第六話 可愛い魔獣の飼い方
風呂場に着くとアカリは周囲を見渡す。
「凄く大きいお風呂ですね。」
「そうだろ!このお風呂はここの地域で一番大きいんだ。」
「へぇ~つまりこれからは毎日大きいお風呂に入れるってことか…」
アカリは嬉しそうに尻尾をブンブンと振った。
「アカリ嬉しそうだね。」
「いえ、そんなことはありません。どこをどう見たらそんな考えに至るんですか。」
本当にツンツンしてるな、言葉のナイフがちょっと辛い。
「一緒に入るの何て嫌だろうし、まず僕が先に入るよ。」
「それは嫌です。男が先に入ったお風呂なんかに入りたくないです。」
「辛辣~、僕だって泣くぞ。」
「知りませんよそんなこと!とにかく私が先に入ります。」
「はいはい、わかったよ。」
「あっそれとまさかとは思いますが絶対に入らないでくださいよ。」
「大丈夫だよ。というか鍵閉めればいいじゃないか。」
「一様ですよ。貴方が扉をも壊すむっつりかも知れませんし。」
「ないない。」
そういう感じでアカリは風呂へ入り、俺は風呂場の前の休憩所に座っていた。
万が一メイドやらが風呂の中へ入ったらやばいことになるから、もしものための保険でもつけとくか…
「草木の鍵閉め」
扉に草の錠前が出てきた。
これでメイドがきても開けられないだろう。
俺は待っているとある人物が歩いてきた。
「やあ、フェル。その服はどうしたんだ?」
「魔術を試していたら失敗しちゃってこうなりました。」
「あ~、それは災難だったね。」
「はい、悔しいです。」
「そっか。ほんとフェルは凄いよね。」
「えっ。」
俺は予想にもない返答に驚きお兄様に振り向く。
「フェルは魔術のが僕とは違って凄いし、話術も上手でスペクトラとかと親友になったりして僕よりも才能があって凄いね憧れちゃうよ。」
「お兄様も凄いですよ、お兄様は統率力とか判断力、知力が僕とは違って良いから僕だって憧れますよ。」
「じぁ、二人は足りないところ補ってるって感じなんだね。」
「そうです。僕たち兄弟は足りないところを補って生きてるんです。」
「そうだよね…このことフェルと話せて良かったよありがとう。」
「はい、自分こそありがとうございます。」
「僕はもう行くから、早くお風呂に入りなよ。」
「はい」
お兄様はこの場をゆっくりと去っていった。
この話を通してお兄様が自分の事をどう思っていたかわかって良かった。
これでお兄様との絆が強くなった気がする。
そんなことを考えてると、アカリが入り終わったらしい。
「フェル様、鍵を開けましたけど開きません。どういうことですか?」
「あぁ、一様僕も二重で鍵をかけてたんだ。今開ける。」
扉の鍵をを解くと内の寝巻をきたアカリが出てきた。
「似合ってて可愛いよ。」
「煽てるのは結構です。早く入ってきてください。」
「はいはい。後、アカリは獣化しといてね。」
「わかってますよ。それより早く入ってきてください。」
その後俺は風呂へ入り終わり、風呂場から出た。
「アカリ!出たよ。」
「やっと出ましたか。」
そこには小さな白い子狐がいた。
「それでこの後はどうするんですか?」
時刻石を見ると、もう夕飯の時間になっていた。
時刻石とはこの世界の時計のようなもだが、微細な輝きで結構違うためよく間違える。
「もうこんな時間だ、そろそろ夕食の時間だから食堂へ行こう。」
「分かりました。」
俺はアカリを持ち上げて食堂へ向かった。
俺達が食堂へ行くと先にスペクトラがいた。
「フェル。それが噂の子狐?」
「そうだよ、可愛いよね。」
「うん、可愛いよね。撫でていいかな?」
「いいよ。」
スペクトラはアカリの頭を撫でると嬉しそうな顔をした。
「もふもふで可愛い!」
「ありがとう撫でさせてくれて。」
「いいよいいよこれからも撫てね。」
