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凡人と神様  作者: 遺志又ハ魂
第二部 【詰むまでの物語】
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第60話 『悪夢の終わり』

「そういやなんで独り身だったんだ?」

「デリカシーのない質問はやめろ」

「今更、気を遣う間柄でもないだろ」


寝台でゴロゴロしながら、不意に尋ねた。

こんな絶世の爆乳美女が、何故独り身なのか。

性格は苛烈だが、それを差し置いても美人だ。

それなのにどうして行き遅れてしまったのか。


「行き遅れとか言うな。吾輩は生き残りだ」


こちらの思考を読んで、頬を膨らませた。

そんな怒った顔も大変可愛らしい。

しかしながら、俺の頬をつねる力が強すぎ。

やはりこの過激さが理由なのだろうか?


かわゆいボスは暫くつねって、溜息を吐き。


「吾輩の父上は厳しい人でな」

「王様が?」

「そうだ。父上は交際相手に条件をつけた」

「条件?」

「父上よりも強大でなければ認めんと、な」


そりゃ無茶な話だ。

かわゆいボスの父親は吸血鬼の王。

守護者である竜王も従えていたらしい。

ならば、間違いなく、ワールド・オーナーだ。


そんな存在より強大な者など、居ないだろう。


「沢山の求婚者が父上の前に敗れ去った」

「溺愛されてたってことか」

「そうとも。吾輩は箱入り娘だったのだ」


懐かしそうに微笑むかわゆいボス。

どうやら親子関係は良好だったらしい。

となると、なんだか罪悪感を覚えちまう。


「その箱入り娘が今やこんな有様とはな」

「貴様のせいでな」

「お、俺が悪いってのか!?」

「当たり前だ。吾輩は調教されたのだ」

「調教なんかしてねぇよっ!?」

「嫌がる吾輩を力ずくに押し倒して……」

「押し倒されてんのは俺だろうが!?」


被害妄想をほざくかわゆいボス。

人聞きが悪いにも程がある。

必死に否定すると、キッと睨んできた。


「吾輩に押し倒されるのが嫌なのか!?」

「い、嫌ってことはないけど……」

「ふん。貴様とて、快楽に溺れてる癖に」

「そりゃ、お互い様だろ」


結論から言って、現状にさしたる不満はない。

互いの血を貪る抵抗も、だいぶ薄れた。

女体化して間違いが起こる可能性も消滅。

沈まぬ月明かりに照らされて、怠惰に暮らす。


誰にも迷惑をかけることなく、過ごしていた。


「こんな有様を見たら、父上は怒るだろうな」

「いや、怒らないだろ。王様にも責任はある」


彼女に同族殺しの大罪を背負わせた、王。

この現状を叱る資格はないだろう。

もっとも、既にこの世にはいないのだが。


「吾輩が怒られずとも、貴様は怒られるぞ」

「なんでだよ? 娘を助けてやったのに」

「愛娘に手を出したのだ。謹んで叱られろ」

「まだ何もしちゃいないがな」

「ゆくゆくは、何かをするつもりなのか?」


軽口から一転、かわゆいボスの目が、マジに。


「いや、そんな予定は、ないけれど……」

「何もしないのか?」

「あ、当たり前だろ。変なこと言うなよ」


銀色の瞳に射抜かれ、ちょっと焦る。

なんなんだ、その目は。何を望んでいる?

いや、望みというよりは、期待だろうか?


