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1986年 秋 告白

1986年 秋


「俺と付き合ってみないか?」


そんなことを言われたのは、隣の家の金木犀の花がほのかに香る時期だった。


あの合コン以降、由美に誘われて行った飲み会(たまに合コン)には何故か必ずといっていいほど直樹がいた。第一印象はまずまずだったが、何度も出会せば、妙に避けられない顔見知りの関係になるのは当たり前のことである。気づけばお互いについて話し合い、電話番号も交換するほどになっていた。


直樹は嫌な人ではなかった。ふわっとしたところはあるが、勘が強く、いじわると責任感を上手く持ち合わせている人だった。何度か話してわかったことは、医学部に所属していて、いわゆる医者の卵であるということ。伊達に「夢は医者だ」とは言ってなかったらしい。年はみちより少し上、運動神経抜群で、家族全員165cm以内なのに彼だけ183cmあるらしい。


「なんで私なの?美人は嫌いじゃなかったっけ?」


と好奇心と皮肉を交えて聞いてみる。


「嫌いなのは美人と合コンの掛け合わせ。美人が嫌いとは言った覚えない」


「そっか、じゃ最初の質問の答えは?」


「んー、上手く説明できないというか、こうだから!って表現できる言葉が見つからない。でもそのうち一緒にいて見つけたい、そう思うから」


(ハッキリいう時はハッキリいうのに、こういうところ少し勿体ぶるんだよな)


なんて思いながらも、


「じゃあ、よろしくね」


なんて返事をしていた。


金木犀の花の香りって上品で落ち着きますよね。

私は花の中では1番好きな香りです。

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