約束
少し短めです。
目覚めると傷が塞がって、HPも全快していた。
ただ、洞窟内で寝てた為か少し体温が下がっている感じがして寒い。
ステータスパネルを表示させて時間を確認する。
22時15分。
街に帰って、戦利品をギルドに売ってから落ちようかな。
その後の予定を決めたらすぐに行動と言わんばかりに、装備を整えて入り口に向かって走った。
道中、ゴブリンが出てきたが、走る勢いのまま近づいて、切り捨てる。
ダンジョンボスとの戦いの後だと、ゴブリンが物凄く弱く感じる。
数体、切り捨てて魔石が落ちたら、帰ることを優先して放置した。
ダンジョンは魔物を生み出すと言うが、行きで結構な数を倒したが、今も行きと同じくらいにゴブリンや蝙蝠が居た。POPが早いのもダンジョンの特徴かもしれない。
洞窟を出て、街まで着いたらその足で、冒険者ギルドまで向かった。
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
受付嬢が歓迎の挨拶をする中、すぐにゴブリン討伐の依頼達成を伝える。
「ギルドカードの提示をお願いします」
ギルドカードを渡すと透明な台に乗せた後、カードを返された。
「確認致しました。依頼達成おめでとうございます。依頼料はカードに振り込んでおきました。」
「ありがとう。あと魔石と装備の買い取りもお願いできますか?」
「では魔石と装備をお出しください」
受付テーブルにゴブリンの魔石30個 弓10 棍棒15個出した。
「こんなに沢山あるのですか。少々、時間がかかりますのでお待ちください」
ロビーの椅子に腰掛けて今日の戦闘を振り返る。
ゴブリンなどの普通のモンスターなら問題ないが、ボスクラスになるとスキルの有無と技量が物凄く重要になって来るのを実感させられた内容だった。
太刀でも両手剣の技を応用して発動する練習と立ち回りの再確認、あとはスキルなしでも出来る技術の向上が課題だった。
「あれ、あの時のお嬢さんじゃないですか?」
誰かに呼ばれたので顔を上げると、前に助けたPTの人たちだった。
「あの時は助かったよ。ありがとう」
「薬草、助かりました。」
女性の方2名からお礼の言葉を貰って少々、照れ臭かった。
「あれ?あのエルフのお姉さんは?」
「ああー、今日は吹雪とは別行動なのですよ。あと私は、ユエと言います」
そう言えば名前を聞いてないし、教えても居なかったので俺から名乗る事にした。
名前を相手に尋ねる前に自分が名乗るのが礼儀だと思うしね。
「そう言えば名前を名乗ってなかったね。僕はこのPTのリーダーでルークと言います。タンク寄りの剣士dす」
「俺は小次郎。このPTのアタッカーで剣士だ。」
「私はマユミ。後衛の魔術師ね。本当にありがとね」
「私はルカと言います。ヒーラーで聖魔術師です」
あれ?前見たときあと2名いた気がするが…
「ほかに人が居なかったですか?」
俺の質問にルークさんは苦笑いしながら頭を掻きながら答えた。
「あの二人は野良の募集で、正式な固定メンバーはこの4人何だよ。しかも、あの日を境に募集で人を集めるのに少し躊躇してしまって、今まで4人で戦闘してたんだよ。」
まぁ、何があったか知らないし、少ししか会話をしていなかったけど自己中な方々だった印象があるので、募集が怖くなる理由も理解は出来るかな。
「ユエさん、明日もし暇でしたら、私たちとPT組んでもらえないでしょうか?」
大人しそうなルカさんから急にPTの勧誘が来た。
正直、固定を組むのは困るが、PT戦闘も経験してみたいのも本音である。
「固定には入れませんが、明日なら良いですよ。私も今までPT戦闘を行った事無いので経験になりそうですし。もし、あれなら吹雪も誘ってみますよ。」
「本当ですか!ぜひお願いします。」
物凄くテンションが上がってるルカさんとそれを落ち着かせるマユミさん、「ありがとう」とお礼を言ってくるルークさんと同じく深々とお辞儀をする小次郎さん。
この人たちのPTは楽しそうな雰囲気があった。
「ユエ様、お待たせしました。買取査定が完了しましたので受付までお願いします。」
受付嬢が受付で俺を呼んでいた。話をしていると時間が過ぎるのが早く感じた。
「呼ばれたので私は行きますね。明日、ログインしたら冒険者ギルドに居ますので宜しくお願いします」
「こちらこそ、明日はお願いします」
ルークさん達に手を振って受付へ向かった。後で吹雪に明日のことを伝えよう。
月末で忙しくなるので、次の更新は12月かも知れないです。