「貴様がその気になれば王国を再建できる」

「は?」

「わからぬか? 吸血鬼の王国の復活だ」


唐突に訳のわからないことを言われて、困惑。

吸血鬼の王国の再建? 考えもしなかった。

だけど、それには、いろいろと問題がある。


「王国の再建って、マジで言ってんのか?」

「再建は可能だ。貴様のスキルがあればな」

「俺の、スキル……?」

「記憶操作が出来るなら、二の舞にはならん」

「ああ、なるほど……そういうことか」


彼女の国が滅んだ理由は、記憶の蓄積だ。

国民の頭がパンクして、発狂した。

適度に記憶を整理すればその事態は回避可能。


再建の目処は確かについたが、そもそも、だ。


「国民は、どうやって増やすつもりだよ?」


最大の問題が残っている。

それは、国民の増やし方。

すると、かわゆいボスは挑発的に笑って。


「どうすれば増えると思う?」

「揶揄うなよ。わかってんだろ?」

「ならば貴様も、わかっているのだろう?」


わかりきったことだった。ガキじゃない。

どうすれば子を作れるかは互いに知っている。

ならば、あとは、気持ちの問題である。


「あんたはどう思ってんだよ?」

「決めるのは貴様だ。吾輩は襲われる側だ」

「どうして俺が襲う側なんだよ?」

「吾輩は女だからな。そして貴様は強大だ」


なんだその理屈。俺に悪者になれってか?


