人生を終わらせるよ
ライデンを殺すと決意した日俺は自分の両目を潰した。ゴッドアイのスキルを封じるために
そんな日から一年がたった。ようやく気配で位置や技を察知できるようになった。
「この街は何も変わってない」
人、空気、雰囲気全て一年前と同じ皆がライデンを最高の王と持ち上げる一方で裏にはびこる闇に目を背ける。だからこそ一年前の事件なんてなかったことになってるただ神の子が暴走して死んだ
それだけが残ってる
「都合は良いが胸糞悪い」
この世界はライデンに刃向かわなければ平穏に暮らしていける。それなら当然そうするよな人は弱い思い出も過去にできるほどに
今夜世界から忘れ去られたアルト・ナーグルが王と偽りの平穏を奪う
ライデン王城
白と金の壁に趣味の悪い大砲平和と安定を掲げる国旗見た目は綺麗に清潔に清楚になっているがこの地下では奴隷が馬車馬のように働かされ誰にも知られずに死んでいる。
「早く終わらせよう」
正面から木のドアを破り入りこむ
「敵襲!敵襲!」
王族の兵士達が声を上げて仲間を呼ぶ
心を自分でもおかしいぐらいにおついている
剣を抜いて戦闘態勢に入る
「敵は一人だ!陣形を保ちながら戦え!」
兵士数名が俺のもとへ斬りかかり他の奴らは魔法を打つ準備を整えている
「陰纏」
剣に纏わせ横に振る。襲いかかった兵士達は黒い陰にお腹を裂かれ血しぶきを上げる。俺の被っていたフードがめくれる。
「そのスキルにその顔貴様……アルト・ナーグルなのか……」
肯定の代わりにスキル部隊に斬りかかる
「スキルだ!あいつのSP(スキルポイント)を消費されろ!スキルを打ちまくれぇぇえ」
相手の指揮官が声を上げスキル部隊がスキルを打つ。スキルごと剣で斬り裂いていく。
「言っておくが俺はもう目を潰している無駄だ」
「狂ってやがる」
怯えた指揮官スキル部隊を躊躇なく殺す。
階段を駆け上がりライデンのところへ向かった。
バタン
扉を蹴ってライデンと対面する。その中は謎の異臭がする部屋だった
「一年ぶりだな!ライデン!」
「どうしたそんな顔をして」
顔は見られないがどんな顔をしているのか想像できてしまう。きっと余裕そうな見下すような顔だそれに比べて俺はここに来て怒りを抑えられていないみたいだ。
「随分と余裕そうだな」
「そんなことはない我が兵士達が殺されて心配の一言につきる」
「もういい……加速」
真正面から最短にライデンの間合いに入る
「斬れる」
死なない程度に思いっきり斬った
ブシュ
返り血が俺にかかると同時にやつのゲスい笑い声が聞こえる。
「ウハハハ、ウハハハ良いものを見たぞ」
「ごめん……ねアルトくん、また嫌な思いをさせて」
体中から鳥肌と寒気がたつ
「ル、フィ……」
「お前が斬ったのはルフィだお前は姉妹そろって殺したんだ。いや、姉妹だけではない家族、仲間関わったやつら全員をだ!」
「うああああああ」
また、また俺は大切な人をふざけるなどうして気づかなかった。どうして異臭に目を向けなかった
「ガッカリだよアルトくん君が気づかず殺してしまうなんて、ね」
「ライデぇぇえン」
全てを紛らわかすように剣で襲いかかった。
「インヒィット」
風がとてつもない威力と速さで俺を壁へと打ち付ける。
「ガハッ」
吐血する。骨が折れて臓器に刺さる。
「クソッがぁぁ」
もう一度襲いかかろうとしたとき手を握られた
「おち、ついて、アル、トくん……君は何のためにここまでしてきたのかよく考えて」
最後まで俺はこの姉妹に助けられてばかりだ
あいつはスキルは強いが剣の腕前は微妙だ。間合いに入れれば可能性はある。
「私が……ライデンの隙をつくる、からお願い」
「お願いします」
もう一度真正面からでいく
「どうやら終わりのようだなインヒィ、」
「ウォーターショット」
「なに!」
とっさにガードするライデンその瞬間に俺達の思惑に気がついたみたいだが遅い。
「陰纏」
ブシュ
確実にライデンを斬った刹那ライデンが短剣を俺のお腹に刺す
「クソッ貴様も道連れだ!」
「グハッ」
ライデンは倒れ息絶えた。俺はなんとか意識を保ち心復で傷口を塞ぐ。だが折れた骨と刺さった臓器は回復しない。
「まだやらないと行けないことがあるんだ」
気合でなんとか立ち上がり街に向けスキルで映像として状況を伝える。
「ライデン国の者に伝える。アルト・ナーグルがライデン王を殺した」
混乱と安堵と不安と怒り様々な感情が声となって伝わってくる。
「話をきけ!これからライデン王がしてきたこととその証拠を見せる」
そこから俺はライデン王城にあった裏資料や奴隷
達そしてやつの一年前の肉声それらを見せた。
国民もバツが悪そうにしたりライデンに対して怒りを抱いたりしていった。
「もう一度言うアルト・ナーグルはライデン王を殺した」
先ほどと違って聞こえてくるのは歓喜の声は英雄と称える声だが俺にとっては胸糞が悪い。手の平を返して反逆者と罵ってきたやつらだ。まぁもういい俺の責務もここまでだ。
スキルを終了させ、ルフィを抱える。
「ごめんルフィ結局俺は大切な人を一人も守れなかったよ」
ルフィの手が頬へと伸びる。
「そんなことはないよ……君はねみんなの心を魂を救ったんだよ……きっとみんな報われたよ……ありがとう……アルトくん」
ルフィはそれから一言も発さなくなった。
沢山泣いたごめんなさいとありがとう色んな気持ちで泣いて、泣いて、泣いた。
「こんどこそ人生を終わらせるよ」
ルフィをミシェルの隣へ埋葬した。
ミシェルのくれたペンダントを片手で握りしめて首を斬る。
「約束を果たすよミシェル。君の元へ向かうよ」