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再び首無し令嬢・あらわる!


現在 ファリード王国全土にて指名手配書が配られていた。

「Wanted 首無し令嬢セレスティナ!! 謀反人の娘であり妖怪の可能性あり!!

特徴は片手に自分の首を掲げ持ち ものすごい速さで走ることが出来る」


こんなホラーな手配書が全土に配布されたのである。

デュラハンなのか!?



ティナは とある町の掲示板で、この手配書を見たのである。

似顔絵まで バッチリと描かれていて、割とよく似ているが、この町に来るまで多くの人達と接触したが、

まったく疑われなかったのである。


まずは服装! 現在、ティナは空間格納庫に入っていた一般的な町娘風のワンピースを着ている。

似顔絵に描かれているような 令嬢が着用するひらひら付きドレスを着てないので 同一人物だと思われていない。

薄い青色の髪は似顔絵と同じであるが、似顔絵とは違い、ティナのトレードマークである赤いバンダナをしてるため、

雰囲気が完全に違うのである。

グレートダウンして貧乏臭くなっているのだ!!

ちょっと悲しい!!!


あと恐怖の象徴のように指名手配されているが 現在のティナの肩には可愛いコアラが抱っこ状態でしがみつき、

愛嬌をふりまいているので 無害な少女にしか思われていないというのもあるかもしれない。





あんな生首事件をおこしてしまったため、故郷の村に帰ると・・やっぱし迷惑になるだろうなぁ

住居にしていた山奥の僻地のツリーハウスで立てこもって身を隠すことも可能だろうが・・・さすがに生活物資が手に入らない!!


別の町で薬草術を駆使してポーションを売るしかないのか!?

待てよ! そうか・・違うやり方もある!!


電脳検索によって異世界技術のいくつかを手に入れたのだ!!

これを使えば・・・何かを作って商売を始めることができるかもしれない~

たとえばアイスクリームとか!!

そうなのです!! この世界にはアイスクリームがない。

牛乳さえあればつくれるし・・・ 空間格納には なぜか冷凍機能もついている。

ちょっと作ってみたい! 食べてみたい!! 

アイスクリーム屋でも始めようかな~♪

きっと この世界にない美味しい食べ物なので・・・大好評だよね!

売れる! 間違いなく売れる!!


アイスクリームを売るなら人が多い場所がいい!!・・・それは王都!!

王都にもどるべきか・・・・??



そうだ!! アイスクリーム屋をはじめながら敵の追手から逃げれる方法!! 敵を欺く必殺の業がある!!

それは・・・木を隠すなら森の中である。


へたに逃げるぐらいなら 敵の本拠地で身を隠すのがいい!!

王都ナガールに潜伏しつつアイスクリーム屋を営んで大繁盛!?   これだね!!

潜伏と大繁盛を両立させようとする希代の大戦略!!!


ティナは自分に都合のよい事だけを考える・・あれな少女であったww




幸いに処刑されていた時のような深窓の令嬢の姿ではなく 現在はグレードダウンしてしまい貧乏くさくなっている。

ティナの肩にかわいいコアラがしがみつき・・・無害な女性というか可愛い女の子アピール!!

そうです!! ティナは・・・完全に庶民として溶け込める状態である。(元々庶民だけど・・・)


こうして・・ティナは平気な顔をして王都ナガールの城門を くぐろうとしていた。

王都の経済を活性化するために、人の出入りを規制せず、自由に行き交うことが出来たのだが・・・・・・

先日に発生した首無し令嬢事件のため、多くの衛兵が城門に立ち 怪しげな人物が城門を通過しないかと監視をしていた。



多くの人が行き交う中・・・・・・ティナは小柄な体系を生かして、うまく人混みにまぎれ 城門を通過しようと・・・・

・・・したら、いきなり声をかけられてしまった!!

「もしもし お嬢さん!!」


きゃぁ~ 男の人に声をかけられた!! と一瞬おもったりしたが・・・・ここは城門!! 

そんなわけはない!


ティナはなんとなく後ろを振り向くと・・・好みの顔をした若い衛士に手を掴まれ、

あれよあれよというまに衛士の詰め所へと連れていかれた。

肩にしがみついているコアラのロイもちょっと心配そうな顔をしている(AIの電脳だけど)



「すみません・・お嬢さん! 青髪の女性は入念に検査せよとの命令を受けてまして・・・」

あっ!! 青髪が不味かったのね!! これは・・・ばれるかも!?


衛士につれられ詰め所にはいると・・・なにやら どこかで見たような・・小太りでふっくらとした顔つきの偉そうな男が椅子にふん反りかえっていたww

そして・・・その小太りな男は ティナを凝視している。


ティナは 生ぬるい汗が背中を流れたのを感じた!!

小太り男・・・・すなわちクルス王子が声をかけてきた。

「うむ!! お前の名はなんと言う!?」


「テ・・・ティムール!!」

とっさに偽名を名のった。 異世界のとある英雄の名であるのだが この世界ではなじみはないはず!


