サスケとコジロウ、ニンニンニンで流れ星! の巻
「ニンニン!」
「ニンニンニン!」
空飛ぶ忍者のサスケとコジロウは、風を目いっぱい受けたふろしきを、まるでパラシュートのようにあやつりながら、暗い夜空を飛んでいきます。
「ニンニン! コジロウ、遅れておるでござる!」
「ニンニンニン! サスケこそ、低く飛び過ぎで見つかるでござるよ!」
サスケとコジロウは、同じ忍者学校で勉強する、忍者仲間でした。今日は初めての任務です。でも、二人は張り合ってばっかりで……。
「ニンニン! コジロウこそふろしきがハデで、見つかりそうでござる!」
「ニンニンニン! サスケこそ、もっと風をつかまえないと墜落するでござるよ!」
ちゃんと協力して任務を成功させろと、忍者学校の先生にもあれほどいわれたというのに、サスケとコジロウは少しも協力する気はありません。しまいには……。
「ニンニン! コジロウ、よくも手裏剣を投げたでござるな、もう許さないでござる!」
「ニンニンニン! 望むところでござる、今日こそサスケをやっつけてやるでござるよ!」
あぁ、大変です! とうとうサスケとコジロウが、ふろしきで空を飛びながら、ビュンビュン手裏剣を投げまくり始めました。手裏剣は夜空を、あっちにこっちに飛んでいきます。それを見ていた森の動物たちは、目をぱちくり。
「あれあれ? 今日はすごいぞ、流れ星の大群だ!」
夜に起きてるフクロウやコウモリだけでなく、眠っていた動物たちも起きてきて、みんなで空を見あげます。でも、みんな今度は首をかしげました。
「あれあれ? 流れ星って、『ぴゅーん』って音で飛んでいくよね」
「うん。でもおかしいよね、今日の流れ星。飛んでいくとき、『ニンニン! ニンニンニン!』って、変な音がするよ」
不思議がっている動物たちをよそに、サスケとコジロウは、一晩中手裏剣を投げ合い続けました。そして、結局任務も失敗して、忍者学校の先生にこっぴどく怒られましたとさ。
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