第四話 魔術と剣術の使い分け
「さあ、いよいよ始まりました。本日最後の試合の決勝戦!選手を紹介させていただきます。右コーナー、数々の敵を危なげなく倒していった、フェルノートくん!対するは左コーナー、敵を無情に淡々と倒していったスペクトラくん!さあ両者とも才能のある原石の二人の熱き魂を賭けた戦いが今幕を開けます!それでは参りましょう!レディー…ファイト!」
試合が始まった、俺達は相手がどうでるか見た。
最初に動いたのは、スペクトラ!
「石投げ」
「木の盾」
俺は冷静に石を防御した。
そして攻撃をしかけた。
「眠り粉!」
「岩の壁」
スペクトラが眠り粉を岩で防いだ。
「やるな、スペクトラ!」
「いい加減早く負けてもらうため、終わらせてもらいます。」
「くらえ!大岩落とし」
上空から巨大な岩が落ちてきた。
中級魔術かよ。
それならこっちも…
「大木の根!」
「中級魔術同士のぶつかり合いどちらが勝つのか!」
「負けてくれ!」
「うお~!」
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気がつくと、スペクトラが倒れていた。
俺が勝ったのだ。
「しょっ勝者はフェルノートくんです!フェルノートくんが勝者です!」
会場は今までにないくらいの歓声がどっと湧き、称賛の嵐が立ち込めた。
「フェル様~!やりましたね。」
「フェル!よくやったな!」
ナディアとネメシスが祝福してくれた!
「スペクトラ!何をやっているんだ!」
そこには威厳のある、紅色の髪と黄色の瞳をした男がいた。
あいつがスペクトラのいう、親か…
「スペクトラ!お前にはな~期待をしていたんだ、お前の兄弟達とは違い、傑作だと思っていたがなんだその醜態は!お前のことを傑作だと思い込んでいた我々は愚かだった。お前はもう要らない家から出ていけ!」
スペクトラはひどく落ち込み、膝からぐずれ落ちた。
「びどい!そんなに子供に虐待をするなんて…貴方、それでも子供の親なんですか!」
「君はフェルノートくんか!違う虐待なんかではない、これはあくまでも教育だ!家の教育に指図しないでもらいたい。それと君は家に来ないか?家だったら多くの魔術を学ぶことができて、さらに宮廷魔術師にだってなれる。だから家に来い!」
スペクトラの親は俺に向かって手を指し述べる。
だが、ナディアが怒り、反論する。
「ちょっと貴方余りにも勝手過ぎやしませんか!内の家族を貴方の家に引きずり込もうとするなんて、それと自分の子供を捨てるなんて、貴方にフェル様を渡す義務はありません。」
「黙ってもらおうか、今私はフェルノートくんと話しているのだ、私達の会話に水を差すのではない。さもなくば殺すぞ。」
「おい!あんた話を聞いていれば何勝手に話を進めてるんだ、僕が貴方みたいなのがいる所には行きません。それとナディアに対してびどい言葉も浴びせて!ナディアに謝って下さい!」
「謝る?私が?この下民に?冗談は止めてもらおうか!それに考え直せ、お前は何故この下民の所に行きたがる、私のような高貴な存在の所へ来い、お前みたいな下民でも高貴な存在に変えてやろう」
「ほんと、拉致が開かない、衛生兵さん、つまみ出してください。」
「おっおい!離せ、私のような高貴な存在に軽々しく下民が触るな!おい!よせ!おい!」
スペクトラの父は出て行った。
そしてスペクトラが残された。
「スペクトラ。」
「お前よくやってくれたな、お前のせいで生きていけなくなった。これからどうすれば…」
「じゃあ、家に来なよスペクトラ。」
「は?何言ってるんだ!そんなこと出来ないだろ、赤の他人の俺を家に住まわせるなんて。」
