第3話、まとめよう①
増えるブックマークを見て書き進めている
「お嬢様、ただいま戻りました」
戻ってくるのを暫く待っていると、軽くノックをした後、アクティがノートと色んなペンとかをを持ちながら医務室に入ってくる。
「態々ごめんね、ありがとう」
「いえ、こちらこそお待たせして申し訳ありません、あっノートをどうぞ」
アクティから新品のノートを受け取る。
さらに絵を描くと言ったからかペンや絵の具等も…ペンは使えるとして絵の具はそんな要らないな…
「アクティはまだ仕事残ってるでしょ?下がっていいよ」
「ではお言葉に甘えて、失礼します」
アクティが医務室を去って直ぐ、私はノートを開く。
すると1ページ目には、
『何を考えているかは知りませんが、変なことだけはしないで下さいね? Byアクティ』
と、私のデフォルメされた似顔絵と共に書いてあった。
「絵を描くんじゃなくて他のことをするってバレてる…なんで…?」
昔からアクティにはバレるんだよなぁ…アクティには…いや、断じて私がわかりやすいとかそんなんじゃない。
別にアクティ以外の人にもバレまくるとかそんな事はない!はず!
まぁそんな事は置いといて…
「まずゲームについて…とも思ったけど、一応前世の私についてもまとめた方がいいかな?」
ノートの次のページに『前世の私』と書き、その下に名前を書く。
「東雲 零っと…」
今世の私はレイ・シルバート、前世は東雲 零
「名前は同じなんだなぁ…あっ」
そう言えば私ゲームでの名前も面倒だからレイにしてたな…もしかしてそれが関係してるのかな?
「もし関係するのなら、私の外見は…?」
思い出せ、ゲームのアバターを。
ゆっくりと頭の中に浮かんでくる。
金色のミディアムぐらいの髪。
少しつり上がった水色の瞳。
猫口に、1本の八重歯。
「大体…私だな」
ゲームのアバターは大体今世の私と同じだった。
ただ1箇所だけ当てはまらないところがある。
それは髪の長さだ、貴族女性は基本的に髪が長い、それは私もだ。
ただ髪を切ったら絶対ゲームのアバターと同じになるだろう。
外見も名前もゲームと殆ど同じなら、それ以外のところもゲームと同じって可能性が高いよね。
「ん〜まぁ後ででいっか!」
考えるのが面倒くさくなった私は、アバターと一致問題を後回しにすることにした。
「取り敢えず私だよ、前世の」
名前以外もちゃんと書かないとダメだ。
誕生日、仕事、血液型etc…
あと…死因。
「私は…なんで死んだ?」
記憶に全神経を集中させる。
出て来ていない記憶を探す。
ゲームとか、友人とか、大体の記憶は頭の中に流れてきている。
ただ1つ、死因が分からない。
「っ…!」
考えていると、急に心臓部に痛みが走る。
まるで、これ以上考えるのをやめろと言われているようだ。
「っあ〜…分かった、自然に思い出すまで死因については考えないよ…痛い」
そう口に出した瞬間に、痛みが引く。
「何なんだ…?記憶を思い出した時にも頭痛がしたりしたけど…何か関係あるのかな…」
そんな事を考えつつも、もう一度痛みに襲われたら堪らない私は、素直に他の記憶についてを書くことにした。
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前世の私
名前/東雲 零 ♀
誕生日/11月5日
血液型/B型
利き手/右
年齢/21歳
死因/???
顔/それなりに良い、はず
髪色/少し茶色混じりの黒
瞳色/黒
出身/日本
家/よくある一般家庭
家族構成/父 母 姉
仕事/ゲーム系 3Dモデラー
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「こんなもんかな…」
ある程度、前世の私についてを書き終えた。
まぁ書くべきことを思い出したら書く感じでいいだろう。
「にしても…誕生日とか、利き手とか…全部同じだ」
The story of the free worldでも…面倒だな、訳…ザッストとかで良いか。
ザッストでも最初に血液型とか、そういうのを設定する。
外見も同じだし、やっぱりアバターと今世の私は同じ?
「うぅー…わかんないよー…」
これでも一応14+21の35さ…何か…悲しい…
「私は14歳だから…21は精神年齢…精神年齢だから!」
誰に対しての言い訳だろうか、自分に言い聞かせるように、精神年齢と言い続ける。
「よし…21は精神年齢…よし!」
21歳の頭脳で考えても分からない…何故アバターと同じなのか?
「まぁ…保留でいっか!」
先程と同じように面倒くさくなった私は、この重要そうな話について、考えるのをやめた。
お読み頂きありがとうございました。
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何となくの流れだけで細かい所を考えてないから
レイというよりうちが考えるの面倒くさくなってる