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1話
よろしくお願い申し上げます。
世界樹から戻ると、先程の2人はリィシェリアを見るなりすぐ様礼をとった。
羽を広げ、右手を胸辺りに持って行き片膝を曲げてお辞儀をしたのです。
訳が分からない。とリィシェリアはおもいました。
「あ…あの…」
「先程の無礼な態度を改めてお詫び致します。詳しい話を王都にて致しますので、僭越ながら御同行願います」
リィシェリアの戸惑いを他所に、2人は代わりの門番らしき天使を呼び、失礼致しますと一言告げるとリィシェリアを抱き上げ空に飛び上がった。
世界樹から少しばかり離れると青い髪の青年が口を開いた。
「殿下。僭越ながらお髪の色を変えさせて頂きます」
「…?黒い髪は目立ちますか?」
「気がつかれていなかったのですね。殿下のお髪は黒ではなく、白銀の髪ですよ」
言って鏡を見せた。
それを見たリィシェリアはまたもや顔を引きつらせる羽目になった。
生まれた時は黒眼黒髪だった私の目と髪が、エメラルドグリーンの瞳に白銀の髪をしていたからだ。
「どういう事ですか…コレ…」
そして思わず呟いた。
赤い髪の青年に抱っこされているのも忘れて…