クズになれたら きっと都合がいい
いつだっただろうか太陽は正義感を振りかざす悪だと思ったのは、きっと遠い昔それこそ前世だったかも知れない。
「ここは……」
そう見覚えが俺にはあった。たった一度みた天井だけど多分一生忘れられない。
だけどなんでここに……
そこはミシェルの倉庫だった。
俺はベッドから起き上がり倉庫の中を回ることにした。
ガチャ
ドアのロックが開く。
俺は目を大きく開いた。
「なんでお前がここを知ってるんだよ」
「それはね……ミシェルは私の妹だから」
そう俺に告げたのはルフィだった。確かに彼女はミシェルと同じ青髪で赤い瞳だった。よく見れば顔もよく似ていた。
そしてルフィは俺といたときは比べものにならないぐらいお姉さんでしっかりした雰囲気だった。
「なんで教えてくれなかったんだよ……」
「もしも私がミシェルのお姉ちゃんなんて言ったらアルトくんは私にずっと謝って一緒にダナトル村に行かなかったでしょ」
「そうだけど俺を憎らしく思わないのか俺のせいでミシェルは死んだ」
「そうだね。確かにミシェルはアルトくんと出会わなければ生きていたかもしれない」
その言葉は俺には重く心に突き刺さる。ルフィからしたら俺は妹を殺した存在同然なはずだ。
顔が俯いてしまう
「でも……ミシェルはアルトくんと仲間になることを選んだのあの子は今までずっと独りを選んでいたのに」
独りを選んでいた?あんなに明るくて優しいミシェルが?
「ミシェルは優秀だったのずっと私なんかよりも。神様が与えたスキルは同じだったけど、あの子はスキルを沢山覚えていたし、ステータスも高かった。だからパーティーに誘う人も多かったのでも、全て断っていたの。だけどミシェルは君を選んだ。だから私はアルトくんをこのことで何か言うつもりはない。」
ミシェルどうして俺を選んじまったんだよ。涙が止まらい。
「だけど、今の君を見ていると許せない全て独りでやると言っているのに人を巻き込んで、それをただの怒りとして何も考えないで行動してる。思い上がらないで!君がもしもまた同じようなことをしたらその時は本当に許さないから」
俺はルフィから大切な家族仲間を奪った。なのに俺は自分だけが苦しんでると思って怒りだけにとらわれて楽な方に逃げた。
ほんと何してんだ俺は……
「なぁルフィそれなら俺にどうしろって言うんだよ!」
最低だ。結局俺は自分じゃ何も考えられないから押しつけて反吐が出る。
バチン!
頬が痛い。いや、痛いのかすらわからないほど、感情が心が麻痺してる。
「教えてくれよ!俺はどうしたらいいんだよ!なんでもやってるやるからさ!命だっていらない。たがら教えてくれよ!」
自分はこれほどまで惨めなのかルフィから奪ったのに答えを貰おうとしている。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。
でも答えが欲しい。
「ウォーターショット」
顔に衝撃が走る。体が光る。スキルの習得
「目を覚ましなさい。君が決断しなければミシェルもバルクもシルクも喜ばない。三人は君を信じて君を大切に思って死んだ。私も君をミシェルが信じたアルトくんを信じてる。だから私達全員で君を信じさせて」
「ルフィ……」
結局助けてもらった。こんなクズをだからもう迷わない。
あの時からもう決めていた。焦る必要なんてなかった。
俺はライデンを殺す。それだけで良かったんだ。誰も否定なんてしていなかった。俺が焦って早とちりしてただけだ。
「もう大丈夫だね」
「はい。俺はライデンを殺します。今できなくても必ず。」
「信じてるよ君はもう歩いて行けるって。頑張って」
「はい!」
夜風が吹いた。きっともう間違えないと星に誓って月を見上げる。月と星は平等に闇も光も照らす。もしもこの月と星が太陽のようになったら俺を照らすのは月がいい。