「いや、できる。僕がお父様に説得して許してもらう、大丈夫、お金とかは普通の家よりは沢山あるから。それにスペクトラを虐める人もいない。これから僕と自由に暮らせる事ができる、だから来てくれ!」
「いいのか、本当に?」
「いいさ、だって君は僕の友達だろ?」
スペクトラは涙を流すがすぐに手で目を擦り
「うん!」
スペクトラの初めての笑顔を見ることができた。
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そのあと家に帰りお父様とスペクトラの件を話して家に住まわせる事になり、楽しく一緒に生活を送って数日が過ぎた夜、俺は夜風に当たっていた。
「あ!ここにいたのか」
声の方へ振り向くとそこにはスペクトラがいた。
「ここで何をしてたんだ?」
「そうだね、これからの事を考えてた。そういえばスペクトラはもう生活に馴れた?」
「いや、まだ実感が湧かないよ。」
「そっか…」
「ただ、ここでの生活はとても楽しいよ。毎日安心してご飯を食べたり寝ることができて安心できるし、フェルとしゃべったり、遊んだりするのは至福の時だよ。」
「そう、良かった!さっもう真っ暗だし寝よう。」
「うんそうだね!」
「じゃあ戻ろう!」
そしてスペクトラと俺は寝床についた。
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あれから一年が経ちスペクトラとの生活も完全に慣れてきた頃、俺とスペクトラはネメシスと一緒に街で遊んでいた。
「今日は何するか?」
「う~んじゃあお菓子買いに行こう!」
「えっ、でも僕とネメシスお金持ってないよ。」
「大丈夫大丈夫!僕がお金払うよ。」
「いいの?ありがとう」
「フェルありがとな!」
「うんうん、任せなさい。」
「いえ私がお払いしますよ。」
「それはありがたい…ってナディア!なんでここにいるの?」
「ご主人様がフェル様をお呼びになっているからです。」
「お父様が俺に?」
「そうです。なので行ってください。大丈夫です!私がお二人の付いて行きますので。」
「そうかわかった。ごめんね二人とも、戻ってこれたら、高速で戻って来るから。それまで二人で遊んどいて。」
「そういうことならわかった。行ってこい!」
「僕達は気にしないで、行ってきな。」
「うん!」
俺は家へ帰り、お父様の書斎へ入る。
「お父様!今日はどういったご用件ですか?」
「今日はな、お前に剣を教える。」
「剣ですか…すみません僕はどちらかというと魔術師の方が向いていると思うので剣技を覚える必要はないと思うのですが…」
「いや、駄目だ!」
「何故ですか!」
「それはこの家の男に生まれてきたからだ。だから嫌がっても無理矢理受けてもらう!」
「えぇ~」
そしてこの日からお父様による地獄の剣技特訓が始まった。
毎日死ぬほど木の剣で叩かれまくり、俺は心身ともに疲弊しきっていた。
そして今日もいつもの訓練が始まった。
「お父様今日こそは勝ちますよ。」
「ではいくぞ!」
数日訓練をしてお父様の剣の癖もわかってきた。
お父様は俺が突っ立ってると、一瞬んで詰め寄って突いてくる…よし案の定きた。
俺は冷静に防御しカウンターを当てた。
「フェルついに俺に攻撃を当てれようになったか…成長したな。」
「ありがとうございます。」
俺は一瞬で間合いに入り、空中に飛び上がる。
お父様は俺が近づくと剣を縦に構えて横の攻撃に警戒するからここは縦に攻撃だ。
俺は攻撃しようとすると、一瞬で剣を横に構えた。
「え!」
剣は弾かれ無防備になる。
「倍返し!」
「ぐわ~!」
俺は攻撃により吹っ飛び地面に横たわる。
「この剣技は相手が放った攻撃を倍に変えて放つというものだ。しかし俺に剣技を使わせるとは、よくやったものだ。」
まったく…この人はどうやったら勝てるんだ…
俺は意識を失った。




