設定を行います!
「疲れたー」
親の会社に呼ばれて1週間が経過した。
仕事の話を受けた翌日から、βテスト募集が開始されたが、初日の応募人数が500人と6分の一しか集まらず叔父さんの不安が的中した初日だったのだが、俺の出演した番組(トーク系)内での、ゲームが趣味でこのゲームのβテストを応募した話や、インタビューなどのコメントで一気に応募人数が増えて現在、5万人の応募が来ているとの事だった。
「「雪様、御電話が来ております。如何致しますか?」」
通信端末から着信のお知らせが来た。
「吹雪、スピーカーにして繋げてくれ」
「「承知しました。」」
この通信端末の機能は、妹オリジナルの人工知能で通信回線が繋がっている端末なら何にでも入り込めるとの事で、妹命名fairy type01 吹雪は俺の相棒で妹は02 華月を持っている。
かなり便利なのだが一般普及をしたくない妹なので、このシステムを知っているのは家族と親友の二人だけだ。
(よう!雪、元気か?)
「一応、仕事もひと段落してるから問題はない。それよりゲームと機器はいつ取りに来る?後はお前の分だけ残ってるのだが」
遼との会話をしながら部屋の隅に置いてあるダンボールを見た。
(悪いな、部活が忙しくて取りに行けなかった。今から取りに行って大丈夫か?)
「ああ、今なら問題ない。」
(じゃあ、ダッシュで向かうからよろくし)
電話が切れたので冷蔵庫からミネラルウォーターを出して喉を潤した。
「吹雪、防犯カメラで遼を確認したら教えてくれ。」
「「承りました。」」
さーって、自宅警備の妹がそろそろ来るから飯でも作るかな?
壁の時計を見ると19時15分を指していた。
「「雪様、遼様が来られました。」」
うん?いつも間にか寝ていたのか、リビングのテレビが付けっぱなしだった。
時計を見ると20時10分、思ったより時間が経過していたので、慌てて玄関へ向かうと吹雪が解除したのか玄関の電子ロックが開いていて、遼が玄関に立っていた。
「悪い、遅くなったな」
「いや、俺も少し寝てしまってたので吹雪が起こさなかったらヤバかった」
俺の姿を見て、遼が謝罪をするが俺も寝てたので、まぁお互い様だとは思う。
玄関での会話もあれなのでリビングへ遼を招いた。
「あれが例のゲームか?」
部屋の隅のダンボールに視線を向けながら聞いてきた。
「そう、あれがfreedomfantasy専用の機器だ」
コップに入れたお茶を遼に渡しながら答えた。
「募集は終了で、明日か抽選で1週間後に稼働する予定らしい。って俺は仕事の報酬として4つ貰ったから、稼働までの間にキャラメイクは出来るぞ」
まだサーバーは稼働していないので、プレイは出来ないが他の人よりゆっくり時間を掛けてキャラクターを作成出来るのが利点だったりする。
「基本は、本人の情報を元に出来てるが種族と髪の色や眼の色、髪型あと、少しバランスを弄れるだけなのだが、少しのバランスを弄るだけで結構変わるから時間がかかるぞ」
俺の言葉を聞いて、遼はダンボールを開けて機器を取り出していた。
「雪はもう終わったのか?」
「いや、綾からの情報で俺自身はまだしてないな、ちなみに綾は猫の獣人にしたかったらしいが、出来なかったので人族にした。」
妹様も完了しているのだが、何と華月も中に入れたそうだ。
「やはり、この子達とも遊びたいからね。少しギアを改造した。兄さんのもやっといてあげるよ」と言っていたので俺のも吹雪と一緒にゲームが出来るのか。
「少しここで、確認させて貰うわ」
そう言って遼はVRギアと回線を繋げて起動させた。
遼も設定をしてるなら俺もしようかな?
「吹雪、VRギアに入って待機しててくれ」
「「畏まりました。」」
さーってと、吹雪も一緒にキャラメイク出来るかな?