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兄妹以上、家族未満。  作者: 木島冴子
未知との遭遇
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未知との遭遇1



神さま。仏さま。ああ、もうなんでもいいから。


どうしてあたしがこんな目に?


今日から学び舎となるはずの建物裏。


時間は午前七時半ジャスト。


あたしは見知らぬ男にファーストキスを奪われていた。




********




四月六日土曜日、快晴。


午前六時三十五分。


やわらかな春の陽ざしが新品の白いカーテンからさしこむ。


台所では真知子ママが朝食の支度をしている。目玉焼きがジュージューと焼かれる音。トーストの香ばしい匂いがここまで漂ってきそうだ。


「修子ちゃん。朝ごはん、できたわよ」


部屋にいるあたしを呼ぶ真知子ママの声。


あたし以外の女の人の声が家にひびく違和感にはだいぶ慣れた。


「はーい。今、いきます」


あたしは返事をしながら、ふたたび鏡のなかに映る自分の姿に目を戻した。


最終チェックだ。


おろしたての制服は濃紺のブレザー。同じく濃紺のプリーツスカート。のりのきいた制服は少々動きづらい。


一年生をしめすワインレッドのリボンが襟元でゆれている。


スカートは中学の時より短めに。ウエストを2回折りこみ、ひかえめに太腿が見えるくらいにする。


うん。いい感じ。


中学はセーラー服だったからブレザーって憧れていた。


自分の大人びた姿に、にんまりと笑みがこぼれる。


あたし、寺山修子は今日から高校生だ。




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