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第6話 我流のトレーニング

ふと目を覚ます。

外はとっくに暗くなっており、部屋の時計は18時半を指している。

少し寝すぎたかな?まあ明日まで寝てしまうよりはマシか。

どちらにしろもうホテルから出ない。

ここまで寝てしまうとむしろ何かしたくなってくる。


窓の外を見ると帝国首都の夜景が広がっている。

だがここは三階、そこまで高くないので家々の屋根が見える程度である。

しかし、ウィズベリーの田園風景とはまた違う夜景はとても新鮮だ。

とりあえず飯を食べるか。


取り出したのは今日買ってきた【ある日や】の野菜たっぷり弁当。

開けると確かに野菜たっぷりだ…。

左にご飯、右は野菜、何種類ある?多分5種類くらいか?

手をパンッと合わせていただくことにする。

「いただきます」


うん、美味い。

普段アリシューザにもっと野菜をとってくれと言われているが、これ一つあれば一週間くらい何も言われなさそうだ。

これウィズベリー地方でも売らないか?

名案だと思うんだけど…。


「ごちそうさまでした」

こりゃペロリと行けるな。

もし機会があればアリシューザ用にも買ってやるか。


さて、やる事か…。

そういえば家を出る直前にアリシューザが私の鞄に何やら紙をぶち込んでいたが…。

えっと…?ああ、帝国軍兵士募集の紙か。

特に不思議な事が書かれているわけでもないが、試験申し込み時間が書いてある。

危な!?それは確認してなかった…。

申し込み時間は朝の6時から9時まで。試験開始は9時過ぎからだそうだ。

終了時刻は書いてない。

そりゃそうか、参加人数もわからないしな。

試験会場であるエイミー帝国軍本拠地はここから歩いて10分ぐらい、むしろ近いくらいか。

朝ご飯食べる事を考えて、部屋のタイマーは7時にセットしておく。

8時にホテルを出るくらいがちょうどいいだろう。


そういえば一つ、やる事というか、明日の為にやっておく事を思いついた。

帝国軍ではもちろん自分自身の技術を磨く為に個人トレーニングも出来るのだが、私が編み出しやっていたトレーニングがある。

それは至極単純で、立ったまま目をつぶり、集中力を高めながら『殺気』を特定方向に出すというもの。

『殺気』は人に向けなくても壁とか物とかでも構わない。

まあ実際は目をつぶっている事で特定方向へ向く『殺気』は遮断され、他の気配をより敏感に察知しやすくなるだけなのだが…。

それにこれは完全に我流だから人にはオススメできないし…。

大丈夫これ?意味伝わってる?


とりあえず気を取り直して…『殺気』を向ける物は…タイマーでいいか…。

それで立ったままは流石に疲れるので、ベッドの上で座りながらやろうか。

これで明日の朝タイマーがなる前に目が覚めればいい。

帝国軍において寝坊は許されない。

タイマーはあくまで保険だ。


「よし…おやすみなさい」


さて、明日。

どうなってるかな私…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



帝国首都の朝、カーテンを閉め忘れていたから太陽の光が入ってくるのに途中、気付いた。

そしてとある時に、まるで起こされたかのように目が覚める。


「…」


ピピピピッ!!ピピピピッ!!


どうやらトレーニングは成功のようで、どこか安心しているようなしてないような…。

10年経ってもまだこの身体にはその感覚が残ってたとは…。

うるさく鳴り続けるタイマーを止めて、昨日買った弁当のもう一つを取り出す。

骨付き肉入り肉弁当だったか、開けてみると名前の通りそのまま骨付き肉が真ん中にでん!…とあり、

左側には同じくご飯が、一番右端に少なく野菜も入っている。

一番これが健康にいいかもしれない。


「いただきます」


やはりというか、これも美味い。

350エイミーで買えるというのは少し安すぎでは?

本来は昼飯用の弁当だろうし、次回は改めて昼にいただきたいところだ。


「…美味かった。ごちそうさまでした」

冷蔵庫に入れずに常温だったから味が落ちてないか心配だったが問題なしとは…。

その料理の腕、私にください。


時間は…7時半か、まあ妥当だろう。

荷物まとめてチェックアウトしてる頃には8時ぐらいになっているはずだ。


「よし、忘れ物ないかな」

もうホテルのフロントに鍵を返した後で言うセリフでは無い事は分かっているが…。

万が一のことがある、眼鏡をかけておくか。

さてさて、確かホテルを出て右だったかな?

道はうろ覚えだけどまあなんとかなるだろう。

一つ目の十字路を左、その先は一本道だ。

ずっと歩いていれば右側に大きな門が出てくる。

エイミー帝国軍本拠地の正門だ。


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