非現実的な現実を実現する物語の始まり
世には3つの世界が存在する。
――人間界。私たち人間が呼吸し、喜怒哀楽を表現し、自分の意思が広く伝わる場所。
――天上界。私たち人間が死後に行くといわれる世界。たとえ青く澄み渡った大空でも灰色に淀んだ曇天を解像度を高くして見上げても、ましてや宇宙ステーションでさえも見えない、ただ一つ確認しえない場所。
――仮想世界。私たち人間が作り出した世界。ありとあらゆることが可能で、インターネットであったりゲームであったりAIであったり。人間界に存在する生物のほとんどがこれに漂っている。
これらの3つの世界はすべて別々に存在している。これは当たり前のことだが、大前提として一番大切なことでもある。大方の人が理解している事項である。
しかしそれを打ち破る者がいたとしたら。
虚空界がうまれるであろう。時と空間、即ち「時空」の壁を破ってしまうのだから。
だが幻想に過ぎない。試みる人が誰もいないからだ。
このように思っている高校生・泰隆零は、アジア50に入るエリート高校生。プログラム専攻の2年生。
さっきは「幻想」「空想」「非現実的」と模している「虚空界」の有無をつけたい。いや、作る。
「AIメイド・猫玉がお送りしました!」