武術の心得とゴブリン
戦闘シーンは、やはり上手く書けないです。
忙しくて更新する間隔が長くなってしまっている。頑張らないと!
冒険者ギルドで、ゴブリン5体の討伐依頼を受けた。
ゴブリンは、東の方にある洞窟内内で生息している。
肌は緑色で、耳は尖っていて、身長は145cm程だが、色々な武器を扱う人型の魔物。
大昔に魔王が生み出した魔王の眷属と言われており、ほかにも人型の魔物が数多く生息している。
依頼を受けたその足で、洞窟へ向かいながら、腰の太刀に触れた。
綾と遼と俺は昔、近所のお兄さんに武術を習っていた。
剣術、柔術、格闘術、槍術、弓術、などをお兄さんの実家が代々相伝しており、良く家に遊びに行っていた。
お兄さんは天才と呼ばれている人物で、俺たちの5つ年上だったが、色々な芸術作品も世に出していた。
そんなお兄さんからお兄さんの妹さんと一緒に武を学んでいた。
ただ、俺は一度として、綾、遼、妹さんに勝てたことが無く、すごく落ち込んでいる時期もあった。
そんな時にお兄さんが、俺に言った言葉が今でも忘れられなかった。
「綾は格闘、剣術、遼は、弓術と柔術、にセンスがあるが、雪を全て普通だが、観察して型を覚えて吸収するセンスがある。今は俺には勝てないし、他の奴にも勝てないだろうが、負けることも少なくなるはずだよ。だって、知ってる動きで、隙も弱点も雪には見えてるのならそこを突く動きが出来れば良いだけだからね。」
その言葉を言いながら俺の頭を撫でたお兄さんの手が温かくて、優しい笑みが物凄く、カッコよくて、お兄さんを目指してた時期もあった。
そんな天才で優しいお兄さんも病気には勝てずに16歳の若さで亡くなってからは、俺も綾たちもお兄さんの家には行ってなかった。
太刀を触れると、その時に教わった思い出が蘇り、泣きそうになった。
洞窟までの間に、太刀を振って、習った型と動きを思い出していた。
洞窟は暗く、空気が湿度と冷気を持っていた。
種族上、暗闇の中でも問題なく見えるが、寒いのは少し困るので、ウルフのロープをドレスの前で止めて、寒さ対策をした。
洞窟内を散策していると、奥にゴブリンが2匹居るのを見つけた。
腰の太刀に手をそえて、重心を低く、足首だけの動きでゴブリンまで近づいて居合で一振りする。
現実では、肉体のバランスと筋力などで出来なかった技だが、この吸血鬼の肉体だと普通に再現できた。
仲間のゴブリンがやられた事で、もう一匹が棍棒を振りかざして襲ってきた。
上段から来る棍棒を剣先でずらして、そのまま相手の懐へ突き刺す。
棍棒は地面を叩いて、地面を軽く抉ったが、持ち主のゴブリンが絶命した為、そのまま手を離れた棍棒は、地面に倒れた。
2体のゴブリンは、魔石化したので回収して袋に入れた。
残ってる武器も売れるかもしれないので棍棒を2つも回収して、奥を目指した。
奥にはゴブリンが4匹いたのでこちらから攻撃を仕掛けた。
居合の構のまま、先ほどと同じく、相手に接近して太刀を放つと、1匹が胴から真っ二つになり、そのまま、3体に向かい、上段で構える。
ゴブリンが棍棒を振って来たので上段から、刀を利き足の踏み込みと同時に、切りつけた。
上段からの威力の乗った一撃で棍棒ごと切られ、さらに切り上げの攻撃で奥の1匹も真っ二つに切る。
一瞬で3匹の仲間を失い、逃亡しようと背を向けたゴブリンに、短刀を投げつけた。
ナイフより鋭く切れ味のある短刀が、背から胸を貫通する形で突き刺さり、ゴブリンは倒れた。
洞窟に入ってすぐに、依頼のゴブリン5体の討伐が終わったのでもう少し探検してから帰ろうと思い、足を更に奥へ進ませた。
道中、珍しい野草や鉱石の発掘も行いつつもモンスターを討伐していった。
重々しい扉が目の前に現れた。
ここまでで、ゴブリンを15体ほど討伐したのだが、剥ぎ取りが出来ず、武器だけが荷物になるので5体以降は武器は放置して魔石だけ回収していた。
「ここにボスがいるのかな?」
独り言をつぶやきながら、扉を開けた。
少し手を触れるだけで、あとは自動的に全開した扉は[大型の魔物が餌を目の前に口を開いた様子]を思わせる雰囲気があった。
中に入ると、今までの洞窟内よりも広い部屋になっていて、天上までの高さもかなりあった。
奥には剣と鎧を着こんだゴブリンと配下と思われる普通の黒色の皮膚をしたゴブリンが14体並んでいた。
黒いゴブリンでも遠目で見て、普通のゴブリンより一回り大きく、肉体も筋肉で太く見えるが、中心に居る鎧を着たゴブリンは黄金の王冠を被り、人族と変わらない身長とオーク並みの太い肉体を持ち、目には野生より理性が見て取れた。
「ほぉ。少し、眷属の洞窟へ視察に来てただけなのだが、なかなか珍しい種族のお嬢さんじゃないか」
スムーズに会話をするゴブリン。知性は人と同等かもしれない。
「あなたがここのボス?」
「いや、我はここより先にあるゴブリンの国の王。ここのボスは奴じゃな」
ゴブリンの王様が指差した場所には、大きな狼が鎖に繋がれて座っていた。
「ここのボスを倒したら我から褒美をやろう。吸血鬼のお嬢さん」
面白い見世物を見つけたゴブリンの王様は、嫌な笑みを浮かべて部下に狼の鎖を外すように命令した。
勝てそうな気配が無いのだが…やるしかないのか。
次は狼との戦いです。大きい狼、今までより強い格上の相手です。




