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ある魔物使いの成長物語  作者: 剛田タケゾウ
子供編
6/8

来訪者(3)

「カサッ、カサッ、カサッ」

音は段々と大きく聞こえてきた。


僕が後ろを振り返ると黒い服を着たお爺さんが立っていた。お爺さんは僕の顔を見ると小さくお辞儀をしてきた。


「おまえ、どうしたんだ?」


「後ろにお爺さんが居るんだ」

男の子が振り返るとお爺さんは深くお辞儀した。男の子は何かを理解した様だった。


「おまえの名前、まだ訊いてなかったな...」


「カケルだよ、君は?」


「私はユウだ、残念だが迎えが来たようだ、今日は楽しかったぞカケル..ありがとうな」

そう言うと、ユウはお爺さんのもとに歩き始めた。

「爺、迷惑を掛けたな、すまなかった..」


「滅相もございません、爺はユウ様がご無事でいらっしゃることだけでよろしゅうございます」

お爺さんは馬車の扉を開きユウはそれに乗った。お爺さんは僕たちに一礼すると馬車を走らせた。


「またね~~~~~」


「ワン~~~」

手を振りながら叫ぶと、馬車の中で誰かが微笑んだ様に見えた。


馬車はあっという間に見えなくなった。

「行ってしまったな」


「ワゥ~」


「僕たちも家に帰るか」


「ワン」

コロは元気良く吠えた。

湖の中を見ると真っ赤な魚が優雅に泳いでいた。

=======================================

「ただいまー」


「ワゥー」


「二人ともお帰りなさい」


家の中を見ると男はまだ居た。

「お腹が空いたでしょー夕食はカレーよ、手を洗っておいで」


「はーい」

僕が手を洗い戻ってくると男は机に座っていた。


「いただきま~す」

3人でカレーを食べ始めた。


「今日は魚見つかった?」

僕は今日あったことを話した。


「コロはお手柄だったわね~」


「ワン」

元気よく吠えた。


「お母さんも次こそは見てみたいわ」

母は微笑みながら言った。


「ボウズ、その魚そんなに綺麗なのか?」


「そうだよ、今日会った男の子は家にあるどんなお宝よりも美しいって言ってたよ」


「そうか、そんなに美しいのか、俺も見てみたくなったなー、ボウズ、ちょっと手を貸してくれるか」

僕が手をだすと男は魔法を唱えた。


「リフレクトメモリー」

僕の手のひらは光を放ち映像を映し始めた。


「おぉー、綺麗な魚だなー、こりゃー図鑑でも見たこと無いぞー」


「私にも見せてちょうだい」

僕は手のひらを母のもとに近づけた。


「これがカケルの言っていた魚なのね、ほんと綺麗ね~」


「うん!!」

母にやっと見せることが出来て嬉しかった。


三人は夕食を食べ終えた。しばらくして男は葉巻を吸いに外に出て行った。


僕がコロと遊んでいると

「カケル、ちょっとこっちに来てちょうだい」


「は~い」


「ここに座って」

僕は言われたように母と向かい合う様に机に座った。


「カケルは、ユスティム王国に行ってみたいって言ってたでしょ」


「うん!!」


「あのおじさん王都に住んでるんだけど、その話をしたら是非家に来てくれって言ってきたの、カケルはどうする?」


「行きたいけど、ママは行くの?」

母は少し困った顔をしていた。


「ママはお家でやらなきゃいけないことがあるから一緒には行けないわ」


「そうなんだ....」

その言葉を聞き僕ががっかりしていると。


「帰ってきたら王都のこと色々教えてちょうだい、ママはそれを楽しみに待ってるわ」


「うぅぅぅ」


「ママはカケルのお話聞きたいな~~~」


「うぅぅぅ」

母色々なことを言い僕を王都に行かせようとした。


「わかったよママ、僕一杯面白いところ見てくるから、お話楽しみに待ってて」


「カケル、頼むわね」

母は微笑みながら言ったが少しだけ残念そうな顔をしていた。


男は葉巻を吸い終わり戻ってきた。

「ボウズ、王都に来る決心は出来たか?」


「うん」

僕は元気よく答えた。


「そうか...明日は早いからすぐに寝るんだぞ」

僕は言われた通りすぐにベッドに入った。


==========================================

「カケルのこと本当にいいのか?」


「もう決めたことですから....」


「そうか..それなら俺から何も言える事は無いな、俺は馬車で寝るから朝準備が出来たら来てくれ」

男は家を出ると馬車の中に消えていった。母は小さな明かりを灯し何かを書き始めた。

今週水曜日次話投稿予定

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