8.はやい・・・
こんにちは、1歳になったアリアドネです。
最近やっと自分の名前を知りました。
・・・。いや、しょうがないよね。みんなだって、リアとしか呼ばないんだもん。使用人のみんなも「リアお嬢様」としか呼ばないし。
おじい様と、おばあ様が会いに来てくれてやっと判明したんだもん。
そして、私が公爵家の人間だって事も判明した。
さらにさらに、父様王族の人っぽい。
私の髪と目の話になって、おばあ様が
「リアちゃんの髪と目は、王族の色ねぇ~うらやましいわぁ~。」
なんて言ってたから、もう眼玉飛び出るかと思ったね、まじで。
ところで、おじい様とおばあ様ですがもうご隠居なされて領地の方にいるそうです。ということはここは、王都かな・・・。まだ謎はたくさんあります。
初めて会ったおじい様は、とてもお顔が怖い方でした。怖いなーとか思っていたらいきなりものすごい力で抱き着かれました。もうビックリです。しかも、お顔がニッコニッコです。さっきまでの魔王みたいな顔はどこに行ったんでしょう。
「かわいいのぅ、まるで天使みたいじゃ。連れて帰りたい。」
「なにを言っているんです!お義父様、連れて帰るなんてダメに決まってるじゃありませんか!!」
「うるさい!わしからマリアンヌをとっておいて何をほざく!!そんな男にアリアドネは渡さん!!」
「また始まった。あなた!!もういい年なんだから年下相手に吠えるのはおやめなさい。アリアドネがかわいいのはわかるけれども・・・。」
「うぅ、マーガレットが言うならあきらめるわい。だが!!今度は領地に連れてくるんだぞ!わかったな!!」
そんな孫にでれっでれのおじい様はなんとお父様の剣のお師匠様みたいです。だからこんなお父様に好戦的なんでしょうか・・・。謎です。
おばあ様は私にかわいい服や小物を大量にくださいました。どれも高そうです。ひぃぃぃ、お金持ちって怖いですね。
そして、2人は1週間ほど滞在して領地に帰っていきました。すごいパワフルな人たちでした・・・。まるで台風ですね。いつも元気なお父様もおじい様に剣の相手をさせられてくたくたですし、私もおばあ様に、貰った服で着せ替え人形にさせられたのでくたくたです。
今度領地に行くときは覚悟しておいた方がよさそうです・・・。