2話
よろしくお願い申し上げます。
あれから、私は小川の上流を目指し歩いている。遠くには一際目立つ白く立派な樹が有りました。あの樹が世界樹ですね。ラウリルさんはその樹を目指して歩けと言われたので小川に沿って登っています。
歩いてる際に私はとんでもない事実を知りました!それは何かと言えば……。
「だれ?……このびしょうじょ……」
そう。私の容姿です。
辺りには小川に映る人は私しか居ませんが、思わず辺りを見渡したり私の目を疑いました。
私の容姿は、髪の毛は腰までのストレートの黒眼黒髪。しかし、俄かに違和感はありますが肌はひどく透明な肌色をしており、服装は先程ラウリルさんが着ていたような縫い目の無い服で、白をベースに葉っぱの刺繍がしてありました。そして額には月と葉をモチーフにしたラリエット(額飾り)。年齢は3歳位でしょうか?となると美少女と言うより美幼女ね。
「わたしこれから、どうなるの?」
思わず呟きましたが、ナルシストでは無い為先を急ぎましょう。
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それから、更に3時間程歩いた(産まれたての天使は羽はあるが飛び方を知らない為危険なので、飛ぶと言う考えが起こらない様になっている)時アーチ状の樹が見えた。その奥には美しい白い樹。
アーチ状の樹の前に、警備兵と見られる赤い髪と青い髪を持つこれまた綺麗な容姿の青年天使が弓と槍を手に立って居た。
「そこの子供。この地に何用か」
「あ…あの…わたしラウリルさまに、ここにむかうようにいわれました」
おずおずと答えるユズリハに2人は顔を見合わせ、青髪の青年は警戒は解かず、しかし、安心させる様にユズリハに微笑んだ。
(こ…ここにも目の保養素材が…!)
「では新たな同志ですね」
「其方名は?」
「?」
「ラウリル様に頂いた名ですよ」
「あ…ありません…」
私が答えると、目を見開いてお互いの顔と私を見比べました。
その後ハッとしたように青い髪をした青年が質問をしてきた。
「名前を付けてもらえなかったのですか?!」
そんなに驚くことかと不思議に思いながら頷いた。
「セラフィスどう思う」
「どう思うも何も、ラウリル様が名前をつけ忘れるわけはないでしょう」
2人はしばらく相談していたが、拉致があかないと思ったのか今度は赤い髪の青年が問いかけた。
「ラウリル様は他に何か言っていなかったのか?」
「…えっとほんらいは、ばんにんであるじぶんがなまえをつけなければならないけど、わたしはうまれがとくしゅだから、つけるわけにはいかないっていってました」
私はラウリルさんが言った言葉を一言一句伝えると「まさか…」とか「早すぎる…あり得ないだろう…」と再び2人は話し合いました。
その間に私はここまで歩いてきた疲れも出て、コクリコクリと船を漕ぎだしてしまいました。しょうがないですよね。なんたって羽化したてなんですから。
そして、ついにはふらりと体がぶれてアーチ状に組まれている木の葉の壁に寄りかかってしまいました。その途端に後ろに佇んでいた世界樹が光り輝き、アーチ状の門に薔薇が咲き乱れました。
それを見た2人は、驚きつつも納得した様に警戒を解き私に話しかけてきた。
「どうやらゼウス様がお待ちのようですね」
「神が認めたなら何も言わぬ。このアーチを抜け世界樹の元に行き神にお会いせよ」
そう2人は告げ薔薇の咲いたアーチの門に私を促した。