「同じスキルを共有してんだろ」

「熟練度では吾輩が劣っている」

「わかったよ。回りくどいのはもうなしだ」


このままでは埒があかないと判断して、問う。


「あんたは、俺と子供を作りたいのか?」

「貴様こそ、吾輩と子を成したいのか?」


この、強情爆乳銀髪吸血鬼め。

質問に質問で返してきやがった。

あくまでも、俺の選択を聞き出すつもりか。


「俺が作りたいって言ったら、どうする?」

「もちろん嫌だが、吾輩にはなす術がない」

「抵抗する気はないってことか?」

「ああ。なにせ、吾輩は、か弱いからな」


よくそんなことを、いけしゃあしゃあと。

俺は長嘆を吐いて、反論を諦めた。

やめだやめだ。こんな問答、くだらない。


「俺は王国を再建するつもりはない」

「む。吾輩を孕ませたくないのか?」

「嫌がる女を孕ませる趣味はないもんでね」


盛大に、嫌味がましく、そう言い放つ。

舐めやがって。挑発に乗ってたまるかよ。

童貞には、童貞なりの、意地があんだよ。


「むむむ……眷属の癖に、生意気だぞ」

「へっ。孕ませて欲しくなったら、言いな」

「だ、誰が貴様なんぞに頼むものかっ!?」


とりあえず、丸く収まったところで話題変更。


「もし良ければスキルの使い方を教えるぜ?」

「ふん……どうせ、暇だしな」

「なら、空間魔法を教えてやるよ。便利だぜ」


スキルを共有しても使用法まではわからない。

俺はかわゆいボスに空間魔法を伝授した。

最初はコツを掴むのに苦労していたけれど。

毎日暇な時にゲートを作る訓練を続けて。

メキメキ成長して、だいぶ上達した。

俺の作った彼女の記憶球は全て回収。

かわゆいボスのゲートへと、収納された。


数ヶ月後には、大きな寝台を収納出来る程に。


「やったぞ! 眷属! 見たか吾輩の力を!!」

「おーすごいすごい。ガバガバだったな」

「ガ、ガバガバって言うなっ!?」

「最初はあんなにキツキツだったのにな」

「わ、吾輩は今でもキツキツだ!!」


そんな噛み合わない会話をしていると。


ガタッと、階下から、何やら物音が。


咄嗟にかわゆいボスと視線を合わせる。


「なんだ、今の物音は?」

「そんなこと、吾輩に聞かれても困る」


かわゆいボスも困惑している様子。


「この世界にはもう誰も居ないんだよな?」

「ああ、誰もいない筈だ」

「なら、今の物音はなんだ?」

「さてな……礼拝堂の方から聞こえたな」

「礼拝堂に、何かあんのか?」

「何もない筈だが……そういえば」


そこで何やら心当たりに気づいたらしい。


「実は、開かずの棺桶があってな」

「開かずの棺桶?」

「ああ。古から伝わる、伝説の棺桶だ」

「どんな伝説がその棺桶に?」

「何でも時が来たら開くらしい」

「はあ? それだけか?」

「それだけだ。だが、崇められていた」


時が来たら開く、古の伝説の棺桶。

なんとも怪しい代物だ。インチキ臭すぎる。

しかし、それが何故か崇められていたらしい。


「なんで崇められてたんだ?」

「棺桶が滅亡を回避すると期待したのだ」

「なるほど。それは、縋り付きたくもなるか」


世界の滅亡の折、誰しも救いを求めた。

伝説の棺桶となれば、尚更だ。

それが開けば、救われると思ったのだろう。


「まあ、結局、開きはしなかったがな」


自嘲げに笑うかわゆいボス。

気の毒だが、感傷に浸っている場合ではない。

彼女を促し、礼拝堂に行ってみよう。


「ほら、さっさと行くぞ!」

「そう急かすな。どうせ気のせいだろう」

「いや、そうとは限らねぇぜ?」


諦観しきった彼女に対して、不敵に笑う。


「もしかしたら救いは残ってるかも知れない」

「なんだと?」

「とにかく、行ってみようぜ! な?」


俺か差し出した手を、かわゆいボスが掴む。

彼女は訝しんでいるが、俺には確信があった。

これまでの異世界で培った、経験。


その世界でイベントが終わると、現れる存在。

俺はその存在によって、誘われるのだ。

また新しい、別の異世界へと。


「開かずの棺桶ってのは、どれだ!?」

「あの棺桶だ。む? 蓋がズレているぞ!」


礼拝堂に到着して、開かずの棺桶を捜索。

それはすぐに見つかった。埃まみれの棺桶。

その蓋は僅かにズレている。間違いない。


「開けてみよう」

「ああ、吾輩も手伝うぞ!」


2人で重たい蓋を持ち上げる。

その際に埃が払われ、本来の色が露わとなる。

伝説の棺桶は本来、白かったようだ。


その真っ白な棺桶に眠っていたのは、やはり。


「遅い! さっさと開けなさいよ!!」

「あらあら、ここはどこでしょうか?」


