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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
βテスト編
11/78

現実での日々

「お疲れ様です。少し休憩にはいろうか?」

カメラマンのお姉さんが休憩を宣言するとモデルの子は各々で控え室へ戻っていった。

正直、控え室は苦手なのである。

女性の本性と言うか本音話は正直、引いてしまう内容も多く、更に話を振られても曖昧に答えるだけなので会話の流れを止めてる感じも申し訳ないので俺は休憩中一人でボーッとしている事が多かった。


「ゆきさん」


名前を呼ばれて後ろを振り返ると二人の女性が歩いて来ていた。

一人はツインテールで幼い顔立ちの美少女でもう一人はショートカットで身長が高くクールビューティな感じの美女だった。


二人共、モデル仲間で美少女の方は西条愛里紗(さいじょうありさ)、美女の方は最上沙羅(もがみさら)で愛里紗は一つ下で沙羅は一つ年上と年代も近いのでけっこう、仲の良い友人&仕事仲間なのだが愛里紗に関してはもう一人の妹的な部分もある。


「ゆきさんってブログやインタビューにも書きてあったのですが(freedomfantasy)のβ抽選に当たったんですよね?良いなー、私も応募したのに当たらなかったので正式サービスまでお預けなんですよ。」


愛里紗は抽選に当たらなかったのが悔しかったのか少し頬を膨らませながらこっちを見ていた。


「まぁ私もゆきのコメントなどを見て一緒に遊ぶのも良いなーっと思って応募した口なのだが見事に外れてしまってね」


愛里紗とは逆に沙羅は淡々と「残念だよ」と言っていたが「沙羅ちゃんはそんな気持ちだったの?もっと悲しもうよ」と悲しみの共有を求めていたが二人の温度差がかなりあって愛里紗が子供っぽく見えた。


「まぁ愛里紗、落ち着きなさい。一応、正式サービス分の予約には通ったのだから良いじゃ無いの?」

「甘いよ、甘すぎる。βとその他には情報と言う名のアドバンテージがあるのだからその差が悔しいのよ」


愛里紗の言い分はかなりゲーマー思考なのでもしかしたらこの子も綾と同じ人種なのかな?っと少し思ってしまった。まぁβでは使えない種族が正式サービスから選べる事を伝えると「後発組にも有利な点があるの?」と喜んでいたがβ組のレベルやアイテムなどを正式サービスに完全引き継ぎの話があるのだがこれを言ってしまうとまた面倒くさいので黙ってる事にした。


「まぁ愛里紗たちが始める時に案内するから始めたら連絡してよ」

「勿論です!ゆきさんと一緒に冒険とか楽しそうです。沙羅ちゃんもそう思わない?」

「ゆきは面白いから確かに楽しそうだね」


面白そうとはどういう意味だ、全く。けれど二人遊ぶならあまり種族レベルを上げるのもアレなので生産職から始めつつジョブ獲得の条件でも探ってみるかな。


一応、β開始して1日でわかった事がネットにも上がってるので上がってるジョブは確実に手に入れるか。中にはハズレジョブもあるらしいが問題無い。


「ゆきさん、沙羅ちゃん、休憩終わるから早く戻ろう」


愛里紗の促す行動を沙羅と二人顔を見合わせて笑いながら愛里紗の後を歩いて行った。




撮影が終わって端末を見るとメールが3件あった。

1つ目は綾からで種族レベルが5でジョブも剣士と武闘家を修得して10まで上げたとの事だった。ジョブレベルは20限界で上げやすいのだけど種族が全く経験値が低い入らないのかなかなか上がらないと愚痴も書いてあった。

2つ目は遼からで部活が終わって夜にログインするとの事。

3つ目は花音でご飯はハンバーグが良いとの事…

帰りに材料買わないと行けないな。


柚子さんにお願いしてスーパーに寄ってもらって買い物を済ますとそのまま自宅まで送ってもらった。


「ゆきちゃん、明日はオフだから学校に行ってしっかり勉強してくるんだよ」


その言葉を残して柚子さんは愛車を走らせて去って行った。

仕事がオフでも学業があるのか…勉強自体はそこまで問題ではないのだが、自由の時間が少ないのが辛い。

少し仕事の量を減らしてもらおうかな。

玄関の扉の鍵を開けて中に入るとうつ伏せで倒れている物体があった。


「おかえり、兄さん。私はもうダメだ…」


顔を上げてこっちを見ていたが力尽きたのかまた、床に突っ伏した。


「大丈夫か?」


返事が無い、ただの屍のようだ……


「ハンバーグの完成までずーっとそうしているのか?それに1日くらい食べなくても死にはしないのだから大袈裟なリアクションは止めなさい」


言っても反応しない…奥義を使うか。


「今日の撮影の一部を外で撮ったのだがその時に世界的に有名なパティシエがプロデュースしてるお店に行ってケーキを買ってきたのだかね。行儀の悪い奴には食べさせたく無いな」


俺の言葉というかケーキの言葉を聞き、むくりと起き上がりリビングへ向かって去って行った。


「兄さん、ケーキを冷蔵庫へ。あと、何個食べれるの?二つ?」


こいつ、二つしか無いものを見て一人一つの発想というか考えは無いのか?あたまが良い癖に好きな物を目の前にすると考えが短絡的でおバカになるのは面倒くさいので勘弁して欲しかった。


ハンバーグは花音で希望で和風おろしにして食べたあとでケーキも美味しく頂きました。


さて、晩御飯食べ終わったし今日もログインするかな。うん?片付け?それは明日にでもやりますよ。やっぱり早くゲームしたいじゃん?

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