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イロトリドリ  作者: 灰猫桃
プロローグ
7/10

ようこそ、カラーパレットへ(2)

 

 カーディナルの呼びかけに反応して、ぞろぞろと色が出てきました。

青、緑、黄、紫、橙……。

様々な色が物陰から出てきました。

そして、最後に他の色とは明らかに違う子が出てきました。

その子は人間の女の子でした。


「管理人、ちゃんと連れて来たぜ」

「ありがとう、カーディナル」


 管理人、と呼ばれた女の子は笑顔を浮かべました。

そうか、この子が。

固まった思考の中で虹色はカーディナルが言っていた人間の管理人のことを思い出しました。

一歩一歩虹色に近づきながら、女の子は言いました。


「はじめまして、虹色さん。

 私はここの管理人です」

 

 固まっていた虹色も女の子の声でようやく我に返りました。

女の子は自分よりも少し背が低く、様々な色を身につけていました。

色々な色を身につけられるのは、人間特有だからでしょう。

虹色はしばらく管理人を見ていましたが、慌ててお辞儀をしました。


「は、はじめまして!虹色と申します!」

「そんな固くならなくても大丈夫だよ?」


 慌ててお辞儀をした虹色に管理人は優しく声を掛けました。

少し頬が熱くなるのが分かりました。

私よりも年下のような感じなのに、しっかりしてる。

顔を上げると、管理人は先程と変わらない笑顔を浮かべていました。


「虹色さん、カーディナルから色々なこと聞いたのかな?」

「はい、たくさん色んなことを教えてもらいました」

「そっか」


 虹色の言葉を聞き、管理人はカーディナルの方へ目を向けました。

カーディナルは既に他の色と話をし始めていました。

この子に任せて、正解だった。

管理人は頬が自然と緩むのが分かりました。

再び、虹色のほうへ視線を動かしました。


「さて、虹色さん。

 管理人として、一言いわせてね」

「な、なんでしょう?」


 一つ咳払いをして、管理人は虹色を見つめました。

虹色は自然と肩に力が入りました。

静寂が部屋を包み、真剣な表情をしばらく浮かべたまま、見つめあいました。

他の色もそんな二人を見つめていました。

そして、またか……と溜め息を吐く色もいました。

そんな静寂を破ったのは、管理人が真剣な表情を崩し、ニカッと笑顔を浮かべて発した言葉でした。


「ようこそ、カラーパレットへ!」


 

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