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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
βテスト編
15/78

依頼を開始します1

時刻7:15 現実の自宅


少し遅くまで石削りをしていた為に睡眠時間が思ったりよ少なかった。

頭がまだ働いていないので顔を洗ってスッキリさせるとそのままログインした。


時刻 7:30 リョウの家


最近に見慣れたゲームの世界での俺の部屋の天井。

装備品なので問題は無いが一応、姿見で服をチェックする。うん、特に問題なし。


「あら、ユエちゃんが一番のお寝坊さんね。」

「おはようございます。ネフィーさん」

「はい、おはようございます。朝食は食べていくのかしら?」


部屋を出るとネフィーさんが相変わらず優しい笑みで挨拶をしてきた。一番のお寝坊さんってみんなはもうログインして出かけてるのか。


「朝食頂きます」


出てきたものはサラダ、パン、スープと目玉焼き。バランスの良いメニューだ。


「今日、中央広場で露店やるのでもし時間があれば来てください」

「まぁユエちゃん、お店やるの?私、買いに行くね」


本当にネフィーさんは良い人だ。私達のことをリョウと同じ我が子の様な接してきてくれるので安心するし、私自身もネフィーさんに良いところを見せたくなるのだ。


「待ってますね。それとご馳走様です」

「はい、お粗末様です。もう行くのかしら?」

「そうですね。露店の準備があるので」


8:10ライル邸前


商品は全て確認も終わったしあとは運んで売るだけだなので少し気が楽になった。


「お嬢ちゃん、今日から儂の代わりによろしくお願いするよ」

「大丈夫ですよ。明日明後日位には品切れにする位売りますから」


ライルさんが見送る中、俺は広場まで荷車を引いた。

かなりの量になる筈だがステータスが並の成人男性以上なのでかなり余裕で引けるのだがドレス姿の少女が大きな荷車を引く姿はかなり注目を集めた。



時刻11:45 中央広場



よし、売るぞー!商品はワイルドバードの串焼きとワイルドバードのクレープの2種類だ。

価格はクレープは40G 串焼きも少し手を加えて10Gで販売する。


お昼時なのとNPCには珍しくプレイヤーにはゲームでたべれるとは思って無かったクレープは人気で串焼きも塩にレモン果汁を振ったサッパリ味でこちらも順調に売れている。

依頼を受けた後に気づいたことなのだが1週間後はβサービス終了してて依頼が強制失敗になら所だったが素材さえ無くなれば良いのでハイペースで捌く作戦にした。



15:50 中央広場


噂を聞きつけたのか列が途切れとどんどん売れていく。この世界では珍しい料理と味に客足が途絶えないが男性客のリピートも多かった。

このペースなら3日以内に素材が無くなる可能性も出てきた。


「クレープと串焼き2つ下さい」

「2種類、5個ずつ」

「ありがとうございます」


お客様に対して笑顔で対応。モデルで培ったスキルを余すことなく使う。


ちなみに今回の調理でジョブの料理人を修得しました。


ふんふん、鼻歌交じりでもどんどん売れていく、気持ちが良かった。


「すみません。こっちも串焼き5つとクレープ5つ下さい」

「かしこまりました、あっ!」


お客様を見ると知ってるかをが5つもあり、1人は「何をしてるの?」的な呆れ顔だった。


「兄さん、何してるんですか?」


うん、ルナ達だったよ。

俺は営業スマイルのまま硬直してしまった。






〜ルナ視点〜


ふぅ、リョウさんのレベル上げを一時中断して昼食にしようと話になり露店を回っている。


「リョウは騎士を目指すんでしょ?」

「まぁな。俺は守る事に憧れがあるからな」


アヤメさんとリョウさんの二人は今後の戦闘の方向性の話をしていた。


「ルナ様、ユエ様はどうなさるのでしょうか?」

「うん、吹雪の不安は私もわかる。兄さんは少し暴走することがあるからね…」


少し呆れを含めて溜息を吐くと先行していた香月がパンを入れた袋を抱えて戻ってきた。

ゲーム内のパンは時代背景に沿った硬くてパサパサしているのでそこまで美味しいものでは無かったが安いので食べる機会が多い。


「お姉ちゃん、ルナ様〜。さっき中央広場に美味しいお店があると聞いたので行きませんか?」

「アヤメさん、リョウさん行きます?」


二人に確認の為に声をかけたが大体返事は解っていた。特にアヤメさんは私と同じく、長い時間こっちに居るので高い酒場やネフィーさんの料理以外は美味しくないものが多かったので向かうのは目に見えて解っていた。


「露店で美味しいってどんなレベルだろうね〜。正直、食事問題が凄く困るよね。」


確かに、現実で食べてもログインすると空腹感があるから結局、ゲーム内でも食事をしなきゃいけないし、味覚もしっかりしてるので不味いものは不味い。


「吹雪達も空腹とかあるの?」

「はい、現実では所詮データなので食事という物のありがたみと楽しさをこっちで知りました。それ以来、私も華月も料理の虜ですね。」


やっぱり実際に経験すると知識で知ってる以上の経験が得れるのか。AIを人間の思考と感情に近づけるためにはこの世界は有効かも知れないな。




話をしていると中央広場に着いたが列が出来ている箇所が1か所なので目的の店舗はすぐにわかったのでその列に並び始めた。

列に並んでいると色々な会話が聞こえてきてこの店舗の情報など色々あった。

「この店舗はプレイヤーと思われる人物が経営している」「見た目は美しく、違和感がない美人なので現実もあのクォリティかも」「やばい、俺はあの子に会うためにもう3回は並んでるよ」と男性のリピートは多くなる程の美人のプレイヤーが営んでる屋台らしい。

女性の方は会話を聞くと嫌な予感を感じだ。

内容は「クレープをゲームで食べれるなんて幸せ」

「チキンとマヨネーズを使ったものにレタスとトマトを一緒に包んでるからボリュームあるし」「あの子の見た目、モデルのユキさんに似てない?」と最初の二つの意見はクレープ自体の評価でかなり期待出来る中身のようだが問題は最後の方…

ユキに似てるって間違いなく兄さんじゃ…


「ルナ様もしかして、このお店は…」


私と同じ事実に気づいたのか吹雪がこちらに話を振るのだが、答えが兄さんの店でも並んで美味しいものが食べれるのなら並ぶしかない!それに兄さんの料理は旨いので納得しちゃった部分もある。


「せっかく来たのだからこのまま並ぼう、他に美味しい店は無いし時間も時間だから食事して狩りを続けたいから」


列は順調に進み私たちの番の前に露店の店主の姿が見えた。見た事あるドレスの上に何処で手に入れたのか白のエプロンを着て営業スマイル全開の兄が居た。

ええ、確かに今は女性アバターで現実でもモデルとしてスマイルを出す事もあるとは思うが実の兄がフリフリドレスを着て白のエプロン姿で全開スマイル…引きますね…


私たちの番になり注文をすると兄さんはこっちを振り向いてスマイルで受け応えをしたが私達だと気付くと笑顔のまま硬直してた。

後ろではアヤメさんとリョウさんの笑い声も聞こえてきた。


「どうしてここに…」

「美味しいと聞いて買いにきました。ね・え・さ・ん」


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