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魔力測定


朝、学園に向かう馬車に揺られながらリディアは溜息をついた。


理由はひとつ。


――リアンが朝からやたら甘い。


距離が近い。声が低い。妙に優しい。

昨日より“男の子の顔”になっている気がして混乱する。


(大丈夫…気のせい!優しいのはいつものことよね…リアンは顔が整ってるから姉の私ですらもドキッとしまうんだわ…!)


そんな風に、気持ちを落ち着かせようと必死になるうちに、気づけば学園の白い校舎が見えてきていた。



馬車を降りた後、リアンは流れるように私の腰へそっと手を添えて



「姉さん、手を。馬車の段差に気をつけて」


「あ…ああ、ありがとう……?」



(お願いだから私の心臓普通にして……なんだか甘い!甘すぎる!私のメンタルが保たない……)


そんな状態のまま学園の白い校舎へ向かうと、

中庭ではすでに新入生たちがざわついていた。


「今日、ついに魔力測定だってよ!」

「属性、何が出るかな……!」


そうだった。

今日は特別授業、“魔力測定”。


私は胸の奥がざわっとするのを感じながら教室に入った。


そこで、さらにざわめき。


「アーヴェント公爵令嬢だ……!」

「リアン様……」


(もう……存在するだけで騒がれるのやめたい……)


席につくと、フェリクスが元気に手を振り、

レオンハルト殿下は静かに視線を寄越してくる。


そして、リディア達が席に着いた頃


「それでは新入生諸君。これより“魔力測定”を始める」


教師の言葉と共に、教室の空気がピリッと引き締まった。


教師の説明によると、魔力測定は


・魔力の総量

・持っている属性


これを測定して、学園でどの授業を受けるか振り分けるのだという。


フェリクスが私の後ろから手を振ってくる。


「よっ、リディア嬢!今日もよろしくな!」


「あ、フェリクスくん。おはよう」


後ろからは、レオンハルト殿下の声まで聞こえてくる。


・魔力の総量

・持っている属性


これを測定して、学園でどの授業を受けるか振り分けるのだという。


フェリクスが私の後ろから手を振ってくる。


「よっ、リディア嬢!今日もよろしくな!」


「あ、フェリクスくん。おはよう」


後ろからは、レオンハルト殿下の声まで聞こえてくる。


「リディア嬢、結果が楽しみだね。」


(……後ろの二人、存在感強すぎる)


そんな中、

生徒が一人ずつ魔石に手を置いて測定が始まった。


◆ リディア


「アーヴェント公爵令嬢──

属性【火・水・風・土】確認」


教室「………………」


生徒たち「……は?」「4つ!?」「公爵家ってすご……!」


(えっ、普通よね?普通じゃないの?)


◆ 次:リアン


「リアン・アーヴェント……属性は──」


魔石がぶわっと光る。


魔導具担当教師が固まる。


「…………おかしいな。反応が……深い……?」


周囲の生徒もざわつく。


「え、なにあれ」

「魔石が揺れてない?」

「反応してる属性、多くない?」


最終的に、


「……火・水・風・土……以上4属性。

しかし……測定値に異常がある。

詳細は後日、特別診断に回す」


教室「………特別……!?」


そして囁き合う声。


「なんか……魔石震えてたよな?」

「魔力量、普通じゃない気がする……」


リアンは淡々と測定を終えたけれど、

私の頭は、たった今起きた出来事でいっぱいだった。


(ちょ、ちょっと待って……

私も4属性。リアンも4属性。

しかもリアンの魔石の反応、なんか震えてたよね!?

あれ……普通じゃないわよね!?)


周囲がざわつく。


「アーヴェント家すご……」

「姉も弟も4属性って何……」

「ていうか二人とも顔が良すぎて逆にこわい」


私はそっとリアンに近づき、小声で言った。


「り、リアン……あなた、もしかして……すごい人?」


リアンはきょとんとした顔で答える。


「姉さんのほうがすごかったですよ」


(違う。そうじゃないの……!

あなたの異常な力の反応の話をしてるのよ……!)

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