第12.5話 --ある日の街の目新聞--
街の目新聞 第52号
真実を暴くのはいつも私だ！
--街の目--アルベルト・シュナイダー
---
【大事件】村の水道工事、完全放置！命を危険にさらす怠慢
村の命綱である水道工事が「放置」されている現場を、私はこの目で目撃した。
雨が降る中、工事現場は静まり返り、作業員は一人もいなかった。
これは偶然の休止ではない。村の未来を軽視した怠慢である！
水道は血管であり、止まれば命は絶たれる。工事が進まなければ、村人たちは干からびて倒れるしかないのだ。
「これは放置であり、犯罪的無責任だ！」（赤線）
---
【疑惑】村長、謎の庶民会食！隠された利権か！？
先日、私は村長が昼下がりに食堂へ入る姿を確認した。
そして驚愕すべき光景を目にしたのだ――村長は、庶民と同じ定食を食べていた！
一見すれば質素で清廉な行為。しかし、これは庶民に取り入り支持を買うための「見せかけ」ではないか？
村長が口にした味噌汁、その奥にどれほどの黒い思惑が溶け込んでいたか、誰が知ろう。
「この会食は村の未来を売り渡す密約の場だ！」（赤線）
---
【スクープ】不正支出か！？子ども会のおやつ代に潜む闇
役場から出された「おやつ代」の領収書を、私は独自入手した。
一見ただの菓子代。しかし本当に子どもに渡った証拠はどこにもない！
菓子は口に入れば跡形もなく消える。つまり証拠隠滅に最適なアイテムだ。
チョコレートはどこへ行った？キャンディは誰が舐めた？
「甘い支出は腐敗の温床だ！」（赤線）
---
【論説】役場は怠慢、商人は利己的、若者は無関心！
今、街は三重苦に沈んでいる。
役場は工事を放置し、商人は利益のみを追い、若者は昼寝ばかりだ。
誰も声を上げず、このままでは街は腐り果てるだろう。
私だけが真実を叫ぶ。私こそが街の目であり、耳であり、口である。
「真実を告げる者はいつも孤独だ。だが沈黙こそ最大の罪だ！」（赤線）
--街の目新聞--
定期購読者募集中！
