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結束ばんど  作者: あさまる
43/43

14ー3

会話と笑顔。

それに溢れていた。

しかし、今日はそれが皆無であったのだ。



「ごちそうさま。」


「……ご、ごちそうさま……でした。」


昼食が終わった。

二人の間に言葉のキャッチボールはなかった。



放課後。


「か、帰ろっか……。」


「うん。」


未だぎこちないあい。

そして、そんな彼女とはうって変わって今まで通りのまい。

二人は今朝とは違い、ともに通学路を歩いていくのであった。



無言。

車の音や、住宅から聞こえる生活音。

それらのみが二人の間にあった。


「あっ……。」

まいが立ち止まる。


「え、ど、どうした?」

急に止まり、声をあげたまいに驚く。

そんなあいの声は、情けなく上擦ってしまっていた。


「スーパー寄ってって良い?」


「え?い、良いけど何買うの?」

突然の申し出。

なぜこのタイミングなのだろう。


「お刺身。」


「お刺身。」

訳が分からずおうむ返しするあい。

ますます謎が深まる。


「そう。昨日の仕返しをしなきゃだし。」


そうだ。

昨日のことだ。


「そうだよ!昨日何があったの!?……わ、私覚えてないし……。」


「本当に?」


「ほ、本当だよ……。」


「……ふーん。あんなことまでしたのに……。初めてだったのに……。」


「ま、まい……さん?あのぉ……?」


「良いよ、思い出させてあげる。昨日あいにされたことと同じことしてあげる。」

そう言うまいの笑みは、あいの背筋を凍らせるものであった。


昨日何があったのか。

それは分からない。

しかし、これだけは分かる。


「……お、お手柔らかに……お願いします。」


恐らく無事に帰れないだろう。

最後までご覧頂きありがとうございました。

また別の作品をご覧の際もよろしくお願い致します。


2019年12月14日

あさまる

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