中には見知った2人組が入っていた。

喧嘩腰なのは姫巫女。淑やかなのは聖女様だ。

この世界には流石に居ないかと思っていたが。


どうやら、俺の旅路はもう少し、続くらしい。


「お前ら、居てくれたんだな……」

「あんた誰よ!?」

「まあまあ、私達を待っていたのですか?」


思わず涙ぐむ。聖女達の慈悲は偉大である。

どんな異世界でも必ず現れてくれる。

思わず頬擦りしようとしたら、袖口を引かれ。


「おい眷属。この女達とどんな関係なんだ?」


おっと。かわゆいボスのことを忘れていた。


「この子達は、俺の女神だよ」

「やっぱり浮気か!? この浮気者!!」

「いや、違うってば。なんでそうなるんだよ」


お約束のやりとりを交わして、状況説明。


「姫巫女、お前の役割を教えてやれ」

「なんであんたが指図すんのよ!?」

「じゃあ、聖女様。よろしくお願いします」

「私達の使命は魔王を滅ぼすことです」

「と、いうわけなんだ」


確認がてら、聖女様に答えて頂いた。

それでもかわゆいボスは納得出来ないらしく。

むすっとしたまま、詳しい説明を求めた。


「魔王を滅ぼすとはどういう意味だ?」

「簡単に言えば、不死身を殺せるんだよ」

「なんと! なるほど、だから聖女なのか」

「納得してくれたか?」


彼女達は不死身を殺せる唯一の存在だ。

そのことを告げると、とても驚いた様子。

かわゆいボスは聖女を知らないようだからな。

初対面ならば、驚くのも無理はない。


「それで魔王はどっち!?」

「私達が殺して差し上げますわ」

「あ、はい。俺が糞魔王です」


姫巫女と聖女様から尋ねられた。

とりあえず、俺は手を挙げておく。

これでこの世界からおさらば出来そうだ。


「なら、今すぐぶっ殺してあげる!」

「ご用意はよろしいですか?」

「あ、ちょっと待ってくれ」


トントン拍子に話がまとまってしまう。

しかし、かわゆいボスは話についていけない。

俺は待ったをかけて、彼女に事情を話す。


「これから俺は彼女達に殺して貰う」

「えっ? 貴様……死んでしまうのか?」

「ああ。来るべき時が来たらしい」


恐らく、イベントはこれで終わりだ。

だから、あとは死ぬだけ。

とはいえ、また転生するのだろうが。


気がかりなのは、彼女のこの先である。


「あんたは、どうする?」

「へっ?」

「このまま、この世界に留まるのか?」


俺は彼女と、元いた世界で出会った。

だから、かわゆいボスは、いずれ転生する。

ゆくゆくは、俺の元いた世界に辿り着く筈だ。


そしてその途中で神と出会うのだろう。

かわゆいボスは神と顔見知りだった。

しかし、この異世界で出会えるとは限らない。


ならば、彼女も一緒に死ぬべきかも知れない。


根拠などない。ただ、直感が告げている。

この終わった世界に留まってはいけないと。

そして心情的にも、放っては置けない。


「い、行かないでくれ……眷属」

「泣くなよ、美人が台無しだぜ?」

「吾輩はもう、独りぼっちは、嫌なんだ」


こんな風にボロボロ泣かれては、かなわない。


「泣いてる女を放って置くわけないだろ?」

「だったら、残ってくれるのか……?」

「いや、ここに残るより、良い方法がある」

「ぐすっ……どうするつもりだ?」


泣きじゃくる彼女に、俺は死を告げた。


「一緒に死のう」

「えっ?」

「俺と心中するのは、嫌か?」


一瞬、惚けて、すぐに意味を察したらしい。


「……かまわないとも。貴様は吾輩の眷属だ」

「なら、決まりだな」


了承を得て、一安心。銀髪を撫で回す。


「ほら、喜べよ。やっと死ねるんだぜ?」

「ほ、ほんとに、吾輩は死ねるのか……?」


半信半疑なかわゆいボスの為に、確認する。


「聖女様達なら俺達を殺せるよな?」

「あったり前でしょ!!」

「私達2人の力を合わせれば、必ず」


聖女2人の力。何故彼女達は2人組なのか。

介錯をし合うという意味もあるのだろう。

しかし、もしかしたら、この為かも知れない。

2人の不死者を殺す為に、2人組なのかも。


その真偽は定かではないが、ともあれ。


「ちゃんと殺してくれるってさ」

「そうか。ようやく、死ねるのか」


ほっと安堵した様子のかわゆいボスに、忠告、


「ただ、ひとつだけ言っておく」

「なんだ?」

「聖女に殺された場合、転生することになる」

「そう言えば、貴様もそうだったらしいな」

「そうだ。だから、この光景を覚えてくれ」


聖女に殺されると、転生することになる。

俺の推察が正しければ、記憶は引き継ぐ筈だ。

