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ヘルニア国ビースト〜賢者の秘宝〜  作者: ぬっこす教授
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クズの細道

 一行がコシナーノ村を出発してから2時間が経っていた。その間会話を交わしたのは『町までどのくらいだ』の一言のみである。歩き続けても、歩き続けても広がる平原フィールドにアラキのいら立ちが募る。

 アラキ「ふざけんな!全然次の町に着かねぇんじゃ!」

 ユミィ「アラキ君!諦めちゃダメ!いずれきっと着くわ!」

ユミィの励まし・・・だがアラキには励ましが喧嘩を売っているようにしか聞こえなかった。

 アラキ「なんだこのおっさん!?いきなり喧嘩売ってきやがって!元はと言えば、お前が『ここから北西にあるアンメルツの町に行きましょ!』なんて言うから悪いんだろ!」

ユミィは涙目になり俯いてしまった。アラキは露骨に舌打ちをした。すると返ってくるように大きな舌打ちがした。

 アラキ「あ?」

 キレンコフ「ガキ・・・あんまり調子に乗るな・・・。二度と寝れなくしてやろうか・・・?」

アラキの利己的な発言が目についたのか、村から沈黙を貫いてきた巨漢は口を開いた。その巨人の威圧感に圧倒されたアラキは弁解し始めた。

 アラキ「えっ・・・い、いやだってね?こ、このおっさんがね?そ、それでn」

 キレンコフ「あ?」

 アラキ「すみません・・・。」

 キレンコフ「謝る相手を間違っているぞ・・・ユミィさんに謝れ・・・」

 アラキ「ユ、ユミィさん・・・すみませんでした・・・」

 ユミィ「い、いいのよ!イラつく気持ちもわかるわ!何もアラキ君だけじゃないの!私こそごめんね?」

キレンコフによってその場は丸く収まった。アラキはそれ以降、町に着くまでの間一切口を開かなかった。しかしこのクズ、内心では2人に対しての殺意の念が沸々と湧き上がっていた。

 それから更に1時間半歩き続け、空が茜色に染まり始めて来た時、一行の前にアンメルツと思わしき町が見えてきた。

 ユミィ「ねぇ!みんな見て!アンメルツの町よ!」

ユミィが歓喜の声を上げる。それにつられるかの如くキレンコフが鼻で笑う。

 ユミィ「アラキ君!町に着いたのよ!やったね!」

 アラキ「あ、そうすね。よかったすね。」

いつまでも拗ねているアラキを除いて、2人は町へと走り出した。この町で秘薬の情報を集め、装備を整える。それが一行の目的。

 しかし安堵に包まれた2人に、狡猾な青年が牙をむこうとしていた・・・

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