スペクトラと話していたら夕食の時間になり、家族全員で食卓を囲み食べはじめた。
無論、アカリの夕飯も用意され、炒めた肉や野菜が沢山載っていて、ペットにしたら豪華だなと思った。
「フェル。それがメイドの言っていた子狐か?」
食事中にお父様が話しかけてきたので、口の中のものを飲み込み返答した。
「はい、今日拾ってきた子狐でして、とても可愛いですよ。」
「そうか、良かったなこれからは自由に館を歩かせていいが、仕付けはするんだぞ。」
「はい!」
まあ、アカリは仕付けなんかしたら怒りそうだが…
そんなことを思っていると、可愛いが元気のある声がした。
「フェルお兄ちゃん、白い子狐拾ったの?凄い!」
「そうだろ。可愛いでしょ。」
「お兄ちゃん撫でてもいい?」
「いいよ。」
「やったー」
この子は前に話していた二歳下の弟のレクス・アクレシアだ。とにかく元気のあり、家をほっこりさせてくれる元気印でレクスだけお父様をお父さん、お母様はお母さん、お兄様はお兄ちゃんと呼んでいる。
「可愛い!もふもふ!」
レクスはアカリの頭をわしゃわしゃと撫でると、少しアカリは嫌な顔をするがすぐに変えて嬉しそうな顔をした。
「嬉しそうだね。」
「そうだね。嬉しそう…」
ごめんなアカリ、小さい子には大人の対応をしてくれ。
そうして、夕食は終わり、いつもは風呂の時間だが今日は先に入ったため入らなくて良いとなったので歯磨きなどをして自分の部屋に戻る。
部屋に入るとそこには獣化を解いていたアカリがいた。
「鍵は閉めましたか?」
「うん、閉めたよ。」
「もうフェル様は寝るんですか?」
「いや、まだ寝ないよ。君に沢山質問したいからね。」
「質問ですか…デリカシーのない質問以外なら答えますよ。」
「そうですか…では答えてもらおうか。」
俺はアカリの質問コーナーをやり始める。
「君は、魔獣と言っているが、普段は亜人の姿をしているがどういうことだ?」
説明しよう!この世界には人種が人間を入れて5ついる。
長い耳と美貌を持ち魔術や弓術に長けた種族のエルフ。
人間より背が低く怪力の持ち主で鍛冶や鈍器の扱いに長けたドワーフ。
身長が1m程度しかなく手先が器用な商売上手の種族の小人。
身体が動物のような見た目をしていて防御力と防寒、防暑に優れた亜人。
とこのような種族がいて、その中でも亜人はさらに二つの種類に分けられて、体や顔がほぼ動物だが人のような姿をしているタイプと人間の身体に少しだけ動物の要素があるタイプと分けられアカリはその後者に似ているからである。
「それはこの姿も借りの姿であって、本当の姿はもっと大きい大狐なんです。」
「じゃあ何で最初に会ったときにその姿じゃなかったの。」
「それはこの姿は図体が小さいので機敏に動けるからとこの姿の方が可愛いからです。」
「え…」
拍子抜けした、人の姿の理由がまさかそれ程中身のないとは。
「え…って何ですか文句でもあるんですか。」
「いっ嫌別に…」
「ふ~ん…でまだありますか?」
「あるぞ、お前が体質と言っていたあの青い炎は何なんだ?」
アカリは炎魔術の使い手だが戦闘中に赤い炎ではなく青い炎を使っていたあれは何なんだ?
「体質というのは加護で私には青炎の加護と防魔の加護を持っています。」
「え…アカリには二つの加護があったの!」
「そうなんです。
まず青炎の加護は普通の炎よりも威力があり、そして消えにくい。
次に防魔の加護は自身の半径2メートル程に入ったものを自動的に自分の魔力にあてる。
…が私にある加護です。」
なるほどだからアカリは何もせずとも炎が出せたのか納得だな。
「もう終わりですか?そろそろ寝たいです。」
「いや、もう一つあるこれで最後だ。」
俺は腕を上げて。
「この腕輪は何なんだ?」




