表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
freedomfantasy  作者: 黒猫の手
βテスト編
31/78

現実での日々4

大会前の現実での話です。

本日は、学業をお休みにして、明日の大会で披露する曲の練習をしていた。


「ゆきさ~ん、休憩入れましょうよ。もう無理!」

「愛里沙。あなた、さっきも休憩したでしょ。もう少し、頑張りなさい」

「沙羅ちゃん、厳しすぎ!と言うか、休憩3時間前だったよ。一回入れようよ」


愛里沙の意見ももっともだった。

朝から昼までやって現在、16時、休憩は昼だけであとは、歌と振付の合わせをずーっとやっていた。


「じゃあ、一度、休憩入れてまた、3人で頭から合わせようか」


俺の提案に二人が賛成したので休憩を入れることにした。


「けど、せっかくチーム名考えたのに社長たちから駄目だしされるなんて…」


愛里沙が飲み物を飲みながら文句を言っていた。

全開のチーム名はチームとしてのテーマや雰囲気などを伝えにくく、会社側としたら採用しずらいとの意見でチーム名が変更になった。

現在「FloralGirls」直訳花の少女たちである。

勿論、テーマが花で、私たちそれぞれにモチーフの花も設定されているのである。

愛里沙が鈴蘭で純粋さを、沙羅はダリアで華麗さを、俺は百合水仙で凛々しさらしい。


「正直、今の方がテーマや中身があって、憶えられやすいと思うので私は良かったよ」

「ゆきさんの為に考えたのに酷いですよ。ねぇ沙羅ちゃん」

「私は、採用されないと思ってたから乗っただけよ」


沙羅ちゃんマジですか。採用されないと知りつつ、私と愛里沙で遊ぶために乗ったのですか!


「そういえば二人ともアバターはもう出来てるの?」


そう、明日が当日なのにアバターがまだとかは無いと思おうけど気になったのだ。


「出来てるよ!私たちはそれぞれ正規の方法じゃないので、ズルですけどね。」

「どういうこと?」


愛里沙の話では、VRギア自体は無いので、運営の本社で当日、ログインするらしく。アバターの制作も本社の方で済ましたとの事だった。しかも、「宣伝の為でもあるし、好きなの選んでいいよ」と超優待遇で種族を選んだとの話だったが…俺、暴動起こしていいかな?


「だから私はレアそうで可愛い獣人の狐人族ですね。耳が可愛いのですよ」

「私は、職権乱用が嫌だったので、普通に選べるエルフ族ですよ」


沙羅さんは一般プレイヤーの事も考えて自重したのに対して、愛里沙…欲望に忠実ですね。


「あとアバターの衣装デザインはゆきさんのところの会社が受け持つらしいですよ。と言うかもう完成して運営の方でデータ反映中なので明日には間に合うらしいですよ」

「それぞれの花を頭の髪飾りに着けているらしいが、ラフレシアとか選ばれてたら潰れてたね」


沙羅ちゃん…アイドルでラフレシアを与えられたらその子、もう辞めるよ。


「明日が楽しみだね~」

「それじゃあ、明日を成功させるために練習を再開しようか」


その後、更に3時間練習をして20時過ぎに解散した。

元々、個々で振付と歌の練習をしていたので完成度は高いと思われるが、やはり個人で動くのとグループで動くのでは訳が違うので、合わせるのに苦労はした。




「ただいま」


家の玄関を入り、リビングに荷物を置く。

妹からの返事は無く、間違いなくゲームの世界へ行ってるのだろう。

シンクには夕飯に使った食器が沈んであったので洗う。

今日は、遅くなるのが分かっていたので朝に作ったものを温めて食べて貰った。


「しかし、自分で作れば温かくておいしい物が食べれると思うのだが…」


全く、料理を覚える気が無い妹の将来に不安を感じながら、食器を洗い終え、リビングで一休み入れる。

紅茶を片手にTVをぼーっと見ていると、遼から電話が来た。


「どうした?」


この時間帯はいつも、ゲームをしている寮から電話が来るのが珍しかった。


「いや、お前に伝えなきゃ行けないことがあってな」


俺に伝えること?何だろう?


「悪い、TV付けてるか?」

「ああ、今、ぼーっと見てたが」


そういう俺にチャンネルを切り替えを指定してきたので、言われたチャンネルに切り替えると、何かの発表なのか、記者会見みたいな感じの物が放送されていた。


「これがどうした?」

「お前、マジで知らなかったのか…良く見ろ」


記者会見をよく見るとテーブルに座っているのが父親、叔父、母親、沙羅ちゃんたちの事務所の社長だった。

何だろう?嫌な予感がする…


「本日は、[FloralGirls]のデビューとユキの事務所移籍発表に集まり頂き、ありがとうございます」


はぁ?ゆき事務所移籍?聞いてないが…

内容はゲーム内でのFloralGirlsの活動は現実も行うと言う事と、これを機にユキの所属をフリーから沙羅や愛里沙の事務所に移行する。現状のユキ付き添いのスタッフも全て移籍になるので所属場所だけ違うだけで周りの人は変わらないらしい。

しかし、俺が移籍するだけでこんな会見になるのかな…?


「TV見たよな。バレたらお前マジでやばいぞ。今までは親御さんが何とか仕事抑えてた部分があるけど、今後はメディア方面もめちゃくちゃ多くなると思うから気をつけろよ。他にもこのTV後にログインして明日の為に、お祭り騒ぎしてるプレイヤーも居るから、ユエ自体も今後は気を付けないと行けないぞ」


遼の心配と言うか気遣いはありがたい。素直にその忠告は自分の頭の中に入れておこう。

TVを消して風呂に入り、寝る準備をする。

今日の練習でかなり疲れたし、ここで無茶して明日に響いたら努力と準備が無駄になるからね。

明日のイベントに期待と不安を胸に布団の中に入り電気を消す。


(明日は、後悔の無いようにすべてを出し切ろう!)



次から大会の話になります。あと少しでβテスト編、終わります。

長いですね…こんなに長くなるとは思っていなかったです…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