表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
freedomfantasy  作者: 黒猫の手
βテスト編
37/78

PVP大会本戦、その後

読んで頂いた方々、明けましておめでとうございます。

何と、PV10万達成しました。皆さまのおかげです。

今後ともよろしくお願いします。


試合後に泣くだけ泣いて気を失った俺は次に目を覚ましたら、知らない天井が目に映った。

横の棚には折れた愛刀が置かれて、あと試合は現実で自分が負けた事を実感させられた。


(ふぅ、技量が足りなかったのか…ごめんよ使いこなせなくて)


無残な姿の愛刀に謝罪をする。

彼との戦いで自分の技量が足りない事と、ステータスに頼りきった戦闘ばかりだったと反省する。


そんな、暗い感じで反省をしていたら、部屋の扉が開いた。

中に入ってきたのはサリアとサラだった。

2人は試合後に心配して来たらしいのだが目が覚めてなかった俺の事も考えて一旦、客席に戻ったとの事だったが、やはり心配で試合に集中できなかったらしく、部屋に戻ってきたのが今との事だった。



「ユエさん、大丈夫ですか?」


心配そうな顔で俺の様子を伺うサリア。

俺は心配させたこの子を安心させる為に頭を撫でた。


「しかし、試合後に号泣するとは君も中々、感受性が豊かなんだね」


少し笑みを浮かべながら、サラが言ってくるがもう、この件に関しては触れないで欲しい。

だけど泣いた事で少し、気持ちに一区切りと言うか整理がやっと出来た気もする。


「大会は今どんな感じ?」


俺のあとの試合の進行具合を聞いてみた。

何と既にベスト4、準決勝まで進んでるらしく、俺の仲間で勝ち残ってるのはアヤメと吹雪のみだった。

ルナと華月は俺と同じ2試合目で敗れていた。

リョウは3試合目でアヤメにボコボコにやられてベスト8止まりだった。

準決勝は俺を倒した人とアヤメ、吹雪と槍使いの男性だった。


戦闘方法が近接系3人は、武芸を嗜むものとしての直感や反射などの鍛えた身体能力で戦闘を有利に進める形なのだが、吹雪は、詰み将棋の様な、相手を倒すための一手を確実に実行して罠に嵌める戦法だった。

まさに、後衛職らしい戦い方で勝利を手にしていた。

そんな二人でも準決勝の相手は手強かったのか、瞬殺では無い物の後半は打つ手がなくなり負けてしまった。

決勝の試合を見ても、相手の力量がかなり凄いことが見て取れ、自分が目指す強さがそこにあった。






「しかし、本戦出場しても、2試合目からの試合はマジで化け物ばかりだったな」


リョウが試合の感想を愚痴りながら述べた。

全大会が終了して、アヤメ、吹雪、リョウはベスト8の賞品を手に入れて、俺の家に集まっていた。


「しかし、ベスト8の報酬が素材「ミスリル鉱」とは思ってなかったぜ」

「まだ素材なだけ良いよ。私と吹雪何って、ベスト4「装備引換券」って何?!」


リョウは鉱石なので加工しなければ行けないので、俺が預かって加工した後に希望の装備を作る形になった。

装備引換券は内容を読むと、この国の装備品を券と交換でどんな物でも実質無料との事らしい。

プレイヤー店舗では使用不可なのだがね。


「しかし、上位のプレイヤーってステータスじゃ測れない強さがありましたね」

「客席から見てても、予選組との地力の違いが出てたね」


吹雪とサラがこのゲームでの戦い方と育成方向をお互いに話し合っていた。

魔術師系では今の吹雪の戦略を普通のプレイヤーが行うのはかなり脳に負担が出るとの結論が出て、達人級のプレイヤーでは現状、魔術師じゃ勝てないと思われる。

華月もAIとしての演算能力をフルに使って攻撃魔法の火力で押していたがベスト8にも行けなかった。


「もっと火力と詠唱の短縮が鍵だと思います」

「いえいえ、やはり魔法職でも近接戦闘を身に着けるべきです」

「斧一択!」


ちび組の華月、サリア、ルナも自身の戦闘スタイル方向性を決めていた。

ルナ…脳筋スタイルは困るのだが…


「しかし、βも今日で終わりか、サービス開始からどうする?」


リョウが料理を食べながら、みんなに今後の事を聞いた。


「私は、レベルもだが今のこの体で現実と同じくらいの動きが出来る様にトレーニングするかな?準決勝で負けたのが悔しい!」

「同じく、今以上の詠唱短縮と威力上昇、新しい魔法を覚える事を第一優先にしたいと思います」

「俺はやはりこいつで新しい剣を作って貰って、自分だけの戦闘スタイルを作ろうかと思っている」

「斧の扱いをもっと上手くしたい。」

「お姉ちゃんと同じく、魔法技能の向上かな?」


本戦組はレベル上げより技術面の向上を優先して行う方向らしい。


「私はまだ戦闘なども行っていないから普通の初心者と同じく、レベル上げかな?」

「サラちゃんと同じくかな?今の状態だと、みんなの悩み以前の問題だしね」


新規組は普通に冒険をするらしい。


「私は…この子を新しく生み直す事と、新しいジョブやスキル、魔法の発見かな?」


折れた太刀を触りながら、正式サービスでの行動が個々で決まった。


技術上達組は、うちの修練所を使う事と、指導できる人材の確保。

レベル上げ組は冒険者ギルドへ登録して金稼ぎをしながらレベル上げ。

俺は店舗を開けながら、研究と開発を行うことになった。


自分たちの未熟さとステータスよりも技術で勝敗が分かれるリアルな戦いを経験して、負けはしたが大会に出てよかったと思えた。


「じゃあ、みんな正式サービスでまた会おう!」


アヤメの締めの言葉で強制ログアウトのカウントダウンが始まった。


「まぁリアルでも会えるだろうけどな」

「私とサリアは会いづらいと思うが」

「ユエさんに連絡先教えて貰えば良いのでは?」

「じゃあその方向で!よろしく」


こうして俺たちはβテストの期間を終えた。

得るものもあったし、楽しかったこの世界としばしのお別れだ。


見慣れた部屋、夜中なので暗い部屋の中、俺は机に向かって、この期間で体験したことや得た知識をノートに書き記した。


(次の冒険はもっと楽しくなる予感がするな)


期待を胸に全てを書き記したノートを閉じた。

年末年始が忙しくて年内で終わす事が出来ませんでしたが、βテスト編はこれで終了になります。

正式サービス編(仮)の前に少し別の人物視点を何本か書きつつ、2章の話を作って行きたいと思っています。

今後とも「freedomfantasy」をよろしく願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