とりあえず準備をする
ゆっぴに電話をする。
友人の土建屋だ。
まず植木の背が低すぎるので道路からの目隠しとして柵を作ってもらう。
そのあとウッドデッキで穴を覆い天井は曇りガラスでテラスにする。
「いやいやこれはマズいよ。バレたら終わるって」
と庭のブルーシートの下を覗いて渋るゆっぴ。
「俺も終わるから良いじゃねぇか」
「良くないよ、最低最悪だよ。2人して捕まるんだから良いって考え方どうかしてるよ」
それはそうだと思う。
だけど結局はやってくれた。
ちなみにダンジョン隠しは最低で懲役刑だ。
ダンジョン隠しでモンスターが出てきて人が殺されたら殺人罪が適応される。
この肝はウッドデッキだ。
ウッドデッキを作った後にダンジョンができていたとそう言う方向で行けば過失で終わる。と、期待する。
ゆっぴの部下と俺で植木を引っこ抜き花壇を基礎にして塀を作った。かなりやっつけだが夕方にはなんとかなった。
2人で縁側に座りブルーシートを眺めながら缶ビールをのむ。
「ダンジョンってなんなんだろうな」
疲れた顔でビールを煽る。
ダンジョン
10年ぐらい前に確認された。
空き地に突然できる。
クリーチャーが出てくる。
クリーチャーを倒すと強くなる。
小さいもので5層、最大で21層までは確認されている。
最奥のコアを砕くとしばらくして消える。
それぐらいのことは知ってるが、そもそもダンジョンとは何かはまだ誰にもわかっていない。
ダンジョンの情報の多くは秘匿されている。
たくさんあるが、そうそうできる物でもないのがダンジョンだ。
「もう入ったの?」
「まだ。少し休んでから今夜中に入るつもり」
ダンジョンができてから72時間放置するとモンスターが出てきてしまうので、とりあえず中に入りモンスターを殺さなくてはいけない。