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プロローグ

「やっぱり上だよな…。」

独り言を吐きながら僕は頂上へ続く階段を一段ずつ登っていた。

分厚い石壁に覆われ薄暗いが、所々に設けられた窓からは朝日が差している。

さらにその窓からは、肌寒い中多くの人達から発せられた声が聞こえ、慌ただしい様子が窺える。

彼らは待っているのだ、彼女の声を。

「さぁ…頂上だ。いよいよか!」

出口を示す明るい光を見たら無意識にそう呟いていた。

その光に入った瞬間、すぐ彼女の姿を見つけることができた。

凸凹した城壁から下の喧騒を見守っていた。

僕は後ろから声をかける。

「全部隊準備完了です。レーティア王女殿下、ご指示を。」

「うむ。皆の顔色はどうじゃった?」

上からチラチラと見守るくらいなら自分で確認すればいいのにと思うが、なんとも彼女らしいとも思った。

「はい、覚悟を決めた良い顔をしておりました。……と言いたいところですが、恐れや不安を持った者が多数を。」

「そうか…。それこそあるべき姿じゃな。のう、詠人。そう思わぬか?」

「そうですね。我々のような変わった者など少ないにこしたことはありません。」

変わった者=戦いに染まった者。それが僕たちだ。

「カカッ、変わった者か。言うようになったの。昔はあんなに……」

「ひ、姫様!昔のことなど忘れてください!せっかく真面目な態度で対応してたのに…!」

まったく最近では昔のことをよく口に出し僕をからかってくる。

僕たちはそれくらい遠くまできたのだ。

「ワシはその顔が見たかったのじゃ。昔から付き合っていたその顔を。このような状況でも安心するのう。」

「姫様…。」

「それと変わった者など言うな。詠人忘れるな。戦いの後の平和にはその姿が必要となろう。」

「…はい。心得ました。」

明るい顔だった彼女の顔が変わる。

「この戦…。勝てるじゃろうか?」

この人は自分のことは後で、まず他人の心配をしてしまう。

そんなお姫様だ。

僕が今まで通り肯定し、励まし、支えなきゃいけない。

そういう役割を担ってきた。

「激戦となるこの戦いも、様々な重圧が御身にかかっていることも十分把握しております。ですが、敢えて言わせてもらいます。この戦勝たねばならないと!そして勝利へと導く方を、皆も私も知っております。レーテイア王女殿下、お導きください!」

彼女は人の先頭に立ち人々を導く役割を。

「買いかぶりと言いたいが……そうじゃの!この戦勝つぞ詠人!そして平和を手に入れてみせるぞ!」

そして歩き出す。

彼らが待っている演説台へと。

彼女の姿が現れるとこの辺りは大歓声に包まれた。



この話は戦姫と呼ばれた彼女とそれを支えた僕の物語である。

1週間に一度のペースで投稿できればと思っております。

拙い文章ではございますが、これからよろしくお願いいたします。


性転換&魔法ものも書いてます→「ぐだぐだっ☆」(N3747BR)

お手すきの際にでも読んで頂ければ幸いです。

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