表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/17

第13話、出会い


 体内時計的には、森に入って1時間がたった頃だろうか。

「はぁ…疲れたぁ…」

 ずっと歩き続けて、流石に疲れてきた。ある程度訓練は受けていたとて、私はさっきまでお嬢様だったんだ。流石に疲れてしまう。

「休憩しよう…」


 ちょうどいい岩場を見つけ、腰掛ける。

「真っ暗だなぁ…月くらいしかあかりが無いよ…」

 多分今は1時くらい…そりゃあ暗いか。

「今日はここで寝ようかな…」

 野宿をするために必要な事は、出る前に散々アクティに教えられた。火起こしくらいできる。


「薪集めよっと」

 そう思い、立ち上がる。

 すると、少し遠くから草木を掻き分ける音が聞こえた。

「何?モンスター…?それか探索隊かも…」

 モンスターなら、ここら辺には雑魚しかいないはず、走って逃げられる。

 探索隊は…厄介だな。


 落ち着いて動きを止める。音を出すと私がいる所がバレてしまうから。

「……」

 徐々に音が近づいてくる。この足音は人じゃない、四足歩行…いや8?複数体かもしれない。

 流石に少し怖い。いくら雑魚でもモンスターはモンスター、恐怖の対象だ。


 よく耳を澄ますと、鳴き声らしき声が聞こえる。

 この鳴き声は…ここら辺のモンスターでは聞かないような…って?!

 気が付けば目の前の草が揺れていた、もう近くにいる…!逃げな――

「うわあああぁぁ!!」


 顔面に2つの塊が飛んできた。攻撃?と思ったが…何かふわふわしている。

「いったた…何…?」

 勢いで倒れてしまったが起き上がり、辺りを見回す、するとそこに居たのは…


「にゃー」

「みゃー」

「……猫?」

 明るい毛色と、暗めの毛色の、2匹の猫だった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「この子達は…あっ」

 先程まで座っていた岩場に座り直して、2匹を見ようとしたら、森の方に走っていった。

「逃げた…?」

 そう思いながら暫く座っていると、2匹の足音が聞こえ始めた。

 2匹が戻ってきたのだ…口に枝を咥えながら。

「えと…薪を持ってきたの?」

 問い掛けると頷く…なんなんだろう。


「君たちは一体…?」

「にゃーにゃんにゃにゃ」

 にゃ…にゃーにゃんにゃにゃとは一体…

「えと…人語は喋れるの?てか知能があるの…?」

「みゃー」

 頷く…私の言葉を理解しているのは確実そう…

「なんで私の事を手伝ってくれたの…?」

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ――」

「わかった!分かったからもう大丈夫!」


 危うくにゃのゲシュタルト崩壊するところだった…あっそうだ。

「えっとさ、君達、私と一緒に行く?」

 知能があって私に近づいたなら、もしかしたら一緒に行きたいのかもしれない。

「にゃん!」

「行く気満々だね、よろしく、えーっと…君達、名前はある?」


 そう問いかけると、一泊間を開けたあと、地面を引っ掻いて文字を書き始めた。

「暗い方がココア、明るい方がミルクね…」

 絶対色でこの名前ついてるな…

「よろしくね、ココア、ミルク。私はレイ、ただのレイだよ」

「にゃー」

「みゃー」


 私の冒険初日、新しく2匹の仲間が出来ました。

 私に猫語はわからないけど、何となく言いたい事が分かるように……将来的にはなりたいけど…


「なんで私の所に来たんだろ…」

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃーにゃんにゃにゃ――」

「ごめんさっきもやったけど答えなくていいから!答えるにしても私に伝わるようにお願い!」

 流石にこれは、前途多難そうだ。

「みゃん…」

 あっでも、何となくココアに対して、ミルクが呆れてるのはわかる気がする…

 伝わるのが呆れている事なのって、どうなんだろう…


「…みゃんみゃみゃっみゃ」

「…言葉は伝わらないけど慰めてくれてるのは分かったよ…」

 こんなんでこの先大丈夫だろうか…大丈夫にするしかないよな…

お読み頂きありがとうございました。

感想等ありましたら励みになるので是非。


にゃ がココアで

みゃ がミルクです…分かりにくいね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