2.今回の人生・・・
「おぎゃーーーーおぎゃーーーー!!」
(てか、まぶしい・・・まだ目見えてないけど・・・。)
そんなことを思いながら助産師に抱っこされて母親らしき人の元へと連れてこられた。
「ああ・・・なんてかわいいの。生まれてきてくれてありがとう私達の天使。」
そう言いながら私をやさしく抱きかかえた。
「おぎゃーーーーおぎゃーーーー!!」
(やさしい人・・・今回の人生は幸せになれるかも・・・)
母親らしき人の体温を感じながらそんなことを思った。
バタンッッ
抱えられて泣き止み眠くなってきたと思ったらドアが勢いよく開いた。
「旦那様!!お静かに!!」
助産師と思われる人が入ってきた男の人を軽く窘めた。
「すまん、それよりも無事生まれたのか!?」
「はぁ、はい。とてもかわいらしいお嬢様ですよ。」
男の人の行動にため息をついたと思ったらやさしい声でそう言った。
「本当か!!!マリア大事ないか!!!!」
喜んだと思ったら、誰かの名前を呼んだ。
「うふふふ。大丈夫ですよ、あなた。この子がすぐに出てきてくれたので。」
「そうか・・・。よかったぁぁぁぁ。は!!私達の天使を見せておくれ!!」
感情豊かな人だなぁ~。と思っていると、母親らしき人から離れその人の腕の中に引き込まれた。
「ッッッッーーー!!!!かわいすぎるぅ!!!!!!!」
その瞬間、すごい力で抱きしめられた。
(いやいやいや!!死んじゃうから!!9回目の死因が圧死ってマジで笑えないやつだから!!!)
そんなことを考えていると、助産師らしき人が助けてくれた。
「何を考えているんですか!!苦しんでるではありませんか!!」
そうしてまた、母親らしき人の元へ戻ってきた。
「大丈夫?泣かなくてえらいわー!おりこうさんね、天使ちゃんは。」
そう言ってやさしく抱きしめてくれた。
泣きそうになってしまった。
褒められたのなんて8回目の人生ではなかったからとても久しぶりな気がした。
そんなことを思っていたら、母親らしき人が背中をトントンしてくれた。
そうすると瞬く間に睡魔におそわれた。
「おやすみなさい。私達の天使ちゃん。」
そうして助産師らしき人のお小言をBGMにして眠りについた。