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嬉しい席替え
はぁ…。
さっきからため息ばかりが僕の口から漏れている。昨日、冬ちゃんと同じ係になれたのに、どう話しかければ良いのか分からず、もうひとりの女子としか喋れなかった。意識すれば意識するほど、話せなくなってしまう。はぁ…。
今日で20回目ぐらいのため息をついたとき、
「紘~!今日席替えだよな!どの席になるかなぁ。」
突然話しかけてきたのは、友達の「友井 直也」。
そういえば今日は席替えだったか。冬ちゃんの隣になりたいな。そうやって妄想をいているうちに、席替えの時間はやってきた。
自分の席を移動し終えた僕は、隣のペアになるこに目を向けた。そこには、冬ちゃんがいたのだ!彼女も席を移動し終えたらしく、着席している。
「えっ?」
思わず少し大きく声を漏らしてしまった。さすがに冬ちゃんも気づいてこちらを向いた。
「あー。一番後ろの席になったことないから、驚いたなー!」
みんながこちらを不思議そうに見ているので、とっさにごまかしてそういうと、みんなは素直に笑ってくれた。緊張はしたが、それ以上に、冬ちゃんの隣になれたことが、一番嬉しかった。