コラム:登場人物紹介(今更ながら…)
【出雲崎 真理】
・乗り鉄/分析の鬼
・24歳・女性・独身
・「東亜政経研究舎」アナリスト(新卒3年目)
・163.5cm/55kg/86-70-86
・一流大学を副首席で修了、最年少22歳で政治学修士を取得。学生時代は鉄道研究会の乗り鉄。
・政策過程に精通し、査読論文の投稿や学会賞も多数。社内では分析力で一目置かれる存在。
・内向的で人付き合いは狭い。社内では“浮いた存在”だが、その能力は評価されている。
・DNR7社をホールディングス化し、沿線自治体51%出資で再統合するのが夢。
・象潟先輩への憧れが強く、時に独占欲ものぞかせる。「受け」気質。
【象潟 幸恵】
・ゆるふわ天才博士/頼れる先輩
・32歳・女性・独身
・「東亜政経」最年少シニアディレクター
・172.8cm/64kg/95-75-95
・一流大学を首席で卒業。国内最年少で経済学博士号を取得。アカデミアではなく実務の道へ。
・ゆるふわでマイペースだが、実力は折り紙つき。
・真理にとって唯一心を開ける相手であり、憧れの存在。「攻め」気質。
・真理の提案を受け、「にちもう!」プロジェクト責任者を引き受ける。
【椿山 一姫】
・東亜政経の姫/純真な秘書
・22歳・男性・独身
・「東亜政経」社長室秘書(新卒2年目)
・163.0cm/54kg/85-70-85
・短大を首席で卒業。4年制大学には進まず東亜政経に入社。
・おっとりとした物腰で内向的。小説好き。
・中性的なルックスと抜群の接待スキルで、社内人気は圧倒的。
・自ら志願して「にちもう!」プロジェクトに参加。
【奈良井 健三】
・イケおじ創業者/民主的ワンマン経営者
・75歳(外観は−20歳)・男性・独身
・「東亜政経研究舎」代表取締役社長
・185.2cm/70kg/92-77-92
・元経産省官房審議官。退官後に会社を設立して20年。政官財に広い人脈。
・官僚時代の苦い経験から、「世界一のホワイト企業」を密かに目指している。
・外見は強面だが、社員からの信頼は厚い。"そっちの気"なのは周知の事実。
【鵜殿 一郎】
・選挙の鬼/鉄道族の古強者
・75歳(外観は−20歳)・男性・独身
・国民保守党 衆議院議員(15期)
・175.6cm/65kg/90-71-90
・奈良井の経産省同期。課長補佐時に政界転身。以降選挙無敗。
・内閣府特命担当大臣などを歴任するも、存在感はやや控えめ。
・ショート動画で保守的発言を展開し、若年層人気を急上昇させている。
・憲政史上最高齢の首相を密かに目指す。
出雲崎真理 象潟幸恵 椿山一姫
奈良井健三 鵜殿一郎
———————————————————
象潟「ねえ真理ちゃん。社長と鵜殿先生って、ただの同期以上に見えるよね」
真理「確かに。2人とも独身ですし、そういう噂が出るのも分かります」
椿山「っ……!」(書類を取り落としそうになって慌てる)
象潟「あら?椿山くん?どうしたの?」
象潟「ふふ~、“そっちの気”ってことかな?」
椿山「ち、違います!私……そんなことは……!」
椿山君が、青ざめて俯いた。
真理「……」
象潟「……ごめんね。冗談だったんだけど」
──その場は気まずい沈黙に包まれた。
---
翌日、社内の一角。
椿山「……昨日のことは忘れてください。私、ストレートですから……」
真理「椿山君、それは嘘でしょ」
象潟「うん。そんな顔で言ったって無理だよ。……からかってごめんね」
椿山「……いえ……でも……昨日は怖くて眠れませんでした。社内に“男がいける”と知られたら……本気で迫られたら、私の体格じゃ抵抗できません。だから、ずっと誰にも言えなかったんです」
拳を握りしめながら、震える声で過去を語り出す。
椿山「……私、中学生の時に……クラスの男子に告白しました。でも、その子に言いふらされて……“気持ち悪い”って言われて……孤立しました。それからは、勉強だけが救いでした」
真理「……椿山くん……」
椿山「短大に進んで、社長に惹かれて……この会社を目指しました。秘書室の応募者は中途の女性ばかり。その中で私は必死に勉強して、一枠しかなかった採用を勝ち取りました」
象潟「頑張ったんだね……」
椿山「社長も自分と同じだと知ったのは、入社してからでした。その時、心が弾んだんです。『もしかしたら私にもチャンスがあるかも』って……。でも……同性で、しかも50歳以上も離れた人を好きになるなんて……やっぱり変でしょうか?社長は鵜殿先生と幸せに過ごしてるかもしれないのに、私は卑怯者でしょうか?」
涙ぐみながら小声で聞く。
真理「変じゃないし、卑怯者でもないよ。むしろ、好きな人のためにそこまで努力できたのはすごいことだと思う」
象潟「そうそう~。だって社長、見た目めっちゃ若いし、イケオジだと思うよ。むしろね、私がノンケなら……社長のこと、好きになってたかも~」
椿山「……えっ!?」
真理「ちょ、先輩……それって……」
椿山「もしかして……先輩も、そっち系……なんですか……?」
象潟「うん、そうだよ~」
私は、心の中で密かに喜んだ。先輩と結ばれる可能性が、ほんの少しでも現実になったから。
真理「実は私も……。だから、椿山くんの気持ちもよく分かる」
椿山「……2人とも……?」
涙をこぼす椿山。幸恵先輩が咄嗟に抱き寄せ、肩で顔を隠させる。
象潟「大丈夫。泣いてもいいよ。でも、ここでは目立たないようにね」
真理「安心して。椿山くんの恋も、秘密も、私たちが守る」
象潟「うん、むしろ応援したいな。3人で“同盟”、ってことで」
椿山「……ありがとうございます……! 私……ずっと孤独でした。でも今……初めて心を開けました……!」
──こうして、3人は“誰にも言えない秘密”を分かち合う小さな同盟になった。そして真理にとっても、それは憧れの先輩と未来を描けるかもしれない、特別な瞬間だった。