「吾輩の名はクルス オル ファリード・・・この国の第三王子だ!  偽名はいかんなぁ! セレスティーナ嬢よ 」


バレた! 完全にバレた!! この小太り青年にバレた!  

というか ・・・・故郷のタムラ村にやってきてうちを捕まえたオーク王子じゃないか!!



肩にしがみつくコアラのロイも なんだか顔が青くなった。


「従妹にあたるので なんとなく血族は分かるのだよ。 

というか・・・・青髪は王族の象徴のようなもの!!  平民の者に青髪は少ないんだ。

ま~いい!! どういう手品か魔術なのか分からないが、

処刑から逃げおおせたことは誉めてやろう!! だが!! 吾輩からは逃げられるとは思うな!!」


「なんのことやら!? えっと・・待って! 待って! 話せばわかる!! オーク王子様! 話せば~」

焦るティナ。 ちょっとパニック気味である。


「誰が~  オーク王子じゃぁぁぁぁぁぁぁ」


小太り王子改め オーク王子ではなく・・・クルス王子はおもっきり頭に血が登り・・・

手に持っていた剣を瞬く間に鞘から抜くと、一刀両断でティナの首筋に・・・

  

スパッ!


ティナの目線は空を舞う! そこには首から物凄い血が噴き出す首無しの町娘の姿が・・・

あああっ 同じ光景を以前に見たことが・・・

 

またもや やっちゃった!!

ポロリ・・・・ポロリもあるよ・・


そして・・・ティナの頭は詰め所の床に転がった。


「あ~~ ちょっとムカッときて・・・・ま~ どちらにしても切り殺す予定だから 別にいいんだが・・・・

それでも、あまり女性を切るのは気が引けたのだ・・・しかたがない! これも仕事だ

みなのもの!! すまないなぁ 詰め所をえらく汚してしまったようだ」


あまりの出来事のため 周りの衛士も唖然としている。

「い、いえ! 床の血のりは洗えば済むことです。それにしても・・ ク・・・クルス王子殿の剣さばきはお見事です!!」

動揺しながら褒めたたえる衛士。

賞金首になっているため・・セレスティーナ嬢の殺害は犯罪ではない!!


クルス王子は うかない顔をしながら、ティナの遺体を眺めていると・・・その遺体がピクピク痙攣していることに気付いた。



「ま・・まさか!!  まずい!」

そういえば! こいつは処刑場で首をはねても生きていたんだ!! 常識にとらわれすぎて・・忘れていた!!


クルス王子は再び剣を握り とどめを刺すべく心臓に向けて切りつけようとした瞬間、

首無しティナの体によって下敷きになっていたコアラのロイがなんとか抜け出して床をひと蹴り、

コアラ体を回転させながら クルス王子に飛び蹴りをした。

コアラの脚は短いのだが、凄まじい蹴りによって 数百の脚が残像となって見えたのである。

『 けりけりけりけりけりけりけり 』

もはや ただのコアラではない 別の生物と化している!!


その人知を超えたすさまじい飛び蹴り殺法によって 王子は宙を十数回も回転しながら壁に激突・・・そして壁にめりこんだまま、気を失った。

一連の出来事を見ていた周りの衛士は まるでスローモーションのように見えたという!!!


『 また・・・つまらぬものを蹴ってしまった! これぞ異世界奥義3000年にわたり口伝で伝わりし必殺乙賀忍法の蹴拳』

コアラの着用しているまんだら模様をした袖が舞い上がり なにやら片手をあげポーズをしている!!



詰所の衛士が大パニックである。

首なし死体なのに 体をピクピクして痙攣中の死体!?

吹き飛ばされ・・・壁にめり込んでいる王子!!

そして・・・なにやら人の言葉を喋るコアラ!!


「ぐぅぁぁぁぁぁぁぁ」


その後 コアラのロイは10名の衛士相手に大暴れ・・・詰所は血で赤く・・・染めないようにロイは手加減して

衛士を床にたたきこんだのであった。


「うっううう コアラ怖い  コアラ怖い」

なにやら床でころがりながら うめいている衛士もいた。



そんな詰所の騒動の中、

ギロチンの時と同様にティナの頭部では体内プラントの働きで脳死はせず、相変わらず生命活動をしている。


ピコーン!!

『 緊急事態発生! 体内プラントを起動します 緊急プログラムを実行中 』

ティナの脳内では 電脳からの声が鳴り響いていた。


しばらくすると 痙攣していた首無し胴体部分が ある程度回復したらしく スクっ と立ち上がり

自分の頭部を腕に抱え込んだ。


「わたし ま・・・また、首がポロリしちゃったのね」

・・・・自らの首無し胴体を見ながらそんな感傷!?に浸っている場合ではない!!

外部で別の作業をしていた衛士たちが 詰所の騒ぎを聞きつけ慌てて駆けつけてきたのだ。

その数は十数人!! なんとか逃げないと!!


