0.001%未満ですので根気があるならリセマラして下さい。なお、リセマラすると次からのランダムには課金が発生します。1回につき1000円ですね」
リセマラ推奨の種族選びって鬼畜仕様でしょう…しかもさり気にサラサが「上位種族は4種類あるので(≧∇≦)」などと更に鬼畜度を上げてきたので世の廃人さんはこのゲームを開始するのに何日掛かるのだろうか…しかも、リセマラと言いつつ金取るのも下衆仕様ですわ。
「課金ってどうやるの?」
「課金はサイトのプレイヤー個人のプロフィール画面に支払い項目があり、カードもしくは、預金番号で対応させて頂いております」
課金しやすいが使いすぎる可能性があるので注意が必要か…
「リセマラのみは今でもできるの?」
「リセマラに関しても正式サービスからの開始になりますね。一応、βテスター様には最初からになりますのでケアーとして10回分は無料の対応になります」
1万円分のリセマラ無料は良いのか悪いのか判断出来ないが、金額的には良いのかもな…
しかし、レア種族が0.001%なら10回じゃまず当たらないだろうな…
「最初に選べるのは人間、エルフ、ドワーフのみです。追加で獣人、妖精、龍人が可能になります」
「種族の違いで何か恩恵などがあるのか?」
「はい、パラメータは勿論、種族スキルもありますね。ランダムのレアでスライムもありますがこれは種族スキルに吸収、分裂、自己再生が付いてきますね」
レア度が高いとその分、スキルとパラメータが強くなる利点があるのか…これはマジで廃人様はリセマラするのだろうな。
「種族スキル以外にも、職スキルがあるのですが普通のゲームと違いfreedomfantasyは最初は皆さん無職からスタートになり、色々経験して職を獲得して行く形になります。また、種族スキルは取り外し不可ですが、職スキルは覚えたスキルの取り外し可能で種族によりスキルセット数が違うので注意が必要です。色々な職を経験してオリジナルのスキル構成を目指して下さい」
まぁ現実だと生まれた時から職があるのはおかしいから無職でも良いとは思うが…しかし、変なこだわりがあるな、このゲームは…
「種族を決めたら、次は細部の調整なのですが、これは種族を自分で決めた方のみの権利でランダムの場合は勝手に決まりますのでご了承ください。まぁ種族を自分で決めて自分らしさを出すか、レアな種族ゲットて適当な見た目で旅をするかは自分で決めて下さい」
「最後に名前を決めてこの流れでキャラメイクは終了になります」
「そうか、じゃあさっさとやるかな」
俺が選んだのはランダムで名前はユエだ。何故、ユエと言うと雪月花の雪はリアルネーム、花は妹、花音で月を2人のキャラ名にすると話をして俺がユエで花音がルナにしているのだ。
「キャラクターの作成は確認しました。ランダムなので見た目、種族はゲーム内までのお楽しみということで、開始までゆっくりお待ちください」
この言葉を最後にサラサは目の前から消えた。
所でログアウトの仕方がわからないのだがどうすれば良いのだろうか?