吸血鬼はその特性から、記憶を忘れない。


そして、一緒に死んだからと言って。

同じ世界に転生するとは、限らない。

だから俺は今のうちにその光景を見せた。


「なんだ……この洞窟は?」

「そこで俺はあんたと再会する筈だ」

「そうなのか?」

「ああ。だからそこに着いたら待っててくれ」


泥棒スキルで、ダンジョンの記憶を共有。

いずれ、そこに辿り着く筈だ。

そこで待っていれば、必ず再会できる。


「その時に、また会おうぜ」


自信満々で笑ってみせると彼女は鼻を鳴らし。


「ふん。なんだそれは。予言のつもりか?」

「そうなるかな」

「まるで神のような物言いだな」

「この件にかけては、オレ様は全知全能だ」


ようやく、胸を張って神の振りを出来る。

未来を知り、伝えるべきことは伝え終えた。

自信を持って、予言を告げることが出来た。


全ては彼女の不安を、減らす為の大言である。


「ならば、信じて待つとしよう」

「随分と素直だな。神様を信じてんのか?」

「神ではなく、吾輩は眷属を信じているのだ」


かわゆいボスは眷属の俺を信頼してくれた。

なんとも嬉しく、思わず抱きしめたくなって。

手を伸ばそうとしたら、姫巫女が邪魔をした。


「ちょっと! いつまで待たせんのよ!?」

「お別れのハグくらいさせてくれよ……」

「そんなの殺される時にしなさいよ!!」


それはごもっとも。素直に従うことにした。


「じゃあ、始めてくれ」

「ふん! あたしを待たせた罪は重いわよ!」


俺とかわゆいボスは白い棺桶に横たわる。

姫巫女と聖女様はそれぞれ短刀を持ち。

俺達の頭上で、互いの手首を切り合った。


聖なる血液が、俺達にふりかかる。


「ぐっ……! 眷属、熱い……熱いよ!」

「大丈夫だ。俺も一緒だ。すぐに済む」

「あ、ああ、あああ……これが、死か」


苦しむかわゆいボスを抱きしめる。

俺も灼熱の血液に焼かれながら、もがく。

それでもかわゆいボスは、安らかだった。


「ああ、やっと、やっと……死ねる」


焼け爛れた頬に、一雫の銀の涙が伝う。

朦朧とした意識ながら、それはとても美しく。

気づけば、俺の目からも、涙が溢れていた。


「これにて悪夢は終わりでございます」

「次はもっとまともな夢を見なさいよね!」


消えゆく意識の中で、別れの言葉が聞こえた。

慈悲深い聖女達に感謝しながら、死んでゆく。

哀れな吸血鬼の王女を、抱きしめながら。


意識が消失して、そして、唐突に目覚めた。


「ん……あれ?」


目を開けると、見覚えのある天井が。

円盤状の照明が、そこに張り付いている。

背中に感じる感触も、懐かしいものだ。


さらりとした触り心地。

俺のベッドのシーツによく似ている。

というか、そのまんまのような気がする。


いやいや、そんな筈はない。

きっと寝ぼけているのだろう。

視線を周囲に向ける。


枕元の目覚まし時計。

漫画が並んだ本棚。

壁に掛けられた、高校の制服。


高校の……制服? それを見て、違和感が増す。


それはおかしい。どう考えても、あり得ない。

だって、その制服があるということは。

この世界が、元いた世界ってことになる。


そんな筈はない。まさか、そんな、馬鹿な。


「起きた?」

「あ……えっ?」

「朝ごはん、出来てるよ?」


不意に声をかけられた。

聞き覚えのある声だ。

ずっと、聞きたかった声だ。


忘れる筈もない。聞き間違える筈もない。


神の裏切りによって殺された。

俺が神を殺すと決意した、その存在。

元いた世界で共に過ごした、大切な人。


声のする方に視線を向ける。するとそこには。


「おはよ」


俺の姉ちゃんが、添い寝していた。


なんだこれは。どういうことだ。

あり得るのか? こんな転生が。

いや、そもそもこれは、現実か?


わからない。何もかも、理解出来ない。


目が覚めたら、元の世界にいた。

それは、なんとも、つまらない。

何故ならば、それが示す現象は、ただ一つ。


「これって、もしかして……夢オチ?」


茫然と、呟いた。

夢オチとか、マジかよ。

詰まるところ、つまらない。

信じられない。これは夢か?


それとも、異世界の放浪が、夢だったのか?


駄目だ。判断がつかない。記憶は存在してる。

明確に覚えているが、現実の区別がつかない。

まるで詳細な夢日記を読んだ感覚に、陥った。


これは、夢か? それとも、現実か?


93万年の放浪は全て、夢だったのだろうか?

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