第1話、13歳最後の日
本日から投稿を開始します。
かなり不定期ですがよろしくお願いします!
「明日はついに14歳…」
私、レイ・シルバートは明日でついに14歳となる。
この世界、ルクトリアは15歳になると、貴族も平民も、全ての人類が職業を職神様から授けていただくのだ。
職業の内容は14歳からの行動で決まると言われている。
14歳と言う年齢は、人生で最も大切と言っても過言ではないほど重要な歳だ。
そして私は明日、14歳の誕生日を迎える。
「楽しみだなぁ…ちゃんとできるかな」
明日の誕生日会の事を考えると気持ちが落ち着かず、自室を歩き回りながら明日のことを考える。
私は一応公爵家の身分を持っており、更に私の家はこの世で最も強いと言われる聖騎士の名門なのである。
まぁ私はあまり聖騎士になれると期待されていないのだが…それでも一応強い職につけるよう、14歳になったら修行を頑張ろう!
「明日と思うと緊張してきた…本でも読んで緊張をほぐそうかな…」
そう思い、本棚へと歩き出そうとすると。
「うわあぁ!!」
何も無いところで躓き、転んでしまう…
やばい!このまま行くと本棚に…しかもこの角度なら角に当たっちゃう…!
ゴン!!
「お嬢様…?今すごい音が…ってお嬢様?!えちょっ…誰か!誰かあああ!」
私が本棚に頭をぶつけてすぐ、扉の近くにいたであろうメイドが来てくれた。
ものすごく絶叫しているが私は一体どうなっているのだろうか…まぁこれで死ぬ事は無いだろう。
明日から14歳で忙しくなるのにその前に死んじゃうとかどんなお話だよっての…
安心した私の視界は、ゆっくりと黒に染っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「う…ん」
目を覚ますとそこは見慣れぬ天井…なんてことは無く、屋敷の医務室だった。
「私…なんでこんなところで…」
なぜか記憶が思い出そうにも上手く思い出せない。
ただなにか違和感があるのだ。
「なんだろう…この違和感は」
なにか、何かがおかしい。
まるで記憶が入り乱れているような、そんな奇妙な感覚。
「っぁ!!」
痛い…頭が割れるように…!
「うぁ…」
収まったと思った瞬間、気持ち悪いほどに大量の記憶が、鮮明になだれ込んでくる。
車、スマホ、テレビ…この世界では見たことの無い技術が頭の中に流れる。
その記憶の中の一つ、ゲーム。
この世界にもチェス等のゲームはあるが、それとは違い、テレビやスマホなどを使いプレイするタイプのもの。
前世の私はそれはもう色々なゲームをプレイしていたようだ。
音ゲーにソシャゲ、乙女ゲーやFPSまで。
どんなゲームも網羅して来た前世の私。
その数あるゲームのうちの一つ…
「The story of the free world…?」
前世の私はこのゲームをほかと比べ物にならないほどやりこんでいたようだ、最強と言われるほどには。
このゲームの風景とか、なにか今世で見たことがあるような気がするのだ。
「あっ…」
そっか…そりゃあ知ってる訳だ。
この、今私が生きている世界は、前世のゲームの世界なんだ。
世界の名前はルクトリア、知ってる街の名前もある。
私の家、シルバート公爵家が収める領地なんてものもある。
今世で私が暮らしていた世界は、
The story of the free worldの世界なのだ…
お読み頂きありがとうございました。
感想等ありましたら励みになるので是非。
文字数少ないかもですが…
多分うちの作品は全部こんなもんだと思います。