だあれだ?
こんなのいやだ。
そんなのいやだ。
いやよいやよが積もって息まで詰まる。
だから、いやだって言ってるじゃない。
まだ口には出してないから、だあれも知らない。
心の奥の舞台では、私は悲劇を熱演してる。
響いてる、響いてる、私の声。
だけど、熱演とは裏腹に閑散とした劇場です。
ええ。無観客ですから。
誰もいないけど、入れてもあげない。
だから、いやだって言ったのに。
まだ言ってないから、だあれも知らない。
私はだあれと聞く人いない。
だから、あなたはだあれと私は聞かない。
響いてる、響いてる、私の声。
心の奥の奥の底、出来損ないの喜劇を熱演してる。
私の声だけ響いてる。
こんなのいやだ。
こんなのいやだ。
いやよいやよが癖になり、こんなのやめてって言いたくない。
こんなものだけどいいでしょう。
だって、私はだあれと聞く気はしない。