商人になりました
ジャンル別日間ランキングに乗りました。皆さんありがとうございます。
楽しんで貰える様に未熟ながらも頑張ります。
「ようこそ。商人ギルドへ。初めての方ですよね?本日はどの様な御用でしょうか?」
ギルド内に入るとフロアに居た職員に話しかけられた。辺りを見渡すとカウンターでは商人らしい人がお金を職員に渡してたり、テーブルで商人同士の話をしているグループもあり外で見るよりも賑わっていた。
「すみません。私は商人になりたいのでその契約を結びたく本日はギルドに伺いに来ました。」
この世界の住人はジョブは取得では無く契約と呼んでいる。ギルドでジョブを買う際は契約と言わないと伝わらないとの事だ。
「契約ですね。商人の契約は1000Gになります。あと、商人になられるのでしたら当ギルドの加入を勧めております。売り上げの10%を納めて頂くことになりますが仕事の斡旋や商人ギルドでのオークション参加、店舗を持つ際の土地の斡旋人員の紹介などを行うので将来的にはかなり利点が多いかと思います。」
売り上げの10%は少し多いのかな?現実の税でももう15%だし、そこまで高くは無いな。それよりも利点がかなり良いのだが…
「ここのギルドに所属すると他のギルドには所属出来ないのですかね?」
ここが重要になる。俺個人としては商人ギルドだけで終わる気は無いし、やっぱり魔法系をやるなら魔導ギルドへ登録する方がメリットは大きいと思うので複数の登録が無理なら商人ギルドは諦めよう。
「ギルドに関しては複数に所属は可能です。どうしますか?」
複数に所属も出来るなら問題無い。所属しようか!
「お願いします」
「わかりました。まずは必要事項を記入してください。もし文字がわからない場合は筆記師が居ますのでお声をかけてください」
職員の目の先には少女が手を振っていた。
このゲームのNPCの文字の普及率は低く、筆記師が必要なのだとか。
記入書類の内容を読むと日本語で書かれていたので問題無いのだが折角なので筆記師を利用しようかな?
「ごめんなさい。代筆をお願いしたいのですが良いですか?」
俺の言葉で少女は仕事が入った喜びなのか目をキラキラさせながら近づいてきた。
「ご依頼有難うございます、お姉さん。私は筆記師のクレハと言います。ギルド加入の代筆で良かったですか?」
「私はユエ。その内容で依頼をお願いします」
「了解した、ユエお姉ちゃん。依頼料は10Gになります」
懐から10G貨幣を1枚渡すとクレハは質問を始めた。
このゲームは所持金はこの世界共通の貨幣として持ち運ぶ事になり1G貨幣 10G貨幣 100G貨幣 1000G貨幣 1MG貨幣10MG貨幣 100MG貨幣 があるのだが袋が重くなるので細かい金額では持ち歩きたくは無かった。ちなみに素材はG貨幣は大理石を薄く加工して模様と金額が彫られ魔法で保護してあり、MG貨幣はこの世界オリジナルの石で虹鉱石と言う七色に色が入ってる石をG貨幣と同じ感じで作ってあるのだ。
このゲームはチュートリアル後に冒険の準備として2000G貰えるのだが商人の契約で半分以上飛ぶ。懐が寂しくなるな…
「ユエお姉さんは加護持ちの方ですか?」
「そうだね。それがどうしたの?」
「私の知識では加護持ちの方は文字が読めるし書けるので筆記師は必要無いですしそもそも、商人ギルドに来る方はほとんど居ないので珍しいなと思ったとですよ」
そりゃ商人などに進んでなるプレイヤーは少ないだろうね。
「うーん、字を書いてもらう事とクレハちゃんとのコミュニケーションと言うか繋がりを得る為にって事で納得しないかな?」
実際は筆記師とはどの様なジョブか確認と同時にクレハと顔馴染みになって話をしたいと思ったので嘘は全く言っていない。
「ユエお姉さん、書き終わりました」
「ありがとう。所で10Gで良かったの?」
文字が書けるという事は勉学を学んだと思うのだがそれに対して10Gは割に合わないのでは?と疑問に思った。
「はい。代筆を頼む方は裕福層より貧困層に多いので10G以上は厳しいですし、一番の理由は私は将来、文官として働きたいのでその勉強の一環の面も大きいのです」
「なるほど、代筆ありがとう。また、何かあったらお願いね」
「はい、またご依頼があれば何時でもどうぞ」
笑顔のクレハから記入用紙を受け取ったらそのまま、受付へ提出した。
「はい、内容は大丈夫ですね。こちらがギルドカードになります。ギルドカードは4ギルド共通で加入するとカードに対応するギルドマークが追加されます。カードは唯一無二の物で紛失の場合はカード情報などがリセットになるのと再発行代が取られますので無くさない様にお願いします。」
カード内に情報があるという事は身分証の代わりにもなるのかもな。他の国に行く際にも必要になるかも知れないからしっかり管理しないと!
「また、ギルドカードを使用して財産をギルドに預ける事も出来ますのでもし宜しければご利用してください」
銀行みたいなことも出来るのか。世界観的に中世あたりかと思っていたが預金の概念などは現実的で凄く便利だ。もしかしたら、他にも便利なことがあるのかも知れないで調べる必要はなるな。真面目にカードを失くすと泣くかも知れない程に便利なアイテムだった。
「何か質問などはありませんでしょうか?」
「先程、筆記師の子と話をしていて思ったのだが一般的な稼ぎと普通に暮らす為に必要なら月の金額を教えて欲しいとですが大丈夫ですか?」
商売をするにしても売る側の収入を見極めてやらないと売れない&物価の暴落などになっても困るからね。
「そうですね。国民の月の収入は基本で2000Gですね。必要な金額は大体1500G位かと思われますが冒険者の方の収入は一気に上がって20MGとか稼ぎますが装備や修理などでやはりそれでも手元にあまり残らないので一般冒険者は結果的にあまり変わらない収入になるそうですよ」
うむ?感覚的には円の約1/100位の感覚なのかな?
「分かりました。ありがとうございます。あと、早速で悪いのですが仕事を紹介して頂けないですかね?内容は売り子で収入は売れた量で変動する物が良いのですが」
「それでしたら販売請負の依頼がありますので受けますか?」
内容としては怪我をした亭主の代わりに販売を行うもので売り上げから材料費と5%以外はこっちの依頼料で1週間の長期依頼だったが条件に合うので受ける事にした。
「では受理しますのでカードを提示して下さい。依頼は依頼主から依頼達成のサインが無ければ失敗になら、違約金が発生します。基本は依頼料の2倍ですが今回は変動の場合はその期間売り上げた金額を違約金として収める形になりますので注意してください。あと、商人の契約も行いますので1000Gもお願いします」
カードと1000G貨幣を渡して依頼を受理と契約を済ませた。
残金が990Gうん、頑張って稼ぐか。
依頼を失敗して違約金発生とかは勘弁なのでしっかり依頼主と話して働かないとな…
「ではまた来ますね。」
受付の職員に手を振ってギルドを後にした。
ユエ「商売でウハウハ、目指せ大富豪!と武具コレクター」
ユエさんの冒険は戦闘するのにまだまだ時間が掛かりますね。主人公なのに街からまだ出ずに戦闘も0って引きこもりですな…