3ー1
「女体盛りがしたい。」
何をいっているんだこいつは……。
それは週末のことであった。
まいの家に遊びに来ていたあい。
そんな彼女が放った一言であった。
それは何気なく言ったものであった。
あまりにも自然な変態発言。
当然困惑するまい。
「……え?」
自分の耳がおかしくなったのだろう。
もしくは聞き間違いだろう。
そのはずだ。
そうでなくては困る。
まいが聞き返す。
「……ジャパニーズニョタイモリがしたいっ!」
あいが言い方を変える。
普段流暢に日本語を話している彼女が、急にカタコトになる。
それは、自分がハーフであることを思い出したかのような言い方であった。
「あー、聞き間違いじゃなかったかー……。」
まいは、聞き返したことを心底後悔した。
なぜこんなぶっ飛んだことを言い始めてしまったのだろう。
もしかしたら自分が彼女を追い詰めていたのかもしれない。
でなければ彼女がここまでおかしくなるはずがない。
「ごめんね……。私がもっとあいに優しくしてればこんなおかしくならずにすんだのに……。」
「いや、シリアス……。えぇ……。」
沈黙。
「ね、ねえ……。」
空気に耐えきれなくなったあい。
「うん?」
先ほどのことは冗談だ。
そう言うのだろうな。
まいはそんなことを思いながら口を開いた。
「そんなに駄目?」
「え?もしかして本気だったの?」
「まぁ、駄目なら良いけど……。」
「……理由次第では……。」
考えられるわけがない。
しかし、ここまで言うのだ。
それ相応の理由があるはずだ。
まずはそれを解決するのが先決だろう。
「昨日、パパの部屋に忍び込んだの。」
いきなりぶっ飛んでるな。
内心呆れ返るまい。
そんな彼女の気持ちなど知る由もないあいは、さらに続けた。
「そうしたら本の中の女の人が裸で……。」
「あー!分かった、分かった!もう良い!もう良いからっ!」




