閑話・ラウリル
この国アルウィンは我ら天使族に連なる者たちの国だ。
そしてとある時代から、天の使いでは無く一つの皇国として栄えていた。
遥か昔は天使と言う名の通り、天の使いとしての使命を持ち行っていたと伝えられているが、今ではそれも無いようなものである。
しかし、変わらないものもある。
悪魔との関係だ。人の心より生まれ出でる邪悪な魔を悪魔と呼び、それを浄化するのも天使の使命。その浄化の使命は未だに続いている。
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僕はラウリル。この春守護天使に昇格した。新任の守護天使の中から1番成績が良い者が、僕達天使族が産まれる生命の樹の番人に任命される。
そして僕はその番人に任命された。そしてその年、僕等が心よりお仕えしている我らが皇太子・リィフェイ様と太陽王・ガーレン=ディア様との【生命の祝詞】の儀式が行われ、晴れて虹色の卵が生命の樹に実られた。
これから約100年の歳月を得て大きく育たれ、熟成した卵に成長し羽化の儀を迎えられるのである。
番人の任期は約50年。僕はその頃は既に番人の任期は終了しているだろうが、誕生の儀に参加し途中までであるが彼の御卵をお育て出来ることを誇りに思う。どうか健やかにお育ちなさいます様大切にお守りいたします。
この頃僕はそんな事を思っていたように思う。かの方があれほど早く羽化されるとはつゆほどにも思わずに……。