AAA社独占ニュース。首謀者青年との会見。その要旨
(スタジオの番組司会者からの振り。そして司会者と青年双方の自己紹介)
編集者D「まず今回このような場を設けていただきありがとうございました」
青年「むしろ私がお礼を申し上げたいくらいです」
「えぇ、御託を申し上げても仕方ありませんし率直にお聞きしましょう。なぜあなたは君主に対して反旗を翻そう、と主張なされたのですか」
青年「それは君主の我儘で国民が困っているからです」
「特に困っているという実感はないのですがね。まぁ、税金だとかそう言う話なら文句が無いわけではないのですが」
青年「それはあなたが飼いならされているからだ」
「飼いならされるですか?」
青年「へぇ。見なさい町を。かつての美しい故郷は醜悪な欧米のなりそこないになった。人々は欧米のなりそこないの服を着て欧米のなりそこないの食べ物を食べている。これに疑問を感じないのですか」
「まぁ感じないわけではないのですが」
青年「でしょう。そももそも私はこことは異なる世界からきました。そこで一人のご家族と出会ったのです」
「はぁ。ご家族。どのような?」
青年「牧場を経営なされている方々でした。彼らは私のような何の伝手も無い人間にも優しく施しをあたえ、牧場での世話の仕事もいただけたのです」
「それで、そのご家族から何か?」
青年「えぇ、ご家族はいつも苦しんでいました。なりそこないの欧米となった故郷を嘆き。そして君主から取り立てられる税で苦しんでいました。そしてついにある日、牛舎で家族の皆様は心中を」
「それが切っ掛けで体制の改革を訴えなさったと。そう言う事ですか?」
青年「そうです。あのご家族のような国民はもう生んではなりません。皆は飼いならされている。そして私はただ一人だ。ならば私が立ち上がるしかない。そう思い立ち上がったのです」
「なるほど、それでは次の質問ですが「君主」とは一体どちらをさしていたのですか?」
青年「君主は君主です。この街を作り上げた君主も。それに巨額を求めた君主も。すべての君主です」
(感情の高ぶりからか立ち上がり続ける)
青年「私はこの世界を改革します。なりそこ無いの出来の悪い欧米のような街を壊し、そして我々が我々の為に行う政治をここに取り戻す事を宣言します。その為であればたとえ虚偽の申告の汚名をかぶせられようとも、世界が戦争になろうとも構いません。その時私は喜んで一番槍を持ち高らかに名乗りあげながら突撃しましょう。磔台に吊るされようとも断頭台の露になろうとも私はいかなる手を使ってでもこの国を元の美しい国に変えてみせると宣言します。この声に賛同する皆さんは立ち上がりましょう。思想を共にするのであれば明日。私の元に集まってください。今ここに高らかに維新軍の結成をせんげ」
(放送局の判断にて中継が止められたため以下省略)