平凡な村娘の逃走計画
再び・・・首無し令嬢によって混乱する王都!!
その混乱の中、騎士や衛士の追跡を振り切り王都を脱出する首のない人影。
その首のない人影は 常人では出せない速度で街道を走り抜ける。
そして・・・街道を行き交う数多くの旅人や商人たちは 信じられない超常現象を見て恐怖し驚くのであった!!
その首のない人影とは・・・当然のごとく首がないティナww 首無しティナ!
可愛いコアラを肩に抱っこされたまま首無しティナが走る!
そんな騒動から数時間後・・・
ティナは・・・ギロチンの時と同様に とある森林地帯の大木の木陰で体を休めていた。
もちろん 電脳による身体再生プログラムを起動しており 離れ離れになった頭部と胴体はすでに合体している。
そして・・何事もなかったように 健康な身体に戻っていたのであった。
『 ティナ様! 今後・・・再び頭部が切られる可能性もあるので、初めから頭部を脱着可能な状態にしてます 』
コアラのロイが・・・とんでも発言をしてきた。
「え!?」
『 いつでも頭部の脱着が可能ですので 頭部が斬られても大丈夫です。 これなら首が切られ血が噴出しても 血液不足にならずにすみます 』
「え~~!!?」
ティアは動揺したが、あえて詳しくは聞かなかった・・・・ちょっと怖すぎ!!
頭部脱着の件はおいといて・・・
「まったく・・・・えらい目にあった。 まさか王都に入る前に正体がばれるとはね~」
『 今回の反省から髪の色をかえますか!? 』
コアラのロイからアドバイスである。
「可能なの!?」
『 生体プラントを活用しますと髪の色をかえることが可能です 』
私の正体がばれたのも 青髪が原因らしい・・・なにかと目立つので隠蔽すべきかな!!
「うんうん、じゃ~おねがい さっそく髪の色をかえて」
『 それでは 髪を傷めずティナ様に似合う色!! そうですね・・・茶髪がよさそうですね 』
「茶髪って!?」
『 薄めの黒髪です!! 簡単に染めれるのでお勧めです 』
すると・・・ティナの頭に何やら静電気のようなものが駆け走る感触がした。
こ・・・これは間違いなく異世界でいう科学とやらの神秘なのか!!と思ったら違ってましたww
どこから用意したのか不明だが、ロイの短い手に毛染め剤がにぎられており、ティナの髪の毛にふりかけていただけであった。
高等な科学技術を駆使した神秘な力ではなかったのです!!
じつにアナログなやり方であった。
ティナは鏡を取り出し 自分の髪の色を確かめる。
「あら~ だいぶん・・・雰囲気がかわったわね!! ちょっと・・髪型も変えてみようかしら」
ポニーテール,トリプルテール、ドリルテール、ダブルテール、マスカットテール、フラットテール・・・
様々な髪型を試してみても いまいちなのね!!
納得できる髪型がない! どんな髪型がいいんだろうか!?
『 ティナ様!! ツインテールはいかがですか?? 』
ロイがちょっこんとティナの頭に乗っかると 一流美容師のような巧みな業を繰り出し ツインテールの髪型にヘアーチェンジ!!
そして 最後はティナのトレードマークである赤いバンダナを装着した!!
ロイはティナの頭の上で 一仕事した満足感のためか 短い腕を掲げ勝利宣言をするかのようなポーズをとった。
「あら!! 素敵じゃない!」
ティナは一瞬にして 満足したような顔になった。
電脳AIによる 今日のおすすめな髪型一覧表から ティナに似合う髪型を選んだのであった!!
こうして 新たに生まれ変わったティナの姿が そこにあった!!(髪型と色を変えただけなんだが・・)
だが・・・擬装工作はこれだけではない!!
ロイは次なる物を取り出した。
薄黒いロープである!!
(ロイはティナと同様に空間格納庫を保持しており ある程度のアイテムを持っているのです)
『ティナ様 このロープを着用すると より擬装できますよ!! 』
そういわれてローブに袖を通すティナ。
薄黒くだぶだぶなので可愛くない!
もうちょっと ましな色はないの!? これでも年頃の乙女なのよ!!!
そんなティナの不満も気にしないかのごとくロイは続けて喋る。
『 それから・・ティナ様!! もっと深く 顔を見えないようにフードを被るのです 』
「こうなのか!?」
ティナは おもっきりフードを深くかぶり 外側からでは顔が見えなくなった。
『 いいですね~ それから人と話す時は 目を光らせ怪しさを かもし出すのがいいです 』
「・・・・・こうなの!?」
ピカッ!! 黒いフードの中から怪しく光る目。
じつに中二病的な振る舞いである!!
どこかの仕事人というか・・・暗殺者ぽいです!!
これで 簡単に正体がばれないはず・・・・だといいなぁ
擬装工作は完了した!!
ティナは決心する。
いざ! 再び王都へ・・・・
・・・・・は絶対無理か!!!
指名手配書も出回っているようだし・・・
わが身の安全を確実にするためにも、とりあえず、国外脱出するしかない!!
ティナは北西部をぬけてバトラーナ帝国に行くことにした。
理由は簡単!!
国境までの距離が一番近いからである。
街道を通った場合、検問に引っかかる危険性もあることから、
本街道をできるだけ使わず、山岳地帯をぬけることにした。
以前とは違い 生体プラントにより身体強化されているため、少々の魔獣を蹴り飛ばすことも可能!?とロイちゃんは言ってたが、
実戦経験がないので、わからない!!(王都で一般住民を吹き飛ばした経験はありますw)
とにかく、もはや普通の少女でないことはわかってるつもりである。
首がポロリしても死なないくらいには・・・
そして・・・ティナは歩く。
街道から外れた道なき道。森林や山岳地帯を横切っていったのであった。
ときおり現れる兎などの小動物を コアラのロイは手早く蹴りたおし、血抜きをして、食材になっていく。
ロイにとっては朝飯前の簡単なことであった。
ちなみに 血抜きされた食材は ティナの格納庫内に保管している。
格納庫内では時間が停止しているので 食材が腐る心配はない!!
「ロイちゃん・・・そんな可愛い身なりでも 獰猛な野生の動物なんだ・・・ちょっとショックかも!」
『 ティナ様・・ わたくしは動物ではなくコアラ型ドローンです!! 』
「でも・・・やっぱし見た目は かわいいペットなのよ!」
『 わたくしは・・・ペットなのですか!! 』
電脳AIなのに どこか不満気味である。
とりあえず・・ロイが小動物を蹴倒すことにより食料を確保。
自給自足体制をなんとか構築。
師匠から持たされた食料を できるだけ頼らないようにしていきたいです!!
日が傾き、付近が暗くなると、夜のお休みタイムに移行する。
ティナは空間格納アイテム一覧表の中にある簡易テントセットを選択。
すると目の前に 巨大なダンボールのような四角い箱が出現したのである。
「始めてこの四角い箱を見た時は なにこれ!? こんな箱の中で寝るの!?とか思ったのよね~」
コアラのロイもティナの発言にうなずくのである。
ティナは ダンボール箱の横についている黄色いボタンを押すと・・・
折畳み傘が展開するかのようにダンボール箱が大きく展開、3人ぐらい寝泊まりできる三角形のテントに変化した。
まさに驚異のテクノロジーである!!
テント内部は ベッドの他、ある程度の生活道具が備えてあった。
洗面台、シャワー、トイレ、空調設備!!
3Dテレビ・・・電波が届いてないので見れません。
3Dビデオ・・・ソフトがないので見れません。
あと謎の製品の数々・・・21世紀異世界の人には想像もできない未来技術の製品ですww
これでもかの異世界科学技術がテンコ盛り・・・状態である!!
ティナが始めてテントを見た時には 驚きのため あれやこれやと設備類をさわりまくっていたが、
今では自分の部屋のごとく普通にすごしているのである。
まず、ティナはコアラのロイをモフモフしながら・・・・シャワーを浴びる。
もちろん・・・お湯のシャワーであり水量も十分!! 実に気持ちがよい。
ティナだけではなく・・・モフモフされながら洗われるロイの顔も なんだか気持ちよさそうであった(電脳AIなのにww)
シャワーの後、ティナは寝巻に着替え、
・・・・なにやら音楽の鳴る製品のスイッチを入れ その音楽を聴きながら
ベッドの中でロイをモフモフしながら安心快眠するのであった。
もはや・・・中世異世界の住民とは思えないほど 科学技術の恩恵を受け入れた生活になってしまっているww
夜中の周囲警戒は ベットから抜け出したロイが行っており、
その上、この簡易テントは頑丈にできてるため、そのあたりの弱小魔獣ごときに壊れるようなものではなかった。
そんな快適ライフをしながら・・森林地帯の踏破をしてるある日の午後。
森の中のすこし開けた広場のような所で ティナは昼食にすることにした。
空間格納庫からテーブルを取り出し 手早く料理を作った。
兎肉と野菜をパンではさみ 謎のソースをつけた謎のサンドイッチ。
近くで採れた野イチゴに謎の加工をした・・・野イチゴジュース!!
わりと普通な!?昼のメニューである。
これらの料理を 涼しい風にあたりながら ティナは美味しく食事をしていたのであった。
「とりたての兎肉だよ!!」
美味しそうな兎肉の匂いを漂わせる中、ティナは満足した顔となりサンドイッチを口に入れる。
コアラのロイもティナの横で ちょっこんとすわり、
かわいらしい仕草で同じサンドイッチを食べる(ドローンロボなんだけど!?)
至福のひとときである!!
そんなひとときを過ごしていると・・・・
なにやら 森の奥が騒がしい。何かいるのかな!? ティナはそちらの方向に顔を向けた。
すると、森の奥から なにやら黒い影!? いや 違う! 赤い影がこちらに突っ込んできたのだ。
全身を炎に包まれながら ティナめがけて突っ込んでくる!
俗称で炎熊と呼ばれる 炎を帯びた魔獣である。
この炎熊のあまりの素早い動きのため、ロイの対処が遅れた!! 飛び蹴りが間に合わない!!
(お気楽にサンドイッチを食べてたからね!!)
『 まずい! わたくしの乙賀忍法蹴拳が・・・サンドイッチのために負けるとは!!』
不意の出来事のためか ティナの身体は硬直してしまい動けない!!
「う・・・うそ! ロイちゃん! 助けて~」
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) 次回 ティナ VS 炎熊