表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/65

焦燥(リアン視点)

【リアン】


王城からの帰り道、馬車の中でリディアに手を握られたながらリアンは先程の出来事を思い返していた。


――殿下が、姉さんを見ていた。


それはただの観察ではなく、特別な興味の目。


(嫌だ)


この感情の名前は分からない。

だけど、はっきりと理解した。


(誰にも……姉さんを奪われたくない)


気づいてはいけないものに触れたような感覚があった。

胸の奥がざわつき、息が少しだけ乱れた。


(姉さんは、僕の大切な……)


言葉の続きを心の中で濁す。

口にしてしまえば、もう戻れない。


それでも、確信だけは鮮明だった。


(殿下だろうと誰だろうと、姉さんを“選ぶ”のは姉さんだ。

……その横に立てるのは、僕だけでいい)


「誰にも渡さない…」


彼はまだ幼い。

しかし、その執念は誰より深く強かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