第7話、存在を忘れてた
お陰様でブックマーク数が10件を迎えました!
ありがとうございます、この調子で伸びて行ければと思います!
あの面倒くさい兄をやり過ごし、アクティに癒されながら数日をすごした。
そして…遂に、遂に!
「もう動いても大丈夫ですよ」
そう医師から言われたのだ!!
「お嬢様…本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ…元々元気だったし、それにアング医師はこのマジソーヘブン王国随一の医者なんだから」
「そっそうですよね…実技、頑張って下さいね!」
「う――」
「その事だが少し待て」
私が返事をしようとすると、唐突に扉が開き、声が聞こえた。
「えっあ…お父様?」
「レイ、回復したのならやる事があるだろう」
「何かありましたっけ…?」
「誕生日会」
「あ…私はやらなくても良いのですが…」
「まだほかの歳ならやらん事も出来なくはないが、今回は14歳、開催する事が貴族としての誇りだ」
私は貴族の誇りとか要らないんだけど…
「一刻も早く開催をしたい為、明日にする事にした」
「あっ明日ですか?!それは急すぎ…」
「お前に拒否権はない、今日は特訓せず、明日の練習をしろ」
そう言い捨て、部屋を出ていった。
「取り敢えず言葉を考えないとですよね…」
「開会の言葉みたいなのね…色々とめんどくさいなぁ…」
「お嬢様最近好きな物とか変わりましたよね」
「んあっぁそう?」
「はい、パーティー系とか好きだったじゃないですか」
「あっうーん…ほら、私も年頃だからさ?異性と関わるのが嫌になって…?」
確かに元の私はもっと社交的で、パーティーとかには進んで参加していた。
ただ前世の記憶を取り戻した以上、あの陰キャで人があまり好きではない私になってしまった。
まぁでもあまり嘘はついていない、男は基本嫌いだ。
前世では昔から男運が最低だった、呪われていると本気で思うぐらいだ。
その為、出来れば沢山の人と関わるパーティーには参加したくない。
「まぁパーティーが嫌でもお嬢様が主役ですから、流石に参加しないと駄目ですよ?」
「うーん…分かってるけどね?」
本当に参加したくない、上手くできる気がしない。
「まぁほら、考えますよ!」
そう言われ、嫌々ながら開会の時に私が喋る言葉を考えさせられるのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「――っと…こんな感じでいいかな」
「良いと思います、構成の仕方とか上手になりましたね」
「えっそうかな?」
小説を書いていた昔のおかげだろうか。
「聞き手を惹き付ける文だとも思います」
「アクティは褒めるの上手いねぇ…」
そんな事を話しながら言葉の暗記をしていると、ドアをノックする音が響く。
「ん?どうぞお入りください!」
「失礼致します、旦那様がお呼びです。一時間程したら執務室へとお向かいください」
「分かりました、態々ありがとうございます」
「いえ、私はこれで、失礼致しました」
そう言うとメイドは部屋を出ていった。
「お嬢様って私への態度と他の人への態度、だいぶ違いますよね」
「一応お嬢様だし」
「一応じゃなくて普通にお嬢様ですよ?」
「まぁそこは関係ないよ、一時間で行かないとなんだから着替えないと…」
「ですね、お着替えお持ちします」
貴族は父親に会うだけでも少しはちゃんとしないといけない、面倒くさいな…
「お持ちしました、着替えますよ」
「はーい…」
「シャキッとして下さい、怒られますよ」
「それは嫌だから頑張る…」
父親に怒られない為に準備をし、一時間が経った。
何を言われても大丈夫なよう心構えをして、執務室へと続く長く広い廊下を歩く。
お読み頂きありがとうございました。
感想等ありましたら励みになるので是非。
貴族の仕組みとか全く分からない…
なんで主人公を貴族にしたんだ