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委員長のパンツ

 文化祭実行委員会の部屋には、資料が高々と積まれている。


 その奇跡的なバランスと同じくらい、委員長の素葉さんの可愛さも貴重なもので、今しか見れないのではないかと錯覚しそうなくらいだった。


「ねえ笹野くん」


「は、はい」


「今日はこの書類たちを一緒に片付けましょうか」


「あ、はい! 是非協力します!」


 僕は、すごい頼れる感じが出るような返事の仕方をしようとした。


 まあ多分結局全然うまくいってないんだけど、それでも全く問題がない。


 なぜなら、この部屋には僕と素葉さんしかいないからだ。


 志願者1、合格者1。


 圧倒的瞬時解決だ、やった。


 というわけで、僕は素葉さんと一緒に書類の片付けをすることになった。



 まずは、書類を分類するところからだ。


 去年のと今年のが混ざってるし、文化部関係と運動部関係も混ざっている。


 まずは去年と今年、そして文化部と運動部に分けることにした。


 つまりは四種類の分類である。


「これだけでだいぶスッキリするんじゃないかな? 去年のはスキャンして捨ててしまえばすごく減るし」


「頭いい……」


 いやまあこれくらいどこの文化祭実行委員会でも部活でも生徒会でもやってる説があるけど、こんなにクールで頼れてしっかり者で可愛い素葉さんとやってるのは僕だけなんだよ。


 それに気づいてしまって幸せを噛み締めてぼーっとしてる僕はやはり頭悪いわ。



 それからしばらくたって、四種類の分類が完了。


 「さて、去年の分がこれね、あとはどんどんとスキャンしましょう。それは明日でいいかな」


「はい、いいと思いま……」


 僕は固まった。


 去年の書類は高く積み上がってまとめられていて、その高さは素葉さんのお尻くらいまである。


 その書類の端にスカートが引っかかって、……スカートの中が見えてしまっているのだ。


 うお、ど、どうしよ目に入ってしまったのは仕方ないとしてあとは見ないふり……。


 をしてるつもりではあるのに記憶にはっきりと残ってしまっているものが。


 素葉さんのパンツ。


 猫のキャラとリンゴの絵が描いてある、とても可愛いパンツ。可愛さのベクトルが素葉さん本人とは独立している。


 これは……。


「え、なんか私……」


 素葉さんが違和感に気づいたっぽかった。


「あの……笹野くん」


 目があって。そして素葉さんの視線はパンツへ。


「はい」


「む、むきげん活動停止にしますっ、さ、笹野くんしばらく来なくていいよっっ!」


 ええ、と、まじですか! なんでだよ。


 やっぱり、見て欲しくなかったんだなあ……。


お読みいただきありがとうございます。

本作は短く完結する予定です!

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