首無しティナの肩にしがみついたコアラのロイはティナに早くここから逃げるように促す!


「うん 逃げるわよ!!」


首無し胴体は ティナの頭部を両手で抱え、再びラガーマンのような姿勢で こともあろうに王都中心地へ走り出した。

『 ティナ様 逃げる場所が反対です・・・これでは王都の中心街へ・・・ 』

「え・・・!!」

おもっきり 道を間違えてしまった。



駆け付けた衛士たちは 詰所内部の とんでもない情景を目にした。

あまりのショックのためか 立ち尽くしてしまっている。

床に広がる赤い血(ティナの血です)の上で倒れている10名の衛士。

そして 壁にめりこみ まったく動かないクルス王子!!


とんでもない殺人事件の発生である!!



我にかえった衛士隊の隊長は怒鳴る。

「クルス王子が・・・・大変だ。  治療師を呼べ! 賊を追跡しろ」


何人かの衛士は治療師を呼びに行き・・・

残りの衛士たちは 一斉に首無しとなったティナの追跡を始めた。



「あら・・私、また・・・同じことをやってるわぁ」

妙に冷静になってるティナ・・・そして駆け走る!!


再び王都ナガールは あの悪夢が再現されようとしていた。

真っ赤に染まった頭部を両手で抱えながら服を真っ赤にぬらした首無し少女が走る!!!

それも・・・体内プラントの作用により 身体力が強化されバイクなみの速さで走るのである!!


まさに恐怖!

血で染まった首なし少女を見て逃げ惑う住民たち! パニック 狂乱である

王都中心部につづく道では住民たちのパニックにより、通行中の荷馬車は横転。

屋台は破壊され、商品が道に散乱する。

そして、どさくさまぎれに商品を盗む者・・・

泣き叫ぶ子供たち。はぐれた子供の名を呼ぶ親。



王都は大混乱である。

あの 首無し令嬢事件が再び発生したのだ!!


その騒動を見て ちょっと楽しくなっていくティナ。愉快犯の素質ありである。

そして・・・逃げ惑う住民たちに向かって わざとに追いかける!!


『 えっと・・・ティナ様! 喜んでる場合ではないです!! 現在、大量の血を失っています!! 食事が必要です 何かを食べてください! 』

肩に捕まっているコアラのロイから警告の言葉が発せられた。

「えっ!!」


ティナはロイの警告により・・・おもわず高級レストランに突入した!!

よりによって高級レストランである!!


そして レストランから上がる悲鳴と怒号。

「で・・・でた!!」

「ひぇぇぇ 首無し!」


恐怖の首無し物体が血をたらしながら突進!!

食事をしているおそらくは上流階級の人達を蹴とばしていった。

そして、蹴とばされた人達は 軽く宙を舞い地面に叩きつけられる。


ティナは体内プラントの作用により 身体が強化され、まるで魔獣のような強さで人々をけちらしていく。


テーブルの食べ物を わしづかみにして頭部の口に入れるが・・・もちろん体と直結してないため 首部分から食べ物がこぼれ落ちる!!

だが・・・それでもかまわず食べる!!


体内プラントの働きにより、首根っこから食べ物がこぼれ落ちたとしても ある程度の栄養を取り込み頭部に血液を巡回してるらしいのである。

ティナは よく分からないが深く考えないことにした。


胴体のほうは 頭部のない首の部分から食べ物を吸い込んでいるようである。

はっきりいって 自分ながら不気味であった。自分の姿とは・・・思いたくない!!


その後、騎士や衛士の追跡を振り切りつつ ティナは壁を駆け登り屋根をつたって走る。

地面だけではなく 王都を立体的に暴れまわるのだ!! 異世界の首無しネズミ小僧である。

ときおり、貴族の邸宅に乱入し、その貴族や執事 メイドの叫び声をドップラー効果しながら駆け抜けた。


やりたい放題の大暴れ、首無し少女の恐怖を王都中で振りまくティナであった!


かなり楽しんでいるが・・・ これで人違い!?ではなく・・まちがいなくギロチン行きの行為である。




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第二の首無し令嬢事件というべきこの事態の発端をつくったクルス王子は大怪我をしたものの大事に至らず身体は回復している。

しかしながら・・・王子は ちょっとしたコアラ恐怖症になってるらしいです。

あと 事件のあらましを調査されたあと このような事態を作り出したということで 父親である国王から叱責され、すこしへこんでいたりする!!

とりあえず・・・群狼部隊リーダーとして クルス王子は引き続きセレスティーナ姫の追跡を行うことになった。



第三王子であるクルス王子は 兄が二人いるため王位継承の争いに外れており、お気楽な身分であった。

数年前、冒険者協会に登録し諸国を漫遊!?武芸の鍛錬に努めるはずだったのだが・・・

・・・・諸国を漫遊するうちに武芸より食い気が先行したため ぶくぶくと膨らみ続け、

元の形がないほど・・・オーク化してしまったのである!!







--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)がんばれ~クルス王子